ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

お知らせ

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  contact ▶︎▶︎f:id:hitotobi:20181205094108j:plain   


今後の予定

 

コラージュの会

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冬至:2021年12月22日(水)https://collage202112.peatix.com/

春分:2022年3月21日(月・祝)
夏至:2022年6月21日(火)
いずれも二十四節気で当日にひらきます。
日程が近づきましたら当ブログで告知、Peatixで募集します。

 

 

2021年12月4日(土)12:00-18:00

お座敷の一箱古本市 Readin' Writin' BOOKSTORE

http://readinwritin.net/

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2021年11月27日(土)〜28日(日)

この秋は金沢21世紀美術館とお仕事させていただいています。
美術館で行われる映画祭で、地元の10代後半から20代半ばの方々が運営する鑑賞対話の場をサポートします。また、鑑賞対話の場の実践経験などを来場者の皆様にお話します。
11月27日(土) 「映画を観て語り合う時間のススメ」トークゲストとして
11月28日(日) 「ゆるっと話そう in まるびぃ」当日および事前準備のアドバイザーとして
初冬の金沢にぜひ遊びにいらしてください。

www.kanazawa21.jp

  

2020年12月30日 初の著書(共著)発売
【きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ】
Amazon他、全国書店にて発売中(電子書籍もあります)


きみトリプロジェクト展開中です。

kimitori.mystrikingly.com

  

 

鑑賞対話ファシリテーション(法人・団体向け)

・表現物の価値を広めたい、共有したい、遺したい業界団体や、
 教育や啓発を促したい、活動テーマをお持ちの法人や団体からのご依頼で、表現物の鑑賞対話の場を企画・設計・進行します。
・鑑賞会、上映会、読書会、勉強会などのイベントやワークショップにより、作品や題材を元に、鑑賞者同士が対話を通して学ぶ場をつくります。

https://seikofunanokawa.com/service-menu/kansho-taiwa-facilitation/

 

場づくりコンサルティング(個人向け)

・読書会、学ぶ会、上映会、シェア会、愛好会...などのイベントや講座。
・企画・設計・進行・宣伝のご相談のります。
・Zoom または 東京都内で対面
・30分¥5,500、60分 ¥11,000(税込)
・募集文の添削やフィードバック、ふりかえりの壁打ち相手にもどうぞ。

https://seikofunanokawa.com/service-menu/badukuri-consulting/

 

連載中
▼『場づくりを成功させるための5つの鍵』(寺子屋学)
https://terakoyagaku.net/group/bazukuri/

▼ noteでも書いたり話したりしています。

note.mu

  

contact ▶︎▶︎f:id:hitotobi:20181205094108j:plain   

 

〈掲載情報〉インタビュー 『仕事文脈』vol.19

掲載誌のお知らせです。

2021/11/24発売の『仕事文脈』vol.19に舟之川のインタビューが掲載されています。
ライターの太田明日香さんによる連載コラム「35歳からのハローワーク」です。

私がなぜ今の仕事をするようになったのかをライフイベントと働き方の面から書いていただきました。

とてもよい記事なのでぜひご覧ください。

(私がどうとかってより、太田さんの筆が素晴らしいんです)

 

太田さんの著書『愛と家事』には個人的に大変救われたところがあるので、今回インタビューしていただけて、とてもうれしく、光栄でした。

 

タバブックス
http://tababooks.com/books/shigotobunmyaku-vol19


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今号の特集は「グレーでいること」
特集扉にはこんな文章が。
---
自粛、お願い、自己責任、その先には監視、非難、思考停止
決まりだから、常識だから、そういうものだから、そんなものに縛られるのはウンザリだ
大きく変わった世界のなかで、白黒つけず、グレーの領域で考えるくらしと仕事のいろいろ
---

この号に載っていることがうれしい。

私もめっちゃグレーだもの。
ほかのコラムも読み応えあり。

今、こういう言葉が読みたかった!という一冊。ぜひお手元に。

 

