以前ポッドキャストで、「調べ学習が楽しい話」という話をしました。
配信した頃に書いていたメモをブログの下書きに見つけたので、投稿しておきます。
図書館で借りてよかったので、高かったけど、買ってしまった本。ある川沿いの町(おそらくヨーロッパ西北のあたり)の12,000年にわたる変遷を見開きページで追っていく本。「ウォーリーをさがせ!」や屏風絵の「洛中洛外図」のようにこんなところでこんな人が!と細部を追っていくのも楽しい。
わたしがこれを買ったのは、西洋絵画を見る時に役に立つなと思ったから。世界史は好きなんだけど、年代・年号を暗記するのが苦手で、それらと出来事とを結びつける感覚も弱い。「1,600年ごろ」って言われたときに、その頃の暮らしや風俗がパッと浮かぶと、それをひとつの軸にして、作品を見られたり、同時代の作品と比較したり、より深い理解ができるのではないかと思ったので。歴史的に西洋絵画の中心と、この本の「ある町」はだいたい近い感じがする。発展させて、「その頃日本では...」「その頃アメリカでは...」とかも、パッと把握できるようになりたい。
百人一首と競技かるたの講座の講師を務めることになって、平安時代のことをあれこれ調べていたときに、「そういえば藤原ってめっちゃ人数多いんだけど、なんで?」「近現代までの名字の付け方の変遷って?」と疑問がわき、読んでみたらおもしろかったので、これも買ってしまった。教科書で知っていた日本史を、名字をいうテーマで串刺しにしたときに、あれとあれが関係していたのか!とか、そういう関わり方だったのか!という発見があって、おもしろい体験でした。これが絵がいっぱいでカラフルで見開き一テーマな感じがわかりやすいので、大人向けの「雑学なんとか」よりもわたしは好きです。「名字のひみつ」というシリーズで他に3冊ほどありました。
聖書の勉強をしていたきたこともあって、他の宗教はどのようになっているんだろう?との好奇心から借りてみました。4冊シリーズで出ています。2017年8月〜2018年3月と最近出た本なので、今の世界状況に沿っているところがよいです。同じイスラム教徒でも国や地域によって異なることを、4カ国のイスラームの子どもの生活からリアルに感じられます。子ども向けの本は、シンプルで網羅的すぎない、そして読み手に親しみを起こさせることを大切にしているところがいいのかもしれません。
この本自体が、アニメ博物館のような編集、構成、レイアウトになっていて、すごく楽しかったです。時間を忘れて館内見学してしまう。作り手の熱をびしばし感じる本。作業工程の表現の仕方は他の分野でも参考になるんじゃないかしら。
- アニメーションと「アニメ」は違う(というところから、えー!!となる)
- アニメの歴史(それぞれの時代、社会の中でどのように求められてきたか)
- アニメのジャンル(それぞれのアニメによって得られる印象、効果、向き不向き)
- 特徴(アニメという形式によって何を表現しようとしているか)
- アニメのできるまで(知っているようで知らなかった制作工程)
- アニメの作り方(原理を使って自分でもやってみれるアニメ、何がおもしろいのかを自分でもつくることを通して理解できる)
- みておきたい傑作アニメ(アニメとアニメーション、日本と海外に分けて)
- アニメにかかわる仕事につくには(こどもにとってもいいし、大人にとってはこれからその仕事につかないまでも、誰がどうやって制作にかかわっているかを知れる、制作や業界を支えるパーティ)
図書館のこどもの本のコーナーにはお宝ざくざく!
この記事で書いた、宗教学を教えてくれた先生によると、
あたらしいことを学ぶなら、小学生向けの本を読み、
小学生向けの本が理解できたら、中学生向けの本を読み、
中学生向けの本が理解できたら、高校生向けの本を読み、
高校生向けの本が理解できたら、基礎的なことはほぼ理解したと思っていい。
とのことでした。
新しい分野を勉強するときに取り入れている考えです。