ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

こども

本『えほんのせかい こどものせかい』

『えほんのせかい こどものせかい』松岡亨子/著(文藝春秋) 松岡享子さんが亡くなられたと知り、本棚から出してきてパラパラ見ている。小学校の読み聞かせボランティアをしていたときに、とてもよい研修をしてもらえたことで、それまであまり深く考えたこ…

絵本『梨の子ペリーナ』

BL出版から2020年9月に刊行されたばかりの絵本、『梨の子ペリーナ』 イタロ・カルヴィーノの『イタリア民話集』からとられたお話に、酒井駒子さんの絵。魅力的すぎる。 そして関口英子さんの、カルヴィーノ節を残しながらも、日本語としても美しく仕立ててく…

書籍『ものぐさトミー』

わたしが小さい頃に大好きだった絵本。 息子も大笑い。 やるなら徹底的にものぐさするトミーがいい。 改心せんかったっていいやん、て今なら思うね。 電動歯ブラシは1966年にはまだなかったけど、2016年には当たり前だ。 次の読み聞かせはこれも候補に。

書籍『思春期をめぐる冒険 -心理療法と村上春樹の世界』

人生の謎がするすると解けていった衝撃の一冊。 因果関係で成り立つこの世界と、同時並行で進んでいる目に見えないもうひとつの世界との係わりを、村上春樹の作品を引き合いにしながら丁寧に言語化している。 村上春樹の解説本ではなく、あくまで思春期を読…

読み聞かせ・5年生・1月

今年最初の読み聞かせでした。 冬の一番寒い時期を念頭に、家の本棚にあった2冊を選びました。科学写真絵本と民話の組み合わせは、読み聞かせの一つの型です。理由はのちほど。 あし→てぶくろの順で読みました。 「あし」 福音館書店では品切れ(絶版?)のよ…

子どもの宿題にまつわる「私の」モヤモヤを安全に語る

10月に「子どもの宿題にまつわる私のモヤモヤを語ろう」という場に参加した。 参加しておいてよかった。 そうしみじみと感じたこの2ヵ月だった。 どんな場だったのかは、主催のすわれいこさんが丁寧なレポートを起こしてくださっているので、ぜひお読みいた…

書籍『学級担任のための外国人児童生徒サポートマニュアル』

別の調べもののために図書館に行ったときに、こんな本を見つけました。 著者は、大阪教育大学で教鞭をとっておられる、臼井智美さん。学校経営学、外国人児童生徒教育、教師教育学を専門にされてきた方とのこと。 今年、日本語の指導が必要なのに支援を受け…

読み聞かせ 5年生 10月

ひと雨ごとに秋が深まっていく10月。 きょうは読み聞かせでした。 読んだのはこちら。林明子さんの「こんとあき」。 読み聞かせの時間は15分。前回9月は2冊読んだのですが、今回はじっくり1冊を丁寧に読んでみたいという気持ちがあり、これのみ。 それとなぜ…

ジブリ祭り

夏休みの中後半ぐらいから、息子が急に宮崎駿作品を観まくっていたので、たまに付き合って一緒に見ていた。 家にあるDVDは、風の谷のナウシカ、天空の城ラピュタ、となりのトトロ、魔女の宅急便、もののけ姫、千と千尋の神隠し、ハウルの動く城。 これらを繰…

読み聞かせ 5年生 秋

検索ウィンドウみたいなタイトルだけど、こうやって読む本探してみるときもあったので、どなたかの参考になれば。 今回の2冊はこちら。 もうすぐお彼岸なので、「ひがんばな」。 読んでみてびっくり。えーひがんばなってそうなんだ...!ってなります。見る目…

サンリオの「くるみ割り人形」が衝撃だった話

今年の2月のライブビューイングで観てすっかり気に入ってしまった「くるみ割り人形」を、なんと1979年にサンリオが作っていた!さらにわたしの子どもの頃から大好きな人形劇映画で観られる!と観劇仲間から聞き、観に行ってきました。 初ユジク阿佐ヶ谷。 同…

読み聞かせ 5年生・6月

今年度の読み聞かせがはじまりました。 ボランティアさんが1人増えたので、1学期はとりあえず1回みたい。ほどよい。 前週に図書館で何冊か借りて、ぜんぶ時間を計って、息子相手に試し読みしてみました。 どれも良い本だし、時間もよい感じなんだけど、なん…

今のわたしが「モモ」の世界を旅すると。/『モモ』を精読する読書会

早起きして6時から『"モモ"を精読する読書会』に参加しました。 『モモ』は、小さい頃に読んだときはそれほどピンと来ていなかったのに、大人になってからなんだか気になる存在になってきて、行く先々で出会ってしまう物語。 この会も気になってはいたのだけ…

対話が連れていってくれる、NOとリクエストを考えるシェア会(夜の部)

NOとリクエストを考えるシェア会〜1/2成人式をめぐる学校とのやりとりを手がかりに〜の夜の部をオンライン会議システムのZoomで開催しました。 (その前日に行った昼の部のレポートはこちら) 進め方は、 ・チェックイン(お名前、お子さんの年齢、きょう楽…

