東京都現代美術館で「ユージーン・スタジオ 新しい海」展を観た記録。
よかった……。ただただ、よかった。
帰ってきてからドビュッシーをずっと流している。よかった。
ちょうどエネルギーを使う仕事のキリがついたところだったので、緩めた。
このタイミングで入れてよかった。予定しておいてくれた自分に感謝。
常設しててほしいくらい。鈴木大拙館みたいに。
と一瞬思って、いや、音楽があればいつでも思い出せるな、とも思う。
しっかりと体験したから。
光やガラス、暗闇、花。想像力。
ホワイトキューブでなければ立ち上げられない展示ってあるんだな、と初めて思ったかも。集中できる。落ち着く。
あたたかく、やさしく、やわらかくしてくれる。
展示全体も、作品一つひとつも、思い起こすだけで、やわらかくなる。
しずかで。ちょうどよい重力。質量。存在感。
思考判断をする必要もなく、ただ在るのを感じる。
極楽浄土ってこんな穏やかさなら、死ぬのも怖くない(極楽に行ける前提)。
見覚え。来たところ、帰っていくところ。
自分の好きなアンビエントな音楽を持って行って聴きながら観ても良いかもしれない。
ああ、でも最後に音楽が大事な作品があるから、あえてなにも聴かないほうがいいかな。
友達とその人の赤ちゃんと3人で観た。ごはん食べながらよかったね〜という話をして、帰ってからも少しやりとりをした。
「一人で観るのもいいだろうけど、きょうは一緒に観られてよかった。つながり感じられた」と伝えたら、
「きょうはいっしょに観ることで『共生』っていうコンセプトにより近づけた気がする」と返ってきて、それもよかった。
私たちはどのように共に在るのか、有れるのか。
この日はすごく良く眠れた。
ほんとうに気持ちよく眠った。
左はショップで売っていた美術手帖編のインタビュー録。
海庭
Critical
ほんとうにまったく何も撮れていないけれど、この《海庭》は手前からの海の広がりの向こうに、私なんだけど、私たちの中の一人、が写っている。遠くて、人が「人間」という識別になる。でも記号化されているのではない。あたたかさがある。鏡に映った海は、山々のようにも見える。
〈レインボーペインティング〉シリーズ
Rainbow Painting series
こちらも何も写っていないけれど、グレーの微妙なグラーデーションをつけた点の集合。春霞だと思った。この季節にぴったり。2月の光に包まれて生まれてきた自分の子を思い出した。虹にちなんだ名前をつけたのだった。
ゴールドレイン
Goldrain
オラファーエリアソン展のミストと虹の作品を思い出した。腐海の底、炎、幻影、亡霊、花火。いつまでも観ていたい。
▼展覧会トレイラー。 音楽は会場では流れていないけど、いいですね。
▼関連記事
[MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2]は休止中ですが、再開後に今日のチケットで入館できるそうです。Journals vol.1はマーク・マンダース展のときに一緒に観てとてもよかったので、再開されたらぜひ観たい。
今回のユージーン・スタジオ展は、Journals vol.1とその前の、オラファー・エリアソン展からの流れを強く感じている。
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