〈お知らせ〉11/29(月) オンラインでゆるっと話そう『あのこは貴族』w/ シネマ・チュプキ・タバタ

ほぼ毎月開催 の〈ゆるっと話そう〉

第25回は『あのこは貴族』

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映画館のシネマ・チュプキ・タバタさんとコラボでひらく、
映画を観た感想をシェアする会です。
ファシリテーターが進行します。
話題や話者の偏り少なく、差別や偏見に配慮します。

女同士のいがみ合いをネタに笑う時代は終わったかも?!
違いがもたらすのは分断ではなく、ゆるやかな連帯と解放へのエールです。
違いを楽しみながら感想を語ってみませんか。

初めての方、ウェルカム!
他の劇場、配信で観た方、ウェルカム!
これから観る方はぜひチュプキさんで!

ご参加お待ちしています。

 

chupki.jpn.org

 

 

本『きみの体は何者か』読書記録

『きみの体は何者か』伊藤亜紗/著(筑摩書房, 2021年)

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これは 『きみがつくるきみがみつける社会のトリセツ 』の第1章 あなたの心と身体のこと にまつわる図書として紹介したかったなぁ。もちろん発刊年がこちらのほうが新しいので全然間に合っていないのだけれど。

 

身体をどう使うか、身体をどう大事にするかという話の前に、これなんだよな〜

 

「その体を自分で選んだわけじゃない」

「きみはその体、一生かけて引き受けなくちゃいけないんだ」

「もちろん、努力して体をきたえ、理想の体型に近づけることはできるよ。勉強をして、学力を高めることもできる。整形手術わや性転換手術を受けることもできるし、遺伝子操作だって技術的には可能だ。だとしても、やっぱりそこには限界がある」

まえがきのここで、そうだよーーとガツンとやられる。やられる、痛いというか、安堵というか。

 

最近仕事で『難病者の社会参加白書』の編集のお手伝いをしたので、エピソードを寄稿してくださった方々のことが頭に浮かんだ。

 

そして、白眉は「体、この不気味なもの」と題された第2章。いや、ほんと体、不気味ですよね!自分でコントロールできないし、振り回されるし、仕組みも不明。そんな体に頼らないと生きていけないんだからなぁ。

 

伊藤さん自身の持つ吃音という特徴を徹底的に分解していく。私は吃音がないし、身近にもいなかった(たぷん、気づいていないだけかも)ので、こうして事細かに当事者から解説されるのははじめてで新鮮だった。そういうことだったのか。

 

伊藤さんがここで吃音を紹介したのは、吃音について知ってほしいということではなく、体について考えるときに「わたしにとっては」これについてシェアすると一番体について話しやすかったからそうした。体に付随している吃音とは何か、それをどう取り扱ってきたのか。

 

そう、これこそまさに、「体のトリセツ」じゃないか。

伊藤さんに『きみトリ』を読んでもらいたいよ〜!

 

『きみトリ』を書くときに、毎日小学生新聞辻村深月さんのコラムや吉本ばななさん『おとなになるってどういうこと?』(これも筑摩書房だ)を参考にした。あのときこの本が出ていたら大いに参考にしたと思う。

本『常識のない喫茶店』読書記録

『常識のない喫茶店』僕のマリ/著(柏書房, 2021年)


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「無礼な人や迷惑な人とは喧嘩していい、出禁にしてもいい」がモットーの喫茶店で働いてきた4年余りの日々が綴られたエッセイ。筆者は喫茶店の店員さんをしながら文筆の仕事もされている。出版当時は両立されていて、現在は喫茶店は辞められて、新しい道を進まれているそう。



すっごいワカル!と思った。

私も不特定多数の個人客が出入りする施設で接客業として働いていた経験がある。お客さんとのよい思い出もあるが、ほとんどトラウマになっているしんどい経験のほうが上回っていて、なおかつブラックな職場で、結局過労から身体を壊し入院したことをきっかけに辞めた。

