ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する場づくりを通して考えることなど。

はじめての競技かるた@アカシデカフェ、ひらきました

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6/17、池尻大橋のアカシデカフェさんでの「はじめての競技かるた」の講座でした。カフェがあるのは、なんと知っている人は知っている、競技かるたの強豪校、駒場高校の隣!個人的に萌えるロケーションです。

 

店主さんと、とあるイベントでお会いしたときに、どこからその話になったのか、「わたし競技かるたをやっています」と言ったら、「ぜひ教えにきてほしい!」とお声がけくださったのです。

 

子どもが学校の授業や行事で百人一首を習って、漫画を読んだり映画を観たり、教本を買ってみたりしたけれど、なかなかその次の一歩、正式な競技かるたを教わる機会や場がない。かるた会を調べてみたけれど、近隣の会は定員いっぱいで新規入会を受け付けていない。大人も興味がある人は混じれて、もう少し気軽にはじめられて、ゆくゆくはここで定期的に部活のような場をひらけたら...とのことでした。

そこからかるた会へ入りたい子は入り、かるた会に入るほどじゃないけどやりたい子は来られる、なんて場になればなぁ...!などなど、打ち合わせで、「この先どうしていきたいか、という中での今回の場の位置付けをどうするか」のお話もきかせていただきました。

 

確かに百人一首の歌は知っていても、坊主めくりや散らし取りはやったことがあっても、競技かるたをほんとうに習ったことがある、という人はなかなかいません。華やかでカッコいいイメージはあるんだけど、でも競技かるたとは何なのか、何をしているのか、どういう世界なのかということは、実はあまり知らないという方がほとんどかと思います。

未経験者が知ることができる場がないんだよなぁ、この道でやっていくと決めないと知ることができないのはもったいないよなぁ...ということは、かるたCafeを定期開催しているときから思っていました。間のつなぎ、橋をかける場がない。もっともっと場ができるといいなぁ。わたしもこのような単発の講座をお届けすることで貢献できたらと思い、所属会の会長にもお話し、今回のお話をお受けしました。

 

 

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当日は親子で来られた方も含め8人満席でわいわいと行いました。

競技かるたを経験したことがない方が、自分の知っていることから少しずつ入れるように、見ている風景を想像しながら設計しました。前回の中央区の講座とは目的もテーマも対象者も違うのと、3月から今までに新たに勉強したことなどを加え、一から考えてみました。

 

前半は、「競技かるたと『百人一首』ってどう違うの?どこでできるの?級や大会とは?」という話からはじめ、「和歌の歴史、百人一首の成り立ちや構成、歌人百人一首が競技かるたに至るまでの歴史的変遷」のお話をしました。千年前の人々と今の自分たちとが歌を通してつながっていること、これからやる競技かるたもそのつながりの延長上にある、ということを感じてもらいました。

後半は、1時間ちょっと使って実技をしました。並べ方からはじまり、ルール、マナーなどを少しずつ説明しながら、決まり字の仕組みを説明し、短い方から枚数を限定し、暗記して狙って取る、暗記して狙って取る、を繰り返し、「相手より速く取れると楽しい!」を体感してもらうことを心がけました。

 

 

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やってみてはじめて、

・狙っていた札が取れるとうれしい!・取れないと悔しい!
ちはやふるの太一のすごさがわかった
・畳は叩くんじゃなくて札を払っていたのか
・これを袴でやるのは大変
・本当にスポーツなんですね!
・人に対する礼儀や敬う心がある

などがわかったり、最後のほうには、

・決まり字の短い札は自分に近いところに置いたほうが有利では?
・そうか、同じ音の札は二枚並べたら速く取れるのか!

などに皆さんがどんどん気づいていく様子に、こちらもわくわくしました。

 

最後のふりかえりの時間では、

・負けて悔しかったので、かるた会のことなど調べてみて、競技かるたをやれる方法を考えてみたい
・歌の意味も知って、決まり字も覚えて、もっとかるたのことを知りたい
・最近家で百人一首をするのは飽きていたけれど、競技かるたを知ってまたやってみたいなと思った
・楽しかった!家に帰って子どもとやります!

などの感想が出ました。

 

かるたにはじめてふれた人が、みんなほんとうに楽しそうでキラキラしている様子は、いつ見てもぐっときます。そこに立ち合わせてもらっているのだなぁ。

 

自分で発見したほうがより喜びが深いし、体験として強く残ります。決まっていることと、大事なことだけ説明して、あとは展開していく中で、発見する喜びを持ってもらえるように願っていたのですが、やはり枠が信頼に足るものなら、自然と出てくるし、そしてさらにその発見の喜びに寄り添っていくと人は伸びていくのだなぁと実感しました。「講師」にできるのは、信頼に足る枠をつくるということなのかもしれない、ということも考えました。

 

今回のお仕事は、わたしにとって大切な存在である競技かるたをシェアできたこともうれしかったし、ひとつの世界への分け入り方を見せる、教える、講師としての場づくりが鍛えられたという側面も非常に大きかったです。

 

人間、身は一つで有限なので全部の道には分け入れない。分け入るかもしれない人のきっかけになれたらとてもうれしいけど、たとえ分け入らなくても、ちょっとその世界をのぞけて、自分の持つ何かと接続して対象をとらえられたら楽しいんじゃないか。そんなふうにこの日の競技かるたの体験を受け取っていただけたらうれしいです。

 

ご参加くださった皆さま、アカシデカフェさん、貴重な機会をありがとうございました。

 

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