ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

『遅フェミ』著者の和田さんに会いに @葉々社

大田区梅屋敷にある書店、葉々社さんに和田靜香さんが来られるというので行ってきた。

葉々社さん、わたしが好きな(好きそうな)本しかなかった! いつもは本屋さんに行くと本たちがわぁわぁ話しかけてくる感じがするんだけど、今日は静かだった。一冊だけ、一番上の棚の端っこにあった本が「ここにいますよー」と声をかけてくれたので、手に取ったら、「そうそう、わたしこういうの読みたかったのよ」という本だったので、そのままレジへ持って行ってお会計。よい出会いでした。その本の話はまたどこかで。

レジ前の小上がりのちゃぶ台を囲んで、和田さんや編集さん、ふらっときたお客さんとたくさん話せて楽しかった。

本の中で大磯の中学校の話が出てくることもあって、頭髪検査廃止行動とZINEの話も聞いてもらったのだけれども、話してみてやっぱりあれはおいそれと人に話せない複雑で繊細な事柄だったということを再認識した。話せば話すほどつらくなる。少なくともZINEを読んでもらった上でしか話せない。だからZINEの形で書くしかなかったし、今もやっぱり書くということでしか伝えられない。おしゃべりで扱うのはどうしてもしんどい。たぶんこのあたりは問題校則とか問題指導に抗議するということに対する外からの見え方というのが、当事者としてのわたしの実感とだいぶ違うのだと思う。ずっと前からそのあたりが言葉にならなかったのだけれど、今ここに書いてやっと腑に落ちた。(和田さんになんか言われたとかじゃなくて、和田さんとのおしゃべりが気づかせてくれたということです、念のため)

来年度になればまた状況が変わるはず。今できることは、黙々と売り、黙々と調査研究を続けていくことだけ。でもやっぱりちょっと休んだほうがいいな。さすがに根詰めすぎた。前に読んでくれた友達が開口一番、「せいこさん、これ今年いっぱい休んでいいやつだよ」と言ってくれたのを思い出す。うん、ちょっと休むわ。

でもいろいろ聞いてくださってる中で和田さんが一言、「『それ』はもう人生かけて取り組むテーマじゃない?」と言ってくださったのがありがたかった。やっぱりそうか、まぁ大変だけどやるしかないな。わたしは「これ」について書くしかないのだ。細く長く、あらゆる機会をとらえて。

あともちろん本の中で印象的だった箇所をお伝えしたり、大磯町のパリテのことなどもたくさんお話しした。

そこで話しながら「はて、我が自治体の議会は」と思った。なんだかんだいってやっぱりよく知らないんだよなぁ。そう思って区議会のホームページを開いてみたら、ちょうど今、定例会が開かれているので、傍聴に行ってみることにした。すごいイライラしそうだけど。何の話してるかわからないとか、用語がわからないとか、眠くなるとか、ふざけんなよとか、いろいろありそうだけど。

ちなみにパリテからはほど遠くて女性議員の割合は2割ちょっとなので、絶望的な気分にもなりそうだけど。でも現場を見て受け取るものもたくさんあると思う。Youtubeアーカイブではわからない何か。

かように読書とは体験であり、生活とつながるもの、世界とつながるものである。出会いの入口、窓。


ひとことで言うなら「とにかく元気が出る本」

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付箋の色をカバーに合わせてみた

『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』
和田靜香/著(左右社, 2023年)

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全国の市町村別の女性の参画状況(公務員の管理職や市町村議会議員に占める女性の割合等)、男性公務員の育児休業取得率などが地図上で見える。