当時のことは恐怖に近い記憶として残っているため、新しい職をと考えたときに、個人への接客の仕事だけは絶対にしたくない!特に飲食やアミューズメント関係は絶対に無理!と頑なに避けてきた。

もちろんお店や施設によるのであろうが、とにかく接客業の現場で出会った個人客の常識のなさは、想像を超えて凄まじかった。さらに当時は「若い女」ということでナメられてもいたと思うので、より悲惨な目に遭った。



なので、この本に書かれていることは分かりすぎるほど分かる。「迷惑です、お代は結構ですので帰ってください」「もう来ないでください」とか言えたらどんなによかったか。人間らしく働けたかと思う。

このお店はマスターがしっかりとしたポリシーを持ち、店員さんたちを守っているところが読んでいてもありがたい。私が働いていたところの上司は、手に負えなくて助けを求めて呼びに行くと、「そんなあしらいもできないんだ」などと鼻で笑うような人だったので、屈辱は倍になった。



小さなまちに暮らしはじめて、お店の人の本音を聞くことも増えて、個人商店と客の付き合い方について考えることが多い。自分もまた傍若無人な振る舞いをいろんなお店でしてきたことを恥じるし、申し訳ないとも思う。

こういうの(マナーや振る舞いや健やかな距離感)ってわざわざ誰かが教えてくれるものでもないし、身についた習癖に自分で気づいてあらためるしかない。お店の方が胃を削りながら教える一方なのも違うと思う。困った客はいなくはならないので、場を守る人の覚悟や言動が大きいのだろうけれど、それもたいへんだし……うーん……。



本に書かれていることは、全部が全部いいね!わかる!だけでもなく、そこまでやるのは行き過ぎでは…正直引く……という部分もある。ここも人によりまた違った読み方があると思う。

〈レポート〉10/29『パンケーキを毒見する』でゆるっと話そう w/ シネマ・チュプキ・タバタ

2021年10月29日(衆院選投開票日の2日前!)シネマ・チュプキ・タバタさんと、映画の感想シェアの会〈ゆるっと話そう〉を開催しました。(ゆるっと話そうとは:こちら

 

第24回 ゆるっと話そう: 『パンケーキを毒見する』

現役政治家や元官僚、ジャーナリストへのインタビューにブラックユーモアや風刺アニメを交えたドキュメンタリー映画。様々な角度から菅政権に切り込みながら、観客に「日本、これでいいの?」と問いかける政治バラエティ。日本映画で初めて現役の首相(公開当時)を題材にした、タブーに挑む作品でもあります。
 
▼ オフィシャルサイト
 
▼ イベント告知ページ

chupki.jpn.org

 

当日の参加者

・全員が〈ゆるっと話そう〉のリピーターさんという、珍しい回でした。それだけこの場が定着してきたということですし、どんな場かが予め分かっているから、政治というやや語りづらいテーマも安心して参加できるということかもしれません。

・選挙の2日前の開催だったので、ちょっとした遊び心で、Zoomの名前表示のところに、ご自身のお住まいの小選挙区名をつけていただきました(差し支えない方のみ)。東京、埼玉、静岡、石川からのご参加で、少しずつその地域の特色なども聞けたのがよかったです。

 

進め方

・冒頭で皆さんにこのようなお願いをしました。「この映画に登場する政治家や政党を支持している等の立場がある方は、可能な範囲で申し出ていただけたらありがたい」と。この映画は「特定の政治家や政党への批判や皮肉」という明確な軸があるため、感想も批判的なやり取りに傾くと予想されます。もしも積極的に支持している方がいた場合には、感想によって傷つくことがあり得ます。予め共有しておいていただいたほうが、ご自身も他の方も居心地よくいられるのではと考えて、このように投げかけました。実際には該当の方はおられませんでしたが、今後も立場を明確にしたほうが話しやすくなるテーマについては冒頭で確認していこうと思います。

