ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

やばさの出元を知る〜早稲田大学坪内博士記念演劇博物館を鑑賞する(人形劇、やばい!、コドモノミライ・現代演劇とこどもたち)

暮れもおし迫った12月のある日、 早稲田大学の演劇博物館に行ってきた。 正式な名称は、 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 http://www.waseda.jp/enpaku/ 東京に引っ越してきた20年前からずっと行きたいと思っていたところ。 もちろん距離的にはいつでも来…

日本画の大ボス〜横山大観記念館を鑑賞する

横山大観記念館に行ってきた。 美術館に足を運んでいると、なにかと登場してくる日本画の重鎮、大ボス的存在だが、どのような経歴を持ち、どのような画業の変遷があったのか、あまりよく知らない。 2018年に生誕150周年記念の大回顧展があったのだが、見逃し…

あーだこーだと味わう、"百人一首が笑っている。" 

読みもののご紹介。 www.1101.com 百人一首を知らない人も、知っている人も「へえーーー」となる読み物です。 何回も何回も解釈して、味わって、それでも盤石な存在としていてくれるのが、古典のありがたさ。 だれでもこうやって、あーだこーだと味わえるも…

映画『何を怖れる』と本とその後 

書籍『何を怖れる フェミニズムを生きた女たち』にまつわる過去の記録。 2015年1月31日_______ 友だちと映画「何を怖れる?」を観てきた。 ウーマン・リブ世代の女たちのあの時と今を追うドキュメンタリー。鑑賞後は、ランチしながら感想を話しあう。 生き様…

書籍『ものぐさトミー』

わたしが小さい頃に大好きだった絵本。 息子も大笑い。 やるなら徹底的にものぐさするトミーがいい。 改心せんかったっていいやん、て今なら思うね。 電動歯ブラシは1966年にはまだなかったけど、2016年には当たり前だ。 次の読み聞かせはこれも候補に。

時代が彼女を必要とした〜サラ・ベルナールの世界展@松濤美術館 鑑賞記録

サラ・ベルナールの世界展に行ってきた。松濤美術館 https://shoto-museum.jp/exhibitions/186sara/ 展覧会に寄せるわたしの期待 松濤美術館の『サラ・ベルナールの世界展』は1月末まで! - ひととび〜人と美の表現活動研究室 全体的な感想。 フランスの舞台…

書籍『思春期をめぐる冒険 -心理療法と村上春樹の世界』

人生の謎がするすると解けていった衝撃の一冊。 因果関係で成り立つこの世界と、同時並行で進んでいる目に見えないもうひとつの世界との係わりを、村上春樹の作品を引き合いにしながら丁寧に言語化している。 村上春樹の解説本ではなく、あくまで思春期を読…

偏執と静謐と〜ハマスホイとデンマーク絵画展@東京都美術館 鑑賞記録

ハマスホイとデンマーク絵画展に行ってきた。 artexhibition.jp twitter.com きょうの東京は都心でも雪予報が出ていて、降るか降らないかとどきどきしていたが、結局わたしが表を歩いていた時間は降らなかった。 一日中冷たい雨。美術館は人もまばら。ハマス…

第8回天籟能の会・能楽と農楽 鑑賞記録

天籟能の会の第8回公演を観てきました。その鑑賞メモ。 能の会(能を公演する主体)にはいろいろあって、 流派や家に紐づく会、能楽堂に紐づく会、公が主催の企画公演、横の繋がりで作る有志の会などさまざま。 天籟は最後の有志の会にあたります。 twitter.…

ロイヤル・バレエLV「コッペリア」鑑賞記録

久しぶりの、今年はじめての、ロイヤル・バレエのライブビューイング。 英国ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズンイギリス、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスの公演を、最寄りの映画館で、迫力の映像と音響、解説とインタビュー付きで観られるという…

Season 2020のライブビューイング

今年も現地に観に行きたいなぁ、来日公演もチェックするぞと思いつつ、ライブビューイングはライブビューイングで好きなので、チェックしております。 MET Opera いつもお世話になっているライブビューイング。HOME感あります。 プッチーニ「蝶々夫人」、フ…

個人美術館の愉しみ

個人美術館とは 画家や芸術家個人をフィーチャーした美術館。 所縁のある土地に建っていて、邸宅を改装しているものも多い。 20代の半ばごろに友人が個人美術館の良さをアピールしてくれたおかげで、自分の暮らすまちや旅先で、個人美術館を訪ねるのが楽しみ…

ソフィアシンポジウム「性暴力をなくすために男性ができること」参加記録

昨年11月、上智大学でひらかれた「ソフィアシンポジウム」に参加した。 ソフィアシンポジウム「性暴力をなくすために男性ができること:男性の立場と心理を日米の心理学研究・臨床現場から考える」(上智大学) |国立女性教育会館 「男性ができること」とい…

映画『プリズン・サークル』鑑賞にあたって

明日公開となる映画『プリズン・サークル』。 わたしも観ます。 prison-circle.com 自分のための覚書とささやかなリンク集と宣伝です。 ●拾えた範囲のインタビュー。あとで必ずや読みます。 www.huffingtonpost.jp note.com maga9.jp ●坂上香さんの前作、『…

プリーモ・レーヴィと本歌取り

昨年、プリーモ・レーヴィの詩集出版記念の講演に行ったときのことを話しました。 ▼noteで音声&動画配信しています。 note.com たまにひらきますが、やはりこの詩集、とてもよいです。 プリーモ・レーヴィの詩には、他の詩人の作からの引用が多い、と解説が…

