ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

インタビュー掲載書籍の紹介『大切なことは、自分のなかにある』

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『大切なことは、自分のなかにある』

ライターの小笠原綾子さんが、「『福祉』って何だろう?」という疑問をきっかけに連載を始めた「4つの視点から考える幸せのためのヒント」(『月刊ケアマネジメント』〈環境新聞社〉)の2021年5月から2023年4月号までの24本の記事を書籍化したもの。様々な分野で活動する26名へのインタビューが一冊にまとまっています。

「はじめに」より

障害者福祉、高齢者福祉……といったように、「福祉」とは制度に紐づいた、特定の立場の人のための特別なもののように感じていました…ですが「福祉」という言葉のそもそもの意味は、「幸せ、豊かさ」。日常生活に溶け込んだ、誰にとっても身近なもののはずです。
「じゃあ、幸せや豊かさを実現するための要素は?」
そんなことを自分なりにぐるぐると考えてみたところ、次の4つのキーワード(視点)にたどり着きました。

【暮らす】……安心できる居場所や暮らしをつくる。
【はたらく】……自分らしく活動する、成長する。
【コミュニケーション】……心理的な壁をなくす、優しさを育む。
【食と健康】……食を大切にして、健やかに生きる。

そこで、これらのことを実践している人や、かかわりのある物事を取材してみたという次第です。

舟之川へのインタビューは、「コミュニケーション」の章に
舟之川聖子さん
社会通念や慣習から自由になるために
表現の扉をひらく鑑賞対話ファシリテーション
として掲載していただいています。
他のインタビュイーのお話もとても読み応えがあります。

実はこれらの記事は小笠原さんのWebサイトにも転載されていて、無料で読むことができます。https://ryoko-ogasawara.amebaownd.com/
読み上げ機能を使って読む方はこちらをぜひ。

とはいえやはり、一冊の書籍としてタイトルをつけられ、編み直され、綴じられたこの美しさもぜひ受け取っていただきたいです。(書籍化にあたり、加筆、修正もされています)

一般流通していない本です。購入ご希望の方は小笠原さんへ直接お問い合わせください。or2015brooklyn★gmail.com(★→@)

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『大切なことは、自分のなかにある』
2023年10月30日発行

著者     |小笠原綾子
編集・発行  |小笠原綾子
ブックデザイン|宮田沙也加, 宮田尚幸(風と地と木合同会社
アートワーク |空と海, 宮田尚幸

A5, 並製本, 205ページ
2,300円(税別)
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目次

はじめに
心に響いた言葉

⚫︎暮らす、はたらく
〜安心できる居場所や暮らしをつくる
 自分らしく活動する、成長する

奥野瑠一さん
 “ここ”にあるもので、”ここ”でできることをつづける
 「空と海」の衣食住にまつわる仕事

新井利昌さん
 人それぞれの社会貢献の形①
 ソーシャルファーム・埼玉福興とオリーブとの出会い
 人それぞれの社会貢献の形②
 ソーシャルファーム・埼玉福興が取り組む農業

齋藤瞳さん
 生活困窮者の部屋探しを入り口に福祉を考える
 まちの不動産屋さん・アオバ住宅社のはなし

クリハラタツヤさん
 はたらくこと・遊ぶこと・成長することの関係
 「遊び配達人」が”遊び”を届ける理由

池上峻さん
 シンプルにたくましく生きるということ
 こころみ学園ココ・ファーム・ワイナリーの人たち

坂本洋子さん
 血のつながりのない家族がつくる絆
 ファミリーホーム・坂本家のはなし

羽塚順子さん
 生きづらさを抱える人たちの”居場所”がもつ魅力
 Welfare tripが教えてくれること

尾曽越理恵さん
 「炊き出しアートプロジェクト」が問いかけてくれること
 アーティスト・尾曽越さんと生活困窮者たちとのかかわりから

戸石薫さん
 こころのバリアフリーについて考える①
 四肢麻痺車いすユーザー・薫さんが辿ってきた道
 こころのバリアフリーについて考える②
 四肢麻痺車いすユーザー・薫さんのデンマーク留学から

小松栄子さん
 誰もが一粒の大事な存在だということ
 不動産再生事業に取り組むBrewが”人づくり”をする理由

⚫︎コミュニケーション
心理的な壁をなくす、やさしさを育む

高橋鴻介さん
 「社会のため」は「自分のため」の先にある
 未来の”当たり前”を創造する発明家が大切にしていること

加藤未礼さん
 誰にも否定されない”自分だけの木”をつくる
 個人と社会の関係を整えるTalk Tree WORKSHOP

宮田尚幸さん、荻野章太さん、高谷明子さん
 境界線をグラデーションにするために
 husetがつくりたい、ダイアローグのある日常

舟之川聖子さん
 社会通念や慣習から自由になるために
 表現の扉をひらく鑑賞対話ファシリテーション

石平裕一さん
 プロレスの”5秒ルール”と福祉の関係
 「まちこうばGROOVIN’」のケンジさんとイシダイラさんのこと

下村理愛さん、我妻麻衣さん
 予想外を面白がる即興演劇の世界
 IMPRO KIDS TOKYOが伝えたいこと

笠井晴子さん
 自分の身体を信頼するということ
 コンテンポラリーダンサー・晴子さんの暮らし

カワムラヒサコさん
 "当たり前"をリセットした先にあったこと
 ADHDのコタくんとかーちゃんの会話から

和田夏美さん
 手話という"メディア"の可能性
 見えない世界の魅力や価値を伝えるインタープリターが大切にしていること

⚫︎食と健康
〜食を大切にして、健やかに生きる

和田正宏さん、和田麻美さん
 台所・食卓・畑が人を育てるということ
 寄宿生活塾「はじめ塾」の日常

堀口博子さん
 "食"を学びの真ん中に置くということ
 「エディブル・スクールヤード」がみせてくれる世界

清水仁司さん
 「何を選び、どう食べるか」を考えてみる
 自然食品店GAIAの「まかない弁当」が教えてくれること

おわりに

 

▼小笠原綾子さんのウェブサイト

ryoko-ogasawara.amebaownd.com


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