・情報量が多い映画で、一度見ただけでは忘れてしまうので、登場人物や流れ、キーワードなどを資料にまとめ、画面共有しておさらいしました。

・一つの輪で話しました。最初のお一人から挙手して話していただき、その話を受けて話したいことがある方がバトンを受け取る形で進めました。発言する方が偏ったときは、発言の少ない方に戻して「もしあれば」とコメントをいただいたりしましたが、ゆるやかでリラックスした中でお話しいただいていたように思います。

 

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▼出た話題

映画について

・日本でこういう映画が上映できることがすごい。できてよかった。

・2020年から2021年前半までの記録、総括という感じだった。ふりかえれてよかった。

・長い間一人の政治家が権力を握ってきたことで分断が生じていった様にあらためてショックを受けた。
・海外の人にもこの映画を観てもらえたら。
・客層について。近くに座っていた60代と思しき4、5人のグループが要所要所で笑っていたおかげで、より楽しませてもらった。学生さんもちらほら。

・アニメーションの挿入でテンポがよかった。アメリカのアイロニカルなアニメ作品っぽい。

・(上西充子さんによる国会解説の場面)今まで国会中継になったらチャンネルを変えていたが、こんなやり取りをしていたとは!「あなたに何を言ってもしょうがない」という気分にさせられるという過程に納得。

・最後の学生さんが出てくるところ、政治に興味があって顔出しして名前も出して発言していて驚いた。そうでない人たちはどのように感じているかも知りたくなった。

・オリンピックまで入れられていたら映画としてもっとおもしろかったかも。

・音声ガイドがよかった(※チュプキさんによると、その作品に入り込めるシンパシーが強い人をキャスティングしているそうです)

・(最後にデータが列挙されるシーン)国政選挙の投票率は日本だけが低いわけでもない? 意外とフランスのほうが低かったり、スイスも低いと聞いたことがある。それぞれに理由がありそう。

・映画にほぼ年配の男性しか出てこない。60代以上のイメージ。


映画から思い出したこと、気づいたこと

・政治のことを考えないような教育を受けてきたことに気づいた。

・自分が60歳を過ぎてはじめて政治に関わらなきゃと思った。国会中継、税金を使ってあんなことをしているとは。

・与党と野党の椅子の配置や話し合い方に工夫できないのか。今のままでは対立構造しかつくれない。

最高裁判所裁判官の国民審査の人の名前の上に×をつけるのは勇気が要る。巧妙ではないか。/もっとわかりやすくならないか

・沖縄では国民審査の回答率が高いと聞いたことがある。(関連記事:https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/849697

・自分も投票はするけど、「どうせこうなるんだろうなぁ」と思いながらではある

・最近は政治についてわかりやすく解説してくれている動画がたくさん出ていていい。→教えてもらえなくても学べる!

・映画を観ていて、そんなに権力っていいものなんだろうか、と素朴に疑問が湧いた。

・選択肢が少なすぎて消去法でしか投票できない

・まずいことやったらタダ働きとかどうか。民間企業などで同じようなことをやったらこんなものでは許されないのに。

・人数が多い党が偏っている

・若い人が立候補しにくい仕組みは変えてほしい

 

話してみてのふりかえり

・政治にまつわるモヤモヤの正体を知りたくて観た。一人で悩んだりしていても見えないところを語ったり、ふりかえったりして、クリアになっていくのがありがたい。

・政治ってやっぱり難しい。でもこうして話すといろんな意見が聞けていい。

・「政治について考える」だと構えてしまうけれど、映画の形式だとシンパシーを持って入り込めるので、観てよかったし、話せてよかった。

・こういう話ができるのはまだ平和ってことなのかなと思う。とはいえ現状に甘んじず、考えたり行動し続けていかないといけない。

 

後日アンケートでいただいたご感想より

・話をみんなで始まる前に、映画の内容や登場人物、発言などを整理してもらえて要点が確認出来て良かった。

また他の人の感想を知ることで、自分にない視点で考えることが出来て良かった。
話すことで不安が和らいだりもするし、政治をタブー視せず語ろうと思えることが出来て、映画の存在そのものも語る場があることも有難い。
とても貴重なひとときでした。政治について、初めて会う人たちと語れることが新鮮。それはチュプキさんを通した出会いという安心感があるからだと、実感。自由に話せる雰囲気が、心地好かったです。遅まきながら目覚めたミイラ状態ですが、若い皆さまの意識に刺激され、やれることをやろうと決意しました。感謝。

