ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

展示『夏目家の人々』@漱石山房記念館 鑑賞記録

新宿区早稲田/神楽坂にある漱石山房記念館に二度目の訪問。企画展『夏目家の人々』を観に行った。 soseki-museum.jpsoseki-museum.jp上記ページに追加すると、長女・筆子と松岡譲(作家)の間に生まれた四女・末利子。末利子の夫が半藤一利(戦史研究家)長…

本『海外ルーツの子ども支援 言葉・文化・制度を超えて共生へ』読書記録

海外ルーツの子ども支援に関心を持っている。 以前、当ブログでもこんな本を紹介した。 hitotobi.hatenadiary.jp 『海外ルーツの子ども支援 言葉・文化・制度を超えて共生へ』田中宝紀/著(青弓社, 2021年) 2019年の段階では、わたしも「外国人」、「外国…

NTライブ『十二夜』鑑賞記録

NTライブの『十二夜』を観てきた。観た後、友人と1時間感想を語った。 2017年公演@Olivier Theatre &制作。 *内容に深く触れていますので、未見の方はご注意ください。 youtu.be ・NTライブの『ハンサード』も手掛けたサイモン・ゴドウィンの演出。NTライ…

展示「生誕110年・没後30年 森類―ペンを執った鴎外の末子」@鴎外記念館 鑑賞記録

去年の冬に初めて訪れてから、企画展ごとに必ず来ようと決めている鴎外記念館。 来るたびに鷗外と作品とまちと時代について知っていくのがおもしろい。 今回は、鷗外の5番目の子どもで、3人目の「男子」である森類(もり・るい)さんの特集。1911年生、1991…

『しんどい時の自分の守り方』読書記録

『しんどい時の自分の守り方』増田史(ナツメ社, 2021年) 今まさにしんどい最中の10代に、きれいごとのない寄り添いと、具体的な方法をいくつも教えてくれる良書。『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』ではできなかったことが実現されている。セ…

『誰もボクを見ていない』読書記録

『誰もボクを見ていない』山寺香(ポプラ社, 2017年) なぜ17歳の少年は祖父母を殺害したのか。2014年に埼玉県川口市で起きた事件を追った毎日新聞記者によるルポルタージュ。忘れられない事件。この本もずっと気になっていて、ようやく読めた。『プリズン・サ…

早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー) 訪問記録

10月1日にオープンしたばかりの早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)に行ってきた。 www.waseda.jp View this post on Instagram A post shared by 舟之川聖子|Seiko Funanokawa (@seikofunanok) www.instagram.com 読書会で村上春樹作品を取り上げ…

本『新聞記者、本屋になる』読書記録

Readin' Writin' BOOKSTOREという書店で月に一度開催されている「お座敷の一箱古本市」に出店している。 誰でも出店できて、一日限定で「本屋さんごっこ」が体験できて、本と人との出会いの場が作れる一箱古本市がもともと好きで、不忍ブックストリートなど…

本『THIS ONE SUMMER』読書記録

『THIS ONE SUMMER』マリコ・タマキ/作、ジリアン・タマキ/画(岩波書店, 2021年) 「10代に手渡したい本」の記事とどちらに書こうか迷って、一旦こちらに。 Twitterで話題になっていて読んだ。 グラフィック・ノベルってなんのことだろう?と思っていたが…

1年かかって読む本

ジュンパ・ラヒリの『わたしのいるところ』。 母語ではない、イタリア語で書かれた本の第2弾。 今のところこれが日本語に翻訳されているラヒリの最新作だ。 一年かかって読んだ。 一気に読んでしまう本ではないと思って、ほんとうに気が向いたときだけ、しか…

【随時更新】10代に手渡したい本

昨年出版した共著書『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』「本と映画の紹介」というページをつくった。各章の後ろにこのページを挟んで、その章のテーマに関連する作品を紹介している。本編では伝えきれなかったことを作品に託そうと考えたのだ。 …

〈資料集〉『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』でゆるっと話そうに向けて

シネマ・チュプキ・タバタさんと、月に一度ひらく感想シェアの場〈ゆるっと話そう〉。2021年6月は『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』を取り上げました。(告知ページ) このページでは、当日に向けて準備のために使った資料の一部をシェアします。今回は知らな…

本『焼き肉を食べる前に。絵本作家がお肉の職人たちを訪ねた』読書記録

図書館のヤングアダルトの本コーナーが、近頃たいへん充実している。 先日も良い本を見つけた。 『焼き肉を食べる前に。絵本作家がお肉の職人がたちを訪ねた』(解放出版社, 2016年) 食肉業で働いている人たちを、絵本作家の中川洋典さんが訪ねて、話を聞い…

映画『悲情城市』(台湾巨匠傑作選)鑑賞記録

新宿K's Cinemaで上映中の台湾巨匠傑作選2021侯孝賢監督40周年記念 ホウ・シャオシェン大特集を追っている。 ※内容に深く触れています。未見の方はご注意ください。 9本目は侯孝賢監督『悲情城市』1989年制作。原題:悲情城市、英語題:A City of Sadness あ…

『侯孝賢と私の台湾ニューシネマ』刊行記念のライブトーク:視聴メモ

誠品生活日本橋プレゼンツ、『侯孝賢と私の台湾ニューシネマ』刊行記念のライブトーク、とてもよかった。 seihin0523newcinema2.peatix.com 登壇者は、樋口裕子氏(翻訳家)、小坂史子さん(映画プロデューサー)、江口洋子さん(台湾映画コーディネーター)…

〈レポート〉4/28【対話付き上映】映画『あこがれの空の下』✖️書籍『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』〜「子どもが教育の主人公」はどのように実現できるか

