ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

絵本『梨の子ペリーナ』

BL出版から2020年9月に刊行されたばかりの絵本、『梨の子ペリーナ』

 

 

イタロ・カルヴィーノの『イタリア民話集』からとられたお話に、酒井駒子さんの絵。魅力的すぎる。

そして関口英子さんの、カルヴィーノ節を残しながらも、日本語としても美しく仕立ててくださっている訳!

関口さんが書かれた「あとがき」もとてもいい。どんな風土から生まれたお話なのか、橋をかけてくださっている。

カルヴィーノに、あなたの書いた本はこんなにすばらしく展開していますよ!と教えてあげたい。

 

昔話の中にはこんなふうに理不尽な目に遭っている子どもが、理不尽な人や状況に対して勇敢に立ち向かい、幸運をつかんでいく話が多い。

子どもは近代になってはじめて"発見"されたというけれど、実はこんな物語によって、守っていた部分もあったのかもしれない。

あるいは、子どもの姿に託すことで、人が生きる希望を物語に見出そうとしたのかもしれない。

 

昔話では、国の境界線が消えて、「土地」という単位になり、風土や季節を感じることができる。人間が意図的に決めたわけではない、自然な淘汰と発展の中で積み重ねられてきた物語には、時間や場所を超えた普遍性が生まれる。そこがおもしろい。

 

今年度の読み聞かせボランティアは、対面ではできなくなって、放送室からの朗読を届ける形になった。給食時間は、全員黒板のほうを向いて、おしゃべり禁止で黙々と食べることになっている。「せめて週に2回でも耳からお話を聞けたら」ということで学校から打診があったことから。

次回は、この『梨の子ペリーナ』を読もうかな。
朗読に向くお話、向かないお話があるので、指定された本から選ぶことになっているけれど、リーダーさんに相談してみよう。