 

ファシリテーターとしてのふりかえり

・話題が途切れることなく、様々な角度からのコメントが出て、映画と現実世界を行き来するような時間でした。2日後に迫っている投開票日があったので、いつもとは違うリアリティというのか、エネルギーの集まる場だったと思います。

・私自身も特定の友人以外とは政治の話はなかなかできていないので、このような場は貴重でした。

・政治の話が口にしづらいのは、「政治」と一口に言ってもいろんな切り口があり、人によって関心や理解度や、そもそもの人生の背景が違うからだと思います。政局、戦略、政党、政策、争点、個々の議員の経歴、政治の仕組みなど多岐に渡ります。知識量や理解度、言語化できている範囲などが人によって違いますし、知らなかったら恥ずかしいという気持ちが生まれますし、実際に知らなかったことで話し相手に優位に立とうとされた、という嫌な経験をしている方も多いのではないでしょうか。自分自身の困りごとと社会的立場を出すのもなかなか怖いことです。

・政治とはそのようにとても複雑なテーマだという前提を持ちつつ、しかし「話す方法は確かにある」ということも今回の場で実感しました。映画や本や演劇などの「作品」を鑑賞した人という前提があれば、まずはそこの感想を話すことから始められますね!

・今回の『パンケーキを毒見する』のようなある立ち位置から語られる映画でもじゅうぶんにフラットに話すことはできる。むしろ作品を通したほうが、違う立場や意見を認めやすいのではないかと思います。言葉だけ、概念だけでやり取りしているほうがずっと難しいと思います。

・鑑賞対話ファシリテーターの私としては、ぜひこのような作品を真ん中に対話する文化がそこここに芽生えてほしいとますます思いを強くしました。

 

ご参加くださった皆様、チュプキさん、
場を共につくってくださり、ありがとうございました!

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▼公開記念舞台挨拶

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▼日本外国特派員協会主催  プロデューサー&監督 会見

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▼参考図書

『自分ごとの政治学中島岳志/著(NHK出版, 2020年)
どの候補者、どの政党に投票するかの前に、そもそも政治とは?を、時間がないながらもなんとか自分なりに考えてみたい方に。

 

『中高生からの選挙入門』谷隆一/著(ぺりかん社, 2017年)

段階を追って選挙を考えられるようになっている。大人にとっては今さら聞けないことをわかりやすく記してくれているありがたい一冊。

 

『YOUTHQUAKE: U30世代がつくる政治と社会の教科書』NO YOUTH NO JAPAN/編著(よはく舎, 2021年)

 

 

『25歳からの国会: 武器としての議会政治入門』平河エリ/著(現代書館, 2021年)

「政治の話」の中でも一番よくわかりにくく、高校以来アップデートされにくい部分の話。素朴な疑問、「素人」そこがわからん、ニュースやウェブ記事はわかってる前提で進んでしまっている......というところが解説されている。こういう本を待っていた!

 

『「日本」ってどんな国?――国際比較データで社会が見えてくる』本田由紀/著(筑摩書房, 2021年)

「パンケーキを毒見する」の最終章をもっと詳しくしたような内容。データで突きつけられていく事実に落ち込みつつ、知りたかったことを知れているような感覚。まずはここから。

 

『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』和田靜香/著(左右社, 2021年)

こちらに感想書きました。人間が二人、真摯な対話を繰り広げているのを同じ部屋で聞いているような感覚。その聞いている自分もいろんな思いや考え、疑問が湧いてくる。メモをとりながらじっくり読むのもおすすめ。

 

『北欧の幸せな社会のつくり方』あぶみあさき/著(かもがわ出版, 2020年)

北欧諸国の投票率はなぜ高いのか。その理由がよくわかるレポート。これが当たり前な社会がうらやましくなる。カラー図版満載で雰囲気が伝わってくる。もちろん「北欧」が理想に満ちているわけでもない。課題もあるし、国により状況も異なる。

 

 

共著書『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』
拙稿「シチズンシップのトリセツ」もよろしくお願いします!

