東京ステーションギャラリーで開催していた、アルヴァ・アアルト展に行った。
この日は4月中旬だというのに、フィンランドみたいな寒さで、しかも雨が降っていたので、コートを来て傘をさしてガタガタ震えながら向かった。そんな天候なのに出かけたのは、会期終了間近だったから。
国土が広く、森が多く、人間が少なく、冬の陽ざしが貴重な国の建築だなぁという感じがした。
アルミン・リンケの写真は、建築に出会ったとき、建築の中にいるときの無意識の身体の感覚を的確に伝えてくれる。大きく引き伸ばされた写真の前のベンチに腰を下ろしていると、居心地がよい。
曲げ木のレリーフ、サヴォイ・ベースとスツール60の製造工程がよかった。
パイミオのサナトリウムの再現は、近江八幡のヴォーリズ建築を思い出させる。結核の治療のための施設というのは、どこもこんなふうだったのかな。
一番気に入った展示は、アルテックのマニフェスト(1935)。タイプ、インク、紙。
こちらに写真が載っています。
建築に詳しくなくても、 ただただ居心地がよくて、いっぱい深呼吸できた展示でした。
画期的で、代表的なデザインもあるのだけれど、行く前に想像していたような、「これがアアルトだ!」というカッチリしたものが内に残ったわけではなかった。
とても「自然」で、もうすでにそこにあるから、声高に言う必要がないくらいの調和、ということだったのかも。それこそがアアルトなの、かな?
現地に行って、直に感じてみたい。
そこの土地に行かないとわからない類のものがありそう。
左:東京ステーションギャラリー、右:名古屋市美術館
同じ展覧会でも随分と印象が違う。この2つのあいだに巡回した葉山も名古屋とほぼ同じデザイン。
いつ来てもここの建物は美しくて大好き。
6月末からのメスキータ展。エッシャーが好きなので、楽しみ。
手持ちのエッシャーの画集を並べてみた。いいなぁ!
寒すぎて、ソウル・ライターの写真みたい。
そういえば出たところに、こんなレリーフが並んでいた。
あれ、深井隆さんといえば、わたし今年1月にたまたま退官記念展に行ってました。
こんな不思議な作品がたくさん並んでいた。黒井千次の小説を思い出したんだった。