ヒトトビ〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する場づくりを通して考えることなど。

なんでもかんでも楽しい日

f:id:hitotobi:20170912232823j:image

きのう悲しい日のことを書いたけど、きょうは二人とも打って変わってなんでもかんでも楽しい日だった。きょうは湿度が高く蒸し暑くて、わたしはほとんど息がし辛く、耳もなんかおかしかったし、移動も多かったけど、ちょいちょい嬉しいことがあったのだ。

 

息子のほうも迎えに行ったらもう準備万端で、図書館寄っていくよ!と駆けていき、なぞなぞの本をたくさん借りた。今はクイズ係さんなんだそう。

 

魚屋さんのトラックに遭遇し、にいちゃんおすすめのタコ足とたらこを買う。こないだ教えてもらったレシピで作ったたらこスパゲティがお気に召したよう。あしたの晩はたらスパで、その上に炙ったタコを載せてほしいって。

 

美術教室へ行って、息子が工作してる間、わたしも絵を描いたり、先生や他の生徒さんとしゃべりながら待つ。この美術教室ほんと好き。

 

美術教室の後に寄る約束をしているいつものお店で、さっき借りた本でなぞなぞを出し合う。わたしも10日ぶりにちょこっとお酒を飲んで良い気分。

 

帰り道、「6時間授業だとうれしいんだよ。だって隣の子といっぱいしゃべれるから」と息子。自分から話しておいて、即座に猛烈に照れている姿がかわいいなぁとにやにやしながら、うんうんと聴く。こういうとき親から茶化されるのがわたしは大嫌いだったので、息子の話をただ聴いて一緒に喜ぶ。

 

概ねこういう日々。ときどき雨。

 

どうにも悲しくなる日

f:id:hitotobi:20170911223243j:image

息子とは概ね楽しく仲良く日々を暮らしているのだけれど、どうにも二人とも悲しくなってしまう日がたまにあって、そういう日は迎えに行って目が合うと、もう怒りを発しているのでだいたいわかる。

 

きょうもちょうどそんな日で、待ってましたと言わんばかりに、次から次から、あれが嫌だこれが嫌だ、もうやめたい、どうにかしてくれ、などなど詰めよってくる。とはいえわたしに何か提案や解決をしてほしいわけでも、本当にそのことが嫌なわけでも、たぶんない。

 

ああ、寂しくて我慢することがあったり、言いたいことが伝えられずにもどかしかったり、悔しかったり、恥をかいたりしたんだろうかなぁ、と想像しながら、いつ、なにが、だれがと問いかけてみたり、あえてそれには触れずに肩を抱いてみたり背中をさすってみたり、あれこれしてみるけれど、どれも気に入らないようで、怒りはますますエスカレートする。

 

わたしはわたしでたくさん心をつかって疲れていたので、あまり大きく反応はせず、歩幅を合わせてゆっくりと歩くしかできない。こういうときにこどもの気分をパッと変えて笑わせられるお母さんやお父さんはすごい。わたしはそういうのが苦手だ。こどもが表現しているとおりの感情をただ受けとるしかできない。それ以外の気の利いた何かをまったく思いつくことができない。

 

わぁわぁ泣いたり怒ったりする息子に相づちを打ちながら、わたしの一日の終わりにときどきこんな時間があることを、ごく親しい人でさえもほとんど知らないのだよな、とぼんやり思った。いやいや、実はあの彼女も彼もこんな一日の終わりを過ごしている可能性だってあるのかもしれないけれどね...。

 

息子が怒りながらも「きょうごはんなに?」と聞いてくるので、「お、これはきょうはそれほどひどくないぞ」と内心思いながら「カレーだよ」と答える。

 

そうしていると、保育園の帰りとおぼしき自転車に乗った親子とすれ違った。お母さんが後ろに乗せたこどもに笑いながら話しかけていた。すると息子が急に静かな声ではらはらと涙を流しながら、「自分が悲しいときに楽しそうに笑ってる人を見たら、もっと悲しくなって泣いてしまう。そんな自分がいやなんだよ」と言った。

 

瞬間、わたしの目からも涙がこぼれた。「あーそれね、うん、ある。すごいわかる、わかるわー」と泣きながら言った。息子はちょっとびっくりしたような顔をしたが、黙ってわたしの手をつないできた。

 

家に着くと洗濯物を取り込みはじめる。いつもは声をかけないとやってくれないのに、きょうは自分から黙々とやっている。何か今自分にできて、すぐにわたしの助けになることを考えて実行してくれたんだなと思い、あたたかい気持ちになった。ありがとうと声をかけて、わたしは食事の支度をする。

 

息子がこども時代にちゃんとこどもでいられるように、一番近くの大人から愛され守られ大切にされていることを疑いもしないように、そういう日々を営めたらと願う。

 

わたしはわたしで、息子の前であっても泣きもすれば怒りもし、矛盾だらけでときどき一貫していて、葛藤しながら模索し続ける、親であり、一人の人間でいようと思う。わたしがわたしの人生を生き、この世界とあたたかいつながりを持ちながら、息子を育てていく。