 

__________________________________

鑑賞対話イベントをひらいて、作品、施設、コミュニティのファンや仲間をふやしませんか?ファシリテーターのお仕事依頼,場づくり相談を承っております。

seikofunanokawa.com

本『女たちのポリティクス』読書記録

『女たちのポリティクス』ブレイディみかこ/著(幻冬舎新書, 2021年)

 

「女性の政治家はなぜ増えないのか」はここ数年わたしに浮上してきたテーマ。

やはりこれは読まねばなるまい。

ネットニュースで見たりやウェブマガジンで断片的に読む。(今やソースがこれなんだなー!)
あの政治家、この政治家をブレイディみかこさんのキレのいい文体がざくざくと斬っていく。
日本からは稲田朋美小池百合子が登場。なるほどなー、こういう見方もあるかー


どんなふうに見られてきたか、どのように意図し、どのように行動してきたか。
誰によって影響を与えられ、誰に影響を与えたか。

時間が経ったから語れることがある。それを通覧できるのはありがたい。

世界の政治事情をさらいながら、女性の政治家についても考えられる。
特に我が国、これからどうなってゆくんだろうか......。

 

こちらもおすすめ

 

本『性教育はどうして必要なんだろう』読書記録

性教育はどうして必要なんだろう : 包括的性教育をすすめるための50のQ&A』浅井春夫、艮香織、鶴田敦子/著(大月書店, 2018年)

 


包括的性教育という言葉を聞いて自分の中から出てきたトピックをはるかに超えた、隣り合う領域と思っていたものまでつなげて解説してくれる本。

たとえば憲法改正草案、戸籍、選択的夫婦別姓、道徳の教科化、等。

企画から出版まで3ヶ月なのに(だから?)、執筆者は27名。
一遍一遍は短いが、ものすごい濃さと切実さで迫ってくる。

眼の前で起こっていることには経緯があり、繰り返されていることがあり、明確な理由があることを知る。

日本における性教育の通史でもあり、人権やジェンダーを切り離された「教科」のようなものではなく、当然の土台として議論していくための提言書でもある。海外の例なども取り上げていて、興味深い。切実なテーマほど視野は広く。

現状がまるで近づいているような気がしない、むしろ遠ざかったのではと泣きたくなるが、現場実践者や研究者の「沸々と燃えたぎる良心」を感じて、心の中で連帯を決める。

 

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本『中高生からの選挙入門』読書記録

衆院選とそれに関連するイベントの準備のために読んだ。

 

 
 
 
 
 
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〈100分de名著〉で衆院選2021を表す

ふと思い立って、今回の衆院選の結果が市民に問うている(と私が感じた)ものを、手元にある《100分de名著》のテキストで表してみました。


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とりわけ上段の3つは「意外な結果」を考える上での整理に役立ちそうです。

そして人生は続く。

『黒い皮膚・白い仮面』〜「私」に潜む差別の構造
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/106_fanon/index.html

ディスタンクシオン』〜「私」の根拠を開示する
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/104_distinction/index.html
『群衆心理』〜熱狂が「私」を蝕む
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/113_gunsyushinri/index.html
資本論』〜甦る、実践の書
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/105_sihonron/index.html
『戦争は女の顔をしていない』〜声を記録する
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/112_sensouwa/index.html
『力なき者たちの力』〜無力な私たちの可能性
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/95_havel/index.html

本『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』読書記録

『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』

ブレイディみかこ/著(みすず書房, 2017年)

 