アール・デコの造本芸術展@日比谷図書館 〜芸術と本のゆくえ

暮れの迫る小雨の降る寒い中、日比谷図書文化館で開催中の『鹿島茂コレクション アール・デコの造本芸術 高級挿絵本の世界』展に行ってきました。 ▼日比谷図書文化館公式ホームページ www.library.chiyoda.tokyo.jp ▼きれいな写真がたくさん載っているので、…

手が記憶している本

友人に誘われてNADiffに書肆サイコロのサイトヲヒデユキさんの装幀のお仕事を見に行った。 お仕事といっても、携わった本が販売・展示されている小さな小さなコーナーがある、という感じ。 一般に流通している単行本から、限定の手製本である詩集やご自身の…

中島敦展@神奈川近代文学館〜今ひとたびの山月記

11月下旬、神奈川近代文学館に中島敦展を見に行ってきた。少し前に樋口一葉記念館に行った時にチラシを見て知って(チラシありがたい!)、むりやり予定を調整して、どうにか会期終了の2日前にすべりこんだ。 www.kanabun.or.jp ほんとうに、とてもよい展覧…

ひだ〜機能性とエレガンス展 @文化学園服飾博物館 〜トライバルとディテールの魅力

文化学園服飾博物館の展示『ひだ〜機能性とエレガンス』を観てきた。 https://museum.bunka.ac.jp/exhibition/exhibition2849/ 観に行ったのには流れがある。 11月に杉村学園衣裳博物館で「ブルガリアとルーマニアの民族衣装」展を観に行って感想を配信した…

《お知らせ》3/23 爽やかな集中感 百人一首と競技かるた体験会

Umiのいえでひらいてきた百人一首と競技かるたの体験会は、3月23日で一旦最終回となります。 気になっていた方はぜひいらしてくださいね! 千年の時を経て、文学、文化、芸術、スポーツなど様々なジャンルにわたって発展してきた百人一首。競技かるたを通し…

《お知らせ》2/11 映画『トークバック 沈黙を破る女たち』でゆるっと話そう

2月のチュプキでの開催が決まりました。 ゆるっと話そうシリーズ第9回 『トークバック 沈黙を破る女たち』 2月11日(火•祝) 19:05〜19:50 @シネマ・チュプキ・タバタ http://chupki.jpn.org/archives/5288 〈ゆるっと話そう〉は、映画を観た人同士が感想を交…

松濤美術館の『サラ・ベルナールの世界展』は1月末まで!

松濤美術館の『サラ・ベルナールの世界展』は今月末までだよ!のお知らせ。 美術館公式>サラ・ベルナールの世界展|松濤美術館 美術手帖記事>ミュシャもラリックも見出した。「サラ・ベルナールの世界展」松濤美術館で開幕|美術手帖 特に映画『ディリリと…

《レポート》1/10 映画『人生をしまう時間(とき)』でゆるっと話そう

年が明けてまだほんのりお正月の余韻の残る1月10日のお昼どき。シネマ・チュプキ・タバタで今年最初の「ゆるっと話そう」をひらきました。 今回の映画は、『人生をしまう時間(とき)』看取られて逝く人、家族、サポートする介護&医療チームが共に過ごす。…

アサヒビール大山崎山荘美術館と清宮質文展

年明け、京都のアサヒビール大山崎山荘美術館に行ってきた。 この美術館の評判は何人もの友人から聞いていて、ずっと訪問の機会を待っていたところだった。ちょうど東京で見かけた清宮質文(せいみや・なおぶみ)展のチラシになにやら強く心をつかまれ、帰省…

映画『台湾、街かどの人形劇』〜伝統と継承、父と子、師と弟子

映画『台湾、街かどの人形劇』を観た。 購読している毎日小学生新聞に載っていて、これは観なければと思っていた。 mainichi.jp 都内のどのトークイベントも来日イベントも逃してしまい、ようやくたどり着いた劇場は、横浜シネマ・ジャック&ベティ。 ようや…

《お知らせ》2/8(土) あのころのいじめとわたしに会いにいく読書会

同タイトルで2回ひらいてきた、いじめをテーマにした読書会。第1回:http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/10/04/091730第2回:http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/11/28/173713 2/8(土)にもひらくことになりました。Umiのいえのシリーズと…

奈良・平安・令和〜平安宮廷スポーツスタジアム

ツイッターで 東京国際フォーラムのロビーで何やらすごい展示をやっている、平安時代の装束が見られて、写真撮り放題、ぜったい行くべし! ...という投稿を目にしてすぐに行ってきた。 J-CULTURE FESTという、東京国際フォーラムが主催するイベントの一環。 …

田端文士村記念館で芥川龍之介に再会する

去年から鑑賞対話の場「ゆるっと話そう」もあって、シネマ・チュプキ・タバタに通うようになって、田端に急にご縁ができた。 駅前のコメダ珈琲に寄ったとき、同じビルの1階に田端文士村記念館という施設があるのに気づいた。北区の博物館のようだ。 いつか訪…

《レポート》12/27『ディリリとパリの時間旅行』でゆるっと話そう

遅くなりましたが、『ディリリとパリの時間旅行』でゆるっと話そうのレポートです。 暮れもおしせまった12/27(金)の夕方。 直前に新聞に映画の紹介が載ったこともあってか、劇場は満席となりました。めでたい。 ゆるっと話そうのほうには、まだ観ていない…

読み聞かせ・5年生・1月

今年最初の読み聞かせでした。 冬の一番寒い時期を念頭に、家の本棚にあった2冊を選びました。科学写真絵本と民話の組み合わせは、読み聞かせの一つの型です。理由はのちほど。 あし→てぶくろの順で読みました。 「あし」 福音館書店では品切れ(絶版?)のよ…