板橋区立美術館で開催中の深井隆展に行ってきた。
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4000017/4000024.html
感染症流行の時期に、それでもどうしても美術館に行きたくて、練馬区立美術館の津田青楓展に続いて訪れたところ。
深井隆は、藝大の退官記念展で知った作家。
こちらの記事で少し触れた。
作品は木彫と絵画。
MAX RICHTERのSLEEPを聴きながら観た。ぴったりだ。
会場に音楽が流れていなくても、こうやって好きな音楽を聴きながら作品を観たらよいのだ。以前教わったことをやってみている。
静かな空間の中でじっとしていると、さまざまな感情があふれては、やがて静まっていく。
懐かしい深い淵へまた還ってくる、をくりかえした。
作品といろいろな距離をとって、場所を少し変えて立ってみると、その度に違う感じがする。
座ってみるのもいい。
馬の隣にしゃがんでしばらくスケッチをしていた。
生き物が象られているというだけで、なんだかホッとする。
木なのもいい。
木が育ってきた時間、製材の時間、彫る時間、作品になってからの時間。
そして呼吸してまだそこに生き続けている。
深井の作品は空間を一瞬で鎮静させてしまう。
祈りや詩や永遠の世界。
たぶん一度作品に出会うと、多くの人が忘れられない体験をすると思う。
そして記憶に残ったあとは、思い出したときはいつでも同じ場所に戻れるように作ってある。
日曜日だったけれど、館内にはほとんど人がいなかった。
せっかくの展示があまり人の目に触れないのは、ほんとうに悲しいことだ。
この時期に観たということも含めて、忘れられない鑑賞となった。
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