ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

本『性教育はどうして必要なんだろう』読書記録

性教育はどうして必要なんだろう : 包括的性教育をすすめるための50のQ&A』浅井春夫、艮香織、鶴田敦子/著(大月書店, 2018年)

 


包括的性教育という言葉を聞いて自分の中から出てきたトピックをはるかに超えた、隣り合う領域と思っていたものまでつなげて解説してくれる本。

たとえば憲法改正草案、戸籍、選択的夫婦別姓、道徳の教科化、等。

企画から出版まで3ヶ月なのに(だから?)、執筆者は27名。
一遍一遍は短いが、ものすごい濃さと切実さで迫ってくる。

眼の前で起こっていることには経緯があり、繰り返されていることがあり、明確な理由があることを知る。

日本における性教育の通史でもあり、人権やジェンダーを切り離された「教科」のようなものではなく、当然の土台として議論していくための提言書でもある。海外の例なども取り上げていて、興味深い。切実なテーマほど視野は広く。

現状がまるで近づいているような気がしない、むしろ遠ざかったのではと泣きたくなるが、現場実践者や研究者の「沸々と燃えたぎる良心」を感じて、心の中で連帯を決める。

 

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