 

二人でちょっと悲しくなる日は、大切なことを思い出す日でもある。

 

ことほぎラジオ第10話、配信しました

f:id:hitotobi:20170906092801j:plain

 

12回完結のことほぎラジオ、ついに二桁になりました。おおお......。

 

今回は、けいさん、せいこが夏に出かけたそれぞれの旅のおみやげ話です。

音だけですが、晩夏の山本亭(葛飾区柴又)もなかなか趣があります。

リスナーさんが立会ってくださっていたのも新しい試みでした。その大きな存在により、いつもより集中して、じっくり考えて聴いて話した気がします。


収録・配信したことによってわかることがいつも生まれますが、今回は、旅に出る、身体を運ぶ、関わる、時間を生み出す、時間を共にする、体験する、記憶する、思い出す、物語る、創作する、鑑賞する......などについての考察がさらに深まったように思います。

 

聴いてくださる方には何が聴こえている、見えているんだろう。

聴いていると家事が捗るとか、遠くに行った気になったとか、何かいいこと、新鮮なことがあるといいなぁと願っています。

 

おたよりは、Blogのトップページ右上の、天使たちがお手紙を持っているアイコンをクリックして、フォームからお送りください。チャンスはあと第11回、第12回ですよ!!

 

 


▼Blog: 

doremium.seesaa.net

 


iTunes:

apple.co

 

 

 

ALPS BOOK CAMP 2017

f:id:hitotobi:20170829135958j:plain

 

7月最後の週末は、長野・木崎湖のほとりのALPS BOOK CAMPにいました。

alpsbookcamp.jp

 

ここのところ切実に求めていた「大量の淡水」を補給できて、とても満足でした。この日は初日かつ前夜祭ということで、ゆったりとはじまっていて人も多すぎなくて居心地よかったです。お店はまだそんなにたくさんは出てなかったけど、ごはんも飲み物もおいしくて、気持ちいい音楽が聞こえていました。寺尾紗穂さんの生歌が聞けてよかった。

 

木々のあいだにいて、山と水に囲まれている。湖畔。そうそう、この感じなんだよねと思い出す。わたしはやっぱりこうなんだよ、これがいいんだよ、こうしていたいんだよ。

 

ゆっくりと暮れていく湖を、ぽつりぽつりとおしゃべりしながら眺めていた。

松本のゲストハウスに泊まりました。閉まりぎわの銭湯に一人でのびのび入って極楽でした。

 

一緒に行った人は会った回数は3回とかなんだけど、いつも2時間ぐらい濃い会話をしていて、イギリスから帰国のときにはいつも会おうよと声をかけてくれるのですが、今回はいきなり「旅に出る」とかでおもしろかった。普段あまりそういうことはしないので。しかも前々から予定していたというのでもなく突然決まって。そういうのもよかった。

 

翌日は松本のまちを2時間ほど散歩して、カフェでモーニングして、おおこれが松本城か、開智学校か、と言いながらひと巡り。なんとなくここは、文化度の高いまち、というイメージ。

 

都市計画・ランドスケープと法整備の話にはじまり、建築、アート、金融、家族、パートナーシップ、戸籍、茶の湯、能、比較文化論、宗教学、小説、物語、移住、移民、ロンドン、大阪、東京、英語、日本語、公共私などなど、ずーっと話していても尽きず、楽しかった。

またいつ会えるかわからないけど、次回の「雪かき」を楽しみに、じゃあねと別れ。

 

思い立ってパッと行くのはいい。軽やかでいたい。

次回はお店やさんのほうで行ってテント泊するのもいいなぁ!

 

 

f:id:hitotobi:20170829140043j:plain

f:id:hitotobi:20170829140127j:plain

f:id:hitotobi:20170829140433j:plain

f:id:hitotobi:20170829140450j:plain

f:id:hitotobi:20170829140502j:plain

f:id:hitotobi:20170829140520j:plain

f:id:hitotobi:20170829140549j:plain

f:id:hitotobi:20170829140536j:plain

f:id:hitotobi:20170829140602j:plain

広告を非表示にする

明日8/25から!《生還せよ!秋田・上小阿仁村でアートと野生に捕らわれる3日間!》

f:id:hitotobi:20170824144911j:plain

 

 

超直前のお知らせですが、あした8/25金から、金・土・日で秋田県上小阿仁村でアートプログラムがあります。わたくし、企画・運営で携わっております。

peraichi.com

 

「あら、ちょうど空いてるぢゃないの」
という自由に生きる女たちよ、ぜひ一緒にいきましょうーー!

