ひととび〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

2022/11/20(日) 文学フリマ東京35

9月の大阪に続き、11月の文学フリマ東京に出店します。 _____________________________ 11月20日(日) 12:00〜17:00 東京モノレール・流通センター駅 入場無料 ブース:第二展示場1階Eホール【 い-69 】 屋 号:ひととび書籍部 ___________________________…

〈お知らせ〉9/25(日)第十回文学フリマ大阪に出店します

9/25(日)第十回文学フリマ大阪に出店します。 店 名:ひととび書籍部ブース:I-52 会 場:OMMビル2階アクセス:谷町線・京阪 天満橋駅すぐ はじめての文フリ参加です。この日初売りの新作あります。ぜひお立ち寄りください。 公式ウェブサイト:第十回文学フ…

本『非常階段』読書記録

コーネル・ウールリッチの『非常階段』を読んだ記録。 忘れもしないあれは小学校4年生の頃、学校の図書館で借りて夢中になったミステリー&サスペンス小説。出版社があかね書房と「非常階段」というタイトルであったこと、そして函の青い色をとてもよく覚え…

本『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年』読書記録

『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年 ー「みられる私」より「みる私」』を読んだ記録。 2019年の同名の企画展の図録であり、一般書としても販売されている。これを読むと、展示を観に行きたかった、実物を目で観たかったな。 older.minpaku.ac…

本『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』読書記録

『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』を読んだ記録。 日記のような、エッセイのような、文芸のような、ガイドブックのような、インタビューのような、何とカテゴリ分けできない、不思議な感触のある本だ。 軽いタッチの文章ながら、読むのにえらく時…

本『写真でわかる世界の防犯』読書記録

小宮信夫著『写真でわかる世界の防犯』の読書記録。 この本を知ったのは、Radio Dialogueという番組で、ゲストの小川たまかさんが小宮信夫さんの「犯罪機会論」をチラッと紹介されていたことがきっかけ。 youtu.be 物理的、心理的に犯罪をしにくい環境をつく…

【WORKS】『えんじゅ アフターケアから出会いへ』

昨年から編集とクラウドファンディングのお手伝いをしていた本が、ついに完成しました。 『えんじゅ アフターケアから出会いへ』 アフターケア全国ネットワークえんじゅ 表紙装画:堀川理万子さん ブックデザイン:UMA / design farm 温かな手触りですが、小…

NYPL(ニューヨーク公共図書館)Summer Bookshelf

インスタグラムを眺めていたら、NYPL(ニューヨーク公共図書館)の投稿が流れて来た。 NYPL Summer Bookshelf(夏の本棚)という企画で、スタッフの方が夏の一冊をおすすめしている。 View this post on Instagram A post shared by The New York Public Lib…

本『水曜日の凱歌』読書記録

乃南アサ著『水曜日の凱歌』を読んだ記録 www.shinchosha.co.jp 14歳の少女の感受性を通して見る、戦中〜戦後の日々。復興の陰で封殺された性暴力と搾取の構図、家族と社会の変化を、史実を引きながら描く物語。 生まれ育った東京の本所を焼け出され、点々と…

本『タゴール・ソングス』読書記録

佐々木美佳著『タゴール・ソングス』を読んだ記録。 映画『タゴール・ソングス』は、公開されてかなり早いうちに観た。 2020年の6月、ちょうど今頃だ。 梅雨独特の気温はそこまで高くないが湿気があって、ベタベタと空気が肌にまとわりつく気候が続く。やた…

本『同志少女よ、敵よ撃て』読書記録

小説『同志少女よ、敵を撃て』を読んだ記録。 身内で読書会をすることになったので読んだ。ちょうどその時期に『高橋源一郎の飛ぶ教室』でもこの作品が取り上げられていたので、聴いて読書および読書会の参考にした。書評と逢坂さんの出演とで2回あり、「飛…

映画『国葬』『粛清裁判』『アウステルリッツ』『夜と霧』鑑賞記録

早稲田松竹で『国葬』『粛清裁判』『アウステルリッツ』『夜と霧』を観た記録。 セルゲイ・ロズニツァ監督の群衆三部作に加え、アラン・レネ監督の『夜と霧』の特別上映がセットになっている。 wasedashochiku.co.jp youtu.be 2020年11月にイメージフォーラ…

本『アイスプラネット』読書記録

子が、国語の教科書におもしろい小説が載ってるよと教えてくれた。 椎名誠さんの『アイスプラネット』。 学校の宿題をきっかけに、子と感想をいろいろ話したのが楽しかった。 宿題のテーマは、「この手紙でぐうちゃんがゆうくんに伝えたかったことはなんでし…

本『プリズン・サークル』読書記録

本『プリズン・サークル』を読んだ記録。 www.iwanami.co.jp 『プリズン・サークル』は、この本でようやく作品として完成したのかもしれない。 映画としては描けなかった経緯、編集に載らなかった数々のエピソード、監督が主語になるからこそ見えてくる現場…

わたくし、つまりNobody賞『海をあげる』『まとまらない言葉を生きる』読書記録

わたくしつまりNobody賞、受賞の2冊を読んだ記録。 『海をあげる』上間陽子/著(筑摩書房, 2020年) 『まとまらない言葉を生きる』荒井裕樹/著(柏書房, 2021年) 今を生きている私の尊厳を守る。 抗う。 無遠慮に踏み越えようとする力に対して、「ここに…

