ひととびセレクションのはじめにあたり
《ひととびセレクション》は、鑑賞対話ファシリテーター・舟之川聖子がセレクトする表現作品を真ん中に、感想をわいわい語り合う集いです。
本(読み物)、映画(映像)、舞台、美術など、さまざまなジャンルの、古典から現代までの作品を、毎回幅広く取り上げます。
わくわくの好奇心を手がかりに、一緒にめくるめく鑑賞の旅に出かけましょう。
日本に新型コロナウィルス(COVID-19)が上陸して以来、刻々と状況は変化に対応するため、わたしたちはたくさんの努力を払っています。
次々を流れてくる膨大な情報やコンテンツから、自分に有益なものを見つけ、瞬時に目を通してはストックする作業を習慣づけています。そして、いつの間にか、自分一人VS世界のサバイバルモードにいて、疲れきっている。そんな状態にありませんか?
少なくとも、わたしはそうなっています。
今回シリーズで場をひらくのは、一旦立ち止まって、他者との「鑑賞」の時間を持とう、という提案です。
静かな気持ちで、対象を手でさわって、目で見る、聴く。
よく観察した結果を場の中で話してみる。
言葉にして自分の音を聴く。人の音を聴く。
言語による自己表現は、
激流の中でも自分を失わずに、
今日を生き抜くためのサバイバルスキルです。
わたしが危惧しているのは、人々がなるべく表現しないように、話さないようにしよう、という方向へ向かっていくことです。
誰かを傷つけるかもしれない、間違っているかもしれない、糾弾されるかもしれない、ということを恐れるあまり、口をつぐみ、考えないようにし、感情に蓋をしたり、別の感情や論理にすりかえていくことです。
公には発信しづらい。かといって、雑談や放談では安全性が担保されにくい。
「うっかり」言ってしまったことによって、信頼や信用が損なわれ、人間関係が悪くなることは、今もっとも避けたいことです。
このようなときには、対話の場が役に立ちます。
ファシリテーターのいる、安心安全で健やかな対話の場です。
ルールを敷き、境界線を守りながら、自分の感情や意見を表現できるところです。
テーマそのものを語ると概念的で抽象的になるため、特定の作品や表現を真ん中に置き、鑑賞します。
芸術作品から、今まさに発されている同時代の表現者の記事まで、幅広い選択肢の中から、わたしがセレクトして鑑賞対象とします。
まずは、今もっとも語りたい作品、カミュの『ペスト』を皮切りに、週1〜2回のペースで開催していきます。
オンラインの場に気軽に参加してもらうため、時間は75分を目安とし、参加費も廉価に抑えます。
作品は無料または廉価に入手可能な素材で行います。
作品提供元に対しても益になる場を目指します。
今後、興味のある回がありましたら、ぜひご参加ください。
あなたにぴったりのタイミングに、ぴったりの作品と出会えますように。
こちらでお知らせしていきます。
Peatix
https://www.facebook.com/funanokawaseiko
鑑賞対話ファシリテーターへのご依頼は、こちらの公式サイトから。オンラインの場づくりもお任せください。