2021年4月28日、シネマ・チュプキ・タバタさんと映画の感想シェアの会、第20回〈ゆるっと話そう〉をひらきました。(ゆるっと話そうについてはこちら) 映画『あこがれの空の下』✖️書籍『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』〜「子どもが教育の主…

本『侯孝賢(ホウ・シャオシェン)と私の台湾ニューシネマ』読書記録

『侯孝賢(ホウ・シャオシェン)と私の台湾ニューシネマ』 朱天文/著、樋口裕子、小坂史子/編・訳(竹書房, 2021年) 台湾の侯孝賢監督作品の脚本家であり、作家の朱天文(チュー・ティエンウェン)氏が過去に発表したエッセイや講演、対談を集めて翻訳した…

本『推し、燃ゆ』読書記録

『推し、燃ゆ』を読んだ。 宇佐見りん/著、河出書房新社/刊。2021年の芥川賞受賞作。 経緯。 今月初めの『きみトリ』の読書会で、共著者のライチさんが紹介していて気になった。芥川賞もとったし、「読んだ、すごい」と方々からつぶやきが上がっていたので…

本『戦火の馬』読書記録

マイケル・モーパーゴ著、 『戦火の馬』を読んだ。 3月にNational Live Theatreのアンコール上映で、舞台版の『戦火の馬』を観たことがきっかけで読んだ。 hitotobi.hatenadiary.jp 原題は"War Horse"。1982年に出版された本で、ジャンルは児童小説となって…

展示『複製芸術家 小村雪岱〜装幀と挿絵に見る二つの精華』展 @日比谷図書文化館 鑑賞記録

日比谷図書文化館で開催の小村雪岱展に行ってきた。 www.library.chiyoda.tokyo.jp 「複製芸術家 小村雪岱」 | 青い日記帳 他、先に観た方々の声をSNS越しに見ていると、とても満足度高い様子。同時期に開催していた三井記念美術館の小村雪岱スタイル展と迷…

この世はいろんなことが無限につながっていく

一昨年あたりから、明治〜大正〜昭和の作家の記念館や展示によく出かけています。樋口一葉、泉鏡花、芥川龍之介、森鷗外、夏目漱石、小泉八雲、竹久夢二、江戸川乱歩......。 作家を調べていると、同時に小村雪岱や津田青楓などの装丁家にも出会うようになっ…

〈お知らせ〉4/3(土)『きみトリ』出版記念 著者と書店と本好きがつながる オンライン読書会 ひらきます

4/3(土)20:00〜オンラインの読書会をひらきます。 kimitori-dreadnought.peatix.com 読書会はオンラインなのですが、一緒にひらいてくださるブックカフェ ドレッドノートさんのことをご紹介したいので、ぜひお付き合いください。 東京の江東区清澄白河にあ…

展示『漱石山房の津田青楓』展 @漱石山房記念館 鑑賞記録

新宿区にある漱石山房記念館で、『漱石山房の津田青楓』展を観てきた。 《特別展》漱石山房の津田青楓-新宿区立漱石山房記念館 漱石山房記念館のことは、近隣に住む友人から、計画段階の頃に聞いており、完成したらぜひ行きたいと思っていた。2017年にオープ…

本『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』読書記録

ここ2、3年、声を大にして言い続けてるけれど、ぬいぐるみはいい。 人間にはぬいぐるみが必要。パートナーとして必要。 心理学、社会学、民俗学、家政学......など、どんな学問に当てはまるのかはわからないけれど、研究してる方はたくさんいると思う。特に…

漫画『ふしぎの国のバード』読書記録

ずっと読みたかった漫画『ふしぎの国のバード』を読んでいる。 概要 19世紀から20世紀初めにかけて世界各地を訪れた実在のイギリス人女性冒険家イザベラ・バードの著書『日本奥地紀行』を下敷きに、主人公のイザベラ・バードが通訳ガイドの日本人男性・伊藤…

読書会のための読書(『サード・キッチン』読書会に向けて)

『サード・キッチン』という小説の読書会のために調べた本。これも場づくり。準備の一環です。レポートに本の紹介も含めると長くなってしまうので、別記事にしました。読書会のレポートはこちら。 hitotobi.hatenadiary.jp 白尾悠さん著書。『サード・キッチ…

〈レポート〉2021/1/23『サード・キッチン』オンライン読書会

小説『サード・キッチン』の読書会をひらきました。 『サード・キッチン』白尾悠/著(河出書房新社) こんなお知らせを出しました。 thirdkitchenbooktalk.peatix.com そう、なんと著者さんをお招きしてのスペシャルな読書会だったのです。 著者さんのお話…

【おすすめ書籍紹介】『お客様が集まる!士業のための文章術』

2年ぶりのおすすめ書籍の紹介です。 他の記事で紹介している本も基本はおすすめばかりですが、わたしの仕事に関連した実用的で役に立つ本は、【おすすめ書籍紹介】とタイトルにつけて、たまに思いついたときにご紹介していこうと思います。 さて、前回は会議…

展示『奇想の国の麗人たち~絵で見る日本のあやしい話~』@弥生美術館 鑑賞記録

2020年の暮れ、文京区根津にある弥生美術館で、「奇想の国の麗人たち ~絵で見る日本のあやしい話~」展を観てきました。 bijutsutecho.com youtu.be スルーしていた展覧会だったのだけれど(ごめんなさい)、加藤美紀さんが出品されていると聞き、これは行…

展示『世界のブックデザイン 2019-20』展 鑑賞記録

毎年開催されている、印刷博物館の『世界のブックデザイン』展に行ってきた。 www.printing-museum.org 印刷博物館は、有楽町線江戸川橋駅徒歩8分・トッパン小石川ビル内。 当たり前のように身近にある本。その造作とこれだけ集中して対話できる機会もなかな…