本『他者の苦痛へのまなざし』読書記録

『他者の苦痛へのまなざし』を読んだ記録。 ある日このツイートが流れてきた。 ここのところの写真や映像をどう受け止めたらよいかわからない人は、気持ちと考えを落ち着ける役に立つかもしれない。スーザン・ソンタグ『他者の苦痛へのまなざし』(北條文緒…

本『坊ちゃんの時代』1〜3部 読書記録

世田谷文学館で谷口ジロー展を観てからようやく読む気になって、少しずつ読んだ。5部作のうち、第3部まで読んだところで一旦記録。 文豪として名を後世に残した明治期の男たちの物語。苦悩の物語と言っていいと私は思う。 原作者の関川夏央によれば、始まり…

本『二十歳のころ〈1〉1937‐1958―立花ゼミ「調べて書く」共同製作』

立花隆著『二十歳のころ』。2巻。〈1〉1937‐1958 〈2〉1960‐2001 www.hanmoto.com www.hanmoto.com 2021年4月の死去の報せを見て、一番影響を受けた著作は何かと考えたら、やはりこれだった。 きっかけは、2007年頃に通っていた文章演習の講座で強くおすすめ…

本『自分で始めた人たち』読書記録

『自分で始めた人たち 社会を変える新しい民主主義』宇野重規/著 を読んだ記録。 本書の刊行記念イベントで『時給はいつも最低賃金〜』の和田靜香さんがゲスト登壇されていて知った。 宇野先生の「民主主義とは何か?」を何度も何度も読んで、ずっと民主主…

【書籍紹介】ジェンダー表現に迷ったらこの3冊

ジェンダー表現に迷ったらとにかくこの3冊です! 『お客様が集まる!士業のための文章術』小田順子著(2013, 株式会社翔泳社) 付録「士業として使わないほうがよい言葉の言い換え集」の「4.差別語・不快語」が、「じゃあどう言い換えればいいんだろう?」「…

映画『主戦場』鑑賞記録

2022年4月、映画『主戦場』を観た記録。 www.shusenjo.jp 2019年4月公開時は観る気が起きなかった。 観たら多大なエネルギーを消費しそうだし、ダメージが大きくて、観たあとにリカバリー期間が必要そうな気がしたのだ。歴史修正主義者(……主義?)による、…

本『コロナ時代の選挙漫遊記』読書記録

畠山理仁著『コロナ時代の選挙漫遊記』を読んだ記録。 「コロナ時代の〜」と冠されていることと、もう終わった選挙の話が多いので、通り過ぎたことの話は関心を持って聞けない読めないんじゃないかとか、ハイテンションなオタク話が鼻をついてうんざりするん…

本『加害者家族を支援する 支援の網の目からこぼれる人々』読書記録

『加害者家族を支援する 支援の網の目からこぼれる人々』を読んだ記録。 www.iwanami.co.jp どれも自分がもし加害者になったら、加害者の、家族になったら起こるだろうことが書いてあった。 経済的負担、仕事への影響、裁判への対応、更生の支え手としての重…

本『毛布 あなたをくるんでくれるもの』読書記録

4月上旬に読んだ安達茉莉子さん の新刊『毛布』。 今回もひるねこBOOKSさんで購入。安達さんが初めて個展を開いた書店で、私もそのときに訪れたので、思い入れがある。 発刊記念ペーパーをいただいた。まずはこれから読む。 「すべてを袋に入れるのよ」 安達…

展示「読み継がれる鷗外」@文京区立森鷗外記念館 鑑賞記録

森鷗外記念館で特別展「読み継がれる鷗外」を観た記録。 moriogai-kinenkan.jp 2022年は、鷗外生誕160年・没後100年・開館10年記念というスペシャルイヤー! ということで、大変気合が入っている森鷗外記念館。「鷗外百年の森へ」と題し、様々な企画が目白押…

本『クララとお日さま』読書記録

カズオ・イシグロの『クララとお日さま』を読んだ記録。 ※重要な内容や結末に深く触れています。未読の方はご注意ください。 読んだ後に残る、圧倒的な美となんとも言葉にし難い寂寞感。 カズオ・イシグロの主人公は皆、宿命を受け入れて読者に淡々と別れを…

本『当事者は嘘をつく』読書記録

『当事者は嘘をつく』小松原織香/著を読んだ記録。 タイトルでギョッとなる。が、もちろん「当事者」に対して喧嘩を売っているわけではない。 カバーを見ればすぐわかる。 これこそ私が待っていた一冊である──信田さよ子 『私の話を信じてほしい』 哲学研究…

『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』読書記録

ユヴァル・ノア・ハラリ著、『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』を読んだ記録。 単行本が2016年に出たときに、友達が、「もーめちゃめちゃおもしろいから絶対読んで!」と言っていた『サピエンス全史』。6年越しでようやく意味がわかった。 なーるーほーど…

本『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』読書記録

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んだ記録。 これが出版されたのが2019年とは思えないほど、ずいぶん前に感じられる。 売れに売れて、表紙がイエローで目立つこともあり、どこでも平積みで、私の周りでも多くの人が感想を口々に述べてい…

本『赤い魚の夫婦』読書記録

メキシコ出身の作家、グアダルーペ・ネッテルの短編集『赤い魚の夫婦』を読んだ記録。 どの物語も、もともと危うく保たれていた人間関係が、動物や虫や菌などの生き物が突然第三者的に入ってくることで、決定的に破綻する。その過程が読んでいてハラハラする…