昨年末からはじめたPodcast「ことほぎラジオ」の第3話を配信しました。
今回は、わたしが「場をつくること」をテーマに話をしています。聴いてくれた人からさっそく、「羽田空港の背景音がとってもよかった」という感想をいただいています。みんな空港が好きなんだなぁ。
この「非常に個人的である」わたしの話は、いったいどのようにリスナーさんに受け取られていくのか、まったくわかりません。しかし、ラジオとしてお届けするこの作品の中に、誰かにとっての「きわめて個人的であるがゆえに投影できる」部分もあるといいな、と今の時点では思います。前回のけいさんの「能」の話がそうであったように。
「わたしは何を話していたのか」。時間が経てば経つほど発見があって、ああ、そうだったのか...と呆然とすること度々。
ミュージシャンが一枚のアルバムをリリースするときの、ファンの反応にふれる前の時点ですでに「何かが判った」と話しているインタビューや、自分で自分のアルバムをよく聴くことがあるとか、曲をセルフカバーするなど、その理由がずっとよくわからずにきたのだけど、このラジオを3回やってきてうっすらと理解できる気がします。わたしはミュージシャンでも芸人でもなんでもないのだけど。
少なくとも自分の声や話を恥ずかしがらずに何度も何度も聴けたり、公に流したりできるのは、これを作品として客観的にとらえているからで、つまりこれもひとつのわたしの「仕事」なんだろうと思います。
今回は全体で2時間10分収録したものを、最終的に65分まで編集しています。それでも含まれなかった時間の中で話されたことや起こったことも、最終版にはすべて含まれていて、それは本当に不思議なのです。これがリリースされる直前のわたしは、「編集する」ということについて非常に恐れを抱いていたのだけれど、ある人の耳や目や手をを通して現れるものもまた本物で、結局は「誰によって」というところが重要なのかと。
1回目、2回目、3回目と、人と人とが少しずつ知り合っていく、その普遍さも描かれている。残り9回の中で、それがどのような絵、どのような景色になってゆくのだろう。途上の景色、ふりかえって見える景色、それを相方のけいさんとリスナーさんと一緒に辿る旅が、これからもとても楽しみです。
よかったら聴いてみてください。
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