ひらきました!NOとリクエストを考えるシェア会、昼の部

NOとリクエストを考えるシェア会・昼の部が終わりました。とてもよい時間でした。 ご自宅でパンの講座などをなさっている場所、ふみかか亭。 この話をするにあたって、生活の場がいいんじゃないかと思った。人が作って食べて風呂入って寝る。一緒に住んでい…

5/16・17話します『Noとリクエストを考えるシェア会』

友人の高橋ライチさんがセッティングしてくださる場で、こんな話をします。ピンときた方いらしたら、来てくださるとうれしいです。 【Noとリクエストを考えるシェア会】〜1/2成人式をめぐる学校とのやりとりを手がかりに〜 コミュニケーション・カウンセラー…

新年度にあたり

きのうから息子の学校がはじまった。 年度が改まる感覚は、学校に行っている子どもがいると特に強く感じられる。そこにはコントロール不可なリフレッシュ感があって、所属する団体のないわたしとしては、とてもありがたく感じる。 登校してすぐ、クラスを聞…

奇想を競う!

息子が行きたいと言っていたので、「奇想の系譜」展に行きました。雨で寒いからか、チケット売り場も展示も並ばずに観られました。 ▼ジュニアガイド楽しい。見所をパッとおさえられるので大人がありがたい。 いやー楽しかった! 動物いっぱい!物語いっぱい…

読み聞かせ4年生の記録

息子の小学校でやっている読み聞かせの記録です。 毎週火曜日の朝、1時間目がはじまる前の8:20-8:35の15分間。 ボランティア一人あたり1学期にだいたい1回〜3回ぐらい担当しています。 わたしにとっては、ほどよい緊張と楽しみが持続する、ちょうどいいペー…

リフレクティング的なグループインタビューの可能性

食のグループインタビューにまたまた参加させていただいた。楽しかった!! 前回6月に参加してからというもの、インタビューで出てきた野菜のことを考えたり、外食が減って家でつくるようになったり、飲食店で働いてみたり、食にまつわる場やプロジェクトを…

だれのための場 〜子連れと場についての一考察

前々から書こうと思っていたのだけども、いざ書こうとするとそれだけでふーっと深呼吸せずにいられない緊張を覚えるこのテーマ。 場をつくっていると、「そこに子どもを連れて行っていいですか?」という問い合わせが来ることがある。 また日々メディアを通…

子への愛が描かせるのだ!

スタイリングの会を一緒にやったりしている、ナカオクミさんが講師をつとめる、「秋の『我が子を描こう』上手い絵よりいい絵を目指すスケッチ会」に参加してきました。 wagakosketch3.peatix.com 前回がとても楽しかったので、今回もぜったい参加するぞー!…

PTAに[子どもの話を聴くコツ講座]を呼んでみた経験をZoomで話します

「子どもの話を聴くコツ講座」は、リスニングママ・プロジェクトという母の聴く力・聴いてもらう力をサポートするNPOが提供している講座です。 プロジェクトが自主開催したり、幼稚園〜高校のPTAなどに出張してひらいています。ご参考:https://ameblo.jp/li…

シスターから聞いた話

息子を出産した病院はカトリック系の病院だった。 カトリック系だから選んだのではなかったけれども、家から近いことと、病院の建築や中の雰囲気のやわらかさが、病める人間を迎え慈しみ休める場所として、とてもいい感じがしたからだ。 妊婦は病気ではない…

読み聞かせ・小4・11月

きょうの読み聞かせは、石川直樹の「富士山にのぼる」。季節も合うし。最近たっかい山に登ってらっしゃったこともあり。(Instagram>> https://www.instagram.com/straightree8848/ ) あの高い高い富士山、それも冬。雪と氷と風と...それってどんな感じ?こん…

子育ての何かの終わり

2017年11月20日の日記 さっきラーメン屋で餃子つつきながら息子が、「『アルバイトしたらいいこと』を挙げていくゲームをしよう」などと言ってくるので、「オイコラ、33も歳上でアルバイト経験豊富なあたしに小学生がよう言うたな!」と完全にナメてかかって…

息子に読み聞かせのコンサルテーション

小4息子より「コンサルティング」のご依頼。 [依頼内容]・今週ぼくは学校で小3に読み聞かせをする・もう一人とペアでする・一人一冊、つまり二冊読んで15分になるように・家にある本でぼくの分を一冊選んでほしい なるほど。ということで考えてみた。 [選…

付き合うのでも、付き合わされるのでもなく

息子と夜の公園をお散歩。カフェでお茶しながら思い思いに過ごして、おしゃべりしながら帰ってくる。この時間が好きな話は、前にもここで書いた。 息子が乳幼児の頃に、遊びや関心に付き合うのが、わたしはほんとうに苦痛だった。苦痛を感じているときは、息…

こどものわたし、おとなのわたし

きのうふと思い出した。「よそのうちはああなのに、うちは違うのなんで?」「〇〇くん・ちゃんもみんな持ってる・やってる、だからわたしにも買って」とわたしは小さい頃、親によく訴えていた。 でも、わたしの息子は、親のわたしにそのようなことをあまり訴…

聴く、一緒にいる

「学校で一番好きなのはスクールカウンセラーの先生」と息子。前の先生も大好きだったけど、新しく来た先生とも気が合うようす。「そういえば今年は相談室行ってないなぁ」とぽつりと。「そっかぁ、行ってないんだねぇ」とわたし応答。 きのうの夜は、「落語…