 

東京から飛行機で行かれる方は、こちらがちょうどいい便です。 さっき見たらまだ空席ありました。

★往路★ 8/25(金)
便  名:ANA403
発着空港:東京/羽田 - 秋田
発着時間:09:50 - 10:55

★復路★ 8/27(日)
便  名:ANA408
発着空港:秋田 - 東京/羽田
発着時間:15:50 - 17:00

 

もちろん自家用車で来てくださってもOKです。

宿泊が旅館がなくなったので、村営の施設のみ、激安です。

 

この夏、特になんも思い出なかったわーって方、ぜひぜひ衝動的にいらしてください。山奥のマタギ発祥の村で開催中のアートイベントに入り、アート鑑賞と対話と交流がいっぱいの濃い時間を過ごしましょう。

 

朝&夕セッション、対話型アート鑑賞、きりたんぽ作り、温泉、アーティスト&村民との交流BBQ、食べられるほおずき狩り、アーティストさんとの共創ワークショップ、えとせとら。晴れたらめっちゃ星きれいよ! 

 

★お問い合わせはこちらから>>

秋田・上小阿仁村でアートと野生に捕らわれる3日間!お問い合わせフォーム

谷川史子原画展に行ってきた

f:id:hitotobi:20170816212155j:plain

 

時間が経った話ばっかりUPしております...。これは5月の話。

 

---

谷川史子原画展に行ってきました。

うわーん、よかった!!!!!!!

写真撮影可(一部不可)なのも、ファンにとってはうれしかった。


りぼんとLaLaの併読をはじめたころに谷川さんが現れて、絵もお話もすごく好きだなーと思って、りぼんを卒業してからもコミックを買って読んでいた。

最初のコミック「花いちもんめ」に入っている、おくんちのお話がやたら切なくて印象に残っている。「きみのこと好きなんだ」「各駅停車」「くじら日和」の時代もいいし、大人になってから読んだ「忘れられない」「積極」「くらしのいずみ」「吐息と稲妻」も好き。

谷川漫画のどんなところが好きなんだろう、と考えてみたけど、平安時代の和歌っぽいんだなぁ。気持ちの表し方とかが。他のところでは「そんなこと起こるわけない」「こんな人間いるわけがない」と物事を斜めに見がちなわたしも、このゆるぎない「可愛い」や「トキメキ」や細やかな線描の世界にいると、自分の可愛い部分が喜んで顔を出してくるという感じがしてうれしい。そう、うれしくなる感じなのだな。

恋っていいね〜 いや、恋というのかなんというのか、「仮に恋としておく、名前のつけようのない感情」みたいなもの、かな。

 

それにしても漫画の原画って、ほんとうに溜息が出るくらいきれい。

 

 

★関連記事も貼っておきます。

www.comicsync.com

 

www.comicsync.com

 

www.comicsync.com

 

 

f:id:hitotobi:20170816212709j:plain f:id:hitotobi:20170816212730j:plain

f:id:hitotobi:20170816212847j:plain f:id:hitotobi:20170816212915j:plain

 

f:id:hitotobi:20170816213056j:plain

f:id:hitotobi:20170816213011j:plain f:id:hitotobi:20170816213352j:plain

f:id:hitotobi:20170816213146j:plain

 

 

 

N.S.ハルシャ展を観た

f:id:hitotobi:20170816204310j:plain

 

4月末、森美術館に「N.S.ハルシャ展」を観に行った。

www.mori.art.museum

 

ストレートな表現をあれこれ考えずまるごと観たような感じ。皮肉も傷みも描かれていて、怒りや悲しみもあるのだろうけど、表現自体はあんまりねじれていない。深みがないというわけではなく、心持ちが軽いというのか。

宇宙の中で起こっているある一つの出来事を描いていたり("A long time ago in a galaxy, far, far away...")、単に一つの部屋から別の部屋へ移って行くようだったり、別の人間がこの地球上で自分と同じことをしていたり、世代を変えて繰り返していたり...。自分と世界をつないでいるもののこととかも考えたな。

ハルシャさんの宇宙観の中で、自由に安心してじゃぶじゃぶ泳げる。

ボス2人と一緒に観てお茶しながら感想を話せたのもよかった。1人は秋田、1人はベトナムホーチミンを起点に世界を飛び回っているので、話が多岐にわたっておもしろかった。誰と観に行くかで見え方が変わるのはいつもとても楽しい。


美術館を出たあとに、個別性について考えながらまちを眺め歩くと楽しい。

 

 

「ここに演説をしに来て(Come Give Us a Speech)」2008 N.S.Harsha: Charming Journey

f:id:hitotobi:20170816204159j:plain

 

「ネイションズ(国家)(Nations)」2007 / 2017 N.S.Harsha: Charming Journey

f:id:hitotobi:20170816204405j:plain

 

「息子よ、よいことを学びなさい」「よいことってなに、ママ」("Learn good things my son" "What are good things mama")2003 N.S.Harsha: Charming Journey

f:id:hitotobi:20170816204433j:plain

 

「私たちは来て、私たちは食べ、私たちは眠る(We Come, We Eat, We Sleep)」(部分) 1999-2001 N.S.Harsha: Charming Journey

f:id:hitotobi:20170816204453j:plain

 

「空を見つめる人びと(Sky Gazers )」2010 / 2017 N.S.Harsha: Charming Journey

f:id:hitotobi:20170816204935j:plain