最初にタイトルを読んだときに「子どもたちが階級闘争をしている」、つまり「階級格差をネタにいじめ合っている」ということなのかと思っていたが、政治の問題が子どもたちにまで影響が及んでいる、ということだった。

 

 
 
 
 
 
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他に印象的だったのは

サッチャーの置き土産。「サッチャーが犯した罪」

・「『自分の力』主義。というのは各人が自分の生き方の指針にすべき考え方であって、それを他人にまで強要するのはヒューマ二ティの放棄である。(p.30)”

・子どもを手放さざるを得ないほどに親が踏ん張れなくなっている。(2015年当時)

発展途上国から来た向上心の強い母親たちの中には、努力しない人が貧しいのは当然だという自己責任論者もいて、子どもに対して手をあげることもあるという。この件は以前、児童虐待防止のシンポジウムでも耳にした。

・人種と階級の複雑な絡み合い。「ちょっと階級を昇ったりすると、外国人こそが最も積極的に他の外国人を排他する人々になるというのは、あまりにリアルでサッドだ」(p.65)

・「DBSチェック(子どもを相手に働く人に義づけられている犯罪履歴調査)」これ、日本でも必要。動いてくれている人もいる。https://dual.nikkei.com/atcl/column/19/062200074/082700003/

・保育園の保育士配置基準における課題。当事者でなくなるとアンテナが立たなくなっているが、現状はどうなんだろうか。

・「分裂した英国社会の分析は学者や評論家やジャーナリストに任せておこう。地べたのわたしたちのしごとは、この分断を少しずつ、一ミリずつでも埋めていくことだ。(p.142)」

・「いろいろな色を取りそろえる意味は、やはりあるのだ。そしてそれは保育士と子どもたちの関係だけではない。『レイシズムはやめましょう』『人類みな兄弟』とプラカードを掲げていくら叫んでもできることはたかが知れている。社会が本当に変わるということは地べたが変わるということだ。地べたを生きるリアルな人々が日常の中で外国人と出会い、怖れ、触れ合い、衝突し、ハグし合って共生することに慣れていくという、その経験こそが社会を前進させる。それは最小の単位、取るに足らないコミュニティの一つから淡々と進める変革だ。この道に近道はない。」(p.86)

 

 

しかし何よりもずっしりと心にきたのは、これかもしれない。

「きっとこの人には辛いんだろうなと思った。育ちがよくて心根が優しいから、大変な境遇の中で生きていて、そのために歪んでいる子どもたちと触れ合うのがきついのだ。」(p.208)

ここのことをわたしはずっと考えているのだ、たぶん。

 

本『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた』読書記録

昨年、映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』を観てから注目している国会議員・小川淳也さん。小川さんを取材した本を読んだり、日々のSNSyoutubeでの発信を見てきて、今年9月、このような本が出たことを知る。

すぐに買って、刊行記念トークライブも見たが、実際に読み始めたのは、衆院選期間に入ってから。

 

 

読後のツイートから。

『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた』ようやく6章まできた。読んではメモを取り、悩み、考え、調べ、一旦消化できたタイミングでまた読む、というとても時間がかかる読み方をしている。その分本と対話し、自分と対話している手応えがあって、とても充実感がある。

とても長いタイトルなのだけれど、略せない、略しようがない。最短でも「時給はいつも最低賃金」までは言わせる(書かせる)!というような、なにか鬼気迫るものを感じる。

遊び紙が白い分厚めのコート紙で、表紙側と裏表紙側と2枚ずつ入っているのが、ちょっとホワイトボードみたい。対話の場にはやっぱりホワイトボードなのか(いや、知らんけど)。私はここに気づいたこと、疑問に思うこと、わからないこと、誰かと話したいことなどを書いた付箋をぺたぺた貼っている。

著者の和田靜香さんが私の代わりに聞いてくださっている!という感じがどこまでもする。そう、そういうことが知りたかったんですよ!そういう言葉を聞きたかったんですよ!聞いてくださって、たくさん学んでくださってありがとうございます。私もずっと同じ部屋にいて対話に参加している感じです。

