ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

わたくし、つまりNobody賞『海をあげる』『まとまらない言葉を生きる』読書記録

わたくしつまりNobody賞、受賞の2冊を読んだ記録。

『海をあげる』上間陽子/著(筑摩書房, 2020年)

『まとまらない言葉を生きる』荒井裕樹/著(柏書房, 2021年)

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今を生きている私の尊厳を守る。

抗う。

無遠慮に踏み越えようとする力に対して、「ここに一線がある。踏むな」と全身を使って示す。

言葉で線を引く。

警告を発する。

それは相手を人間扱いしているからだ。

相手が私を人間扱いしないときでさえ。

 

詩人・茨木のり子の「自分の感受性くらい」を思い出す。

どうか今、本質に語りかける言葉を。

 

言い得ない。だから言葉を探す。

苦しみから作りだされる言葉もある。

弱々しくてもよい。

私だけは少なくとも聴いている。

耳を澄ませている。

 

 

Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞2021 のときの上間さんのスピーチが動画と全文起こしで掲載されている。

www.chikumashobo.co.jp

 

第15回 わたくし、つまりNobody賞 受賞時の荒井さんのスピーチ全文起こしが掲載されている。

note.com

 

 

わたくし、つまりNobody賞

https://www.nobody.or.jp/

 

上間陽子さんの『海をあげる』の帯の〈わたくし、つまりNobody賞〉ってなんだろう?と思っていた。(そこで特に調べなかった)

別ルートで同時期に100分de名著 2021年3月 『災害を考える』を観た。録画だけして放置していた。

第4回が池田晶子さん。

「思う」と「考える」の違いについての話がおもしろかったので『14歳からの哲学―考えるための教科書』を読んでみた。

そうしてようやく、〈(池田晶子記念) わたくし、つまりNobody賞〉ということに気づいた。


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『14歳の哲学』はこの記事で紹介した。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

*追記* 2022.6.24

普天間飛行場のある宜野湾市の市役所のホームページにはこんなにページがある。

基地被害110番

https://www.city.ginowan.lg.jp/soshiki/kichi/2/1/1/1/9642.html

実際に寄せられた声を見ていると、自分のいる場所、自分の現実とのあまりの違いに言葉をなくす。このようなところからも見ることができる。

知ろうとすることはとてもシンプルな方法でできる。

 

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共著書『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』(三恵社, 2020年