楽観的になれることは一つもないんだけれど、少なくともここに隠すことなく課題が並べられているということと、それについて人間が二人、懸命に真摯に対話をしている、諦めずに模索しているということが、ものすごい希望だと思った。そしてそれが本の形で残っているということも。

これを手がかりにまた何かが起こっていくし、誰かが勇気づけられていく。こういう無数の「誰かがやっといてくれはった」ことが世の中にはあるんだろう。私の知らないところでたくさんあるんだろう。自分も「やっとく」一人になって、手が止まらないようにしたい。

アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』を思い出す。男の言葉で語られた歴史からは拾われなかった声、置き去りにされていた感情、ないことにされていた存在。 民主主義の女の顔の面を見る思い。

読了!「初めに詩(うた)来たる」ってそういうことだったのか。。小川さんと和田さんの幸福論に泣く。

和田さんがすぐ相撲たとえするのワカル。私もすぐ競技かるたにたとえるし。スポーツや武道って自分がプレイヤーであれ観客であれ、入れ込んでおくとどこかしんどいときに助けてくれる。スポーツに限らないか。なんでも「道」というものは。

https://twitter.com/seikofunanok/status/1456448138718240777?s=20

 


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〈お知らせ〉12/22 開催します【オンライン】2021 冬至のコラージュの会

今年最後のコラージュの会です。

一年のふりかえりに。来年を望みに。

ぜひお越しください。

 

詳細、お申し込み

https://collage202112.peatix.com/

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本『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』読書記録

『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』の読書記録。

 

 
 
 
 
 
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やり方もシンプルで必要なことと、こんなときどうすればがまとめて書いてある。場づくりの経験が一度でもあれば、ほんとうにやってみれそう!と思える。

参加にあたってのポイントは、オープンダイアローグに限らず、日常の会話や人間関係でも生かせることが多い。

以前、5人のチームで揉めたときに、記憶をたよりにリフレクティングをアレンジしてやってみて、対立が解けた経験がある。

 

印象に残った箇所引用

・「改善が起こるときって、こちらの予測を超えた形で、飛び石的に改善していくのが普通ですよね」p.68

・「患者の尊厳や、知る権利を尊重することで、患者の傷ついた主体性は回復されていきます。リフレクティングに限りませんが、オープンダイアローグには、主体性を回復するうえで非常によくできた工夫がいくつも凝らされているのです」p.72

・「自分の発言が相手にどんなふうに響いているか」について、できるだけ注意を向けます。p.79

・「対話でしてはいけないことの筆頭は、「説得」です。それから「議論」や「説明」、あと「尋問」、そして「アドバイス」です。これは全て対話を妨げる手法になります。なぜか。今さら言うまでもありませんが、これらはすべて「結論ありき」の押しつけになりやすく、双方向性がないからです」p.94

・「大事なことは双方の主観のみであって、対話とは主観と主観の交換です。あなたは主観的だけど、私は客観的」みたいなことを言っているうちは、対話になりません。どっちも主観的なんです」p.97

・「説得や議論というのは、エンパワーするどころか、当事者の力をそいじゃうんですよね。」p.107

 

〈お知らせ〉11/27(土)登壇します「映画を観て語り合う時間のススメ」 @金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館でのお仕事です。
美術館で行われる映画祭で、地元の10代後半から20代半ばの方々が運営する鑑賞対話の場をサポートします。また、鑑賞対話の場の実践経験などを来場者の皆様にお話します。
11月27日(土) 「映画を観て語り合う時間のススメ」トークゲストとして
11月28日(日) 「ゆるっと話そう in まるびぃ」当日および事前準備のアドバイザーとして
 
若い人たちと場づくりについて話すのがとっても楽しいです。
これまで積み重ねてきた自分の仕事は、やはり社会に資するものなのだとあらためて実感しますし、著書『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』で書いたことを体現することもでき、大変ありがたい機会です。

初冬の金沢。最高ですよね、きっと。
ぜひ遊びにいらしてください。