ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

棚からキスリング展、初夏の庭園美術館とポッドキャスト

東京都庭園美術館で開催中のキスリング展を観てきました。

www.teien-art-museum.ne.jp

 

 

お土産。やはり最近の美術館の物販の中で、クリアファイルは重要な位置を占めているなぁ(個人の感想です)。クリアファイルがいいのは、どこかでも書いたけど、日常で使えるというところにあります。持ち歩ける、好きな作品と一緒にいられる。

プラスチックでぴかぴかつるつるしているのと、透過性があるところも。日に透かすと色がきれい。ポストカードも集めているけれど、気づくと毎回クリアファイルも連れて帰っていたのは、そういうあたりに理由があります。

ここは何回でもアツく語りたい!!!


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作品リストまで丁寧に作られていて、好感。裏面を見ると、

デザイン:山田信男CENTRAL PARK

とあります。やっぱりプロの仕事なんだなぁ。紙の感じもよいです。


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展覧会自体もとてもよかったです。

実はこの日はキスリング展が主目的ではなくて、ポッドキャストをカフェのテラスで収録するつもりで行ったのです。観ていた時間は30分ぐらいで駆け足だったのですが、それでも十分に魅力を感じました。

 

梅雨の晴れ間。少し湿気はあるけれども、初夏の風は爽やかで、キスリングの絵に描かれている南仏を思わせる。

色鮮やかな庭の花々や人々の装い、静かに置かれたテーブルの上の果物、生命力あふれる裸婦、宇宙の憂愁を映す大きな瞳、静かな喜びあふれる表情。

絵筆の痕跡、力強い筆致。

 

それをまた、庭園美術館という美しく保存、継承されている建物の中で、入れ子状態で味わうというのが、たまらないです。

 

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収録場所がここでなければ、スルーしていたところだったので、ほんとうに観られてよかったです。あまりよく知らない画家だったので。

それと、モディリアーニの親友と聴いて、勝手にホッとしたり。モディリアーニのイメージが薄幸すぎるもんだから。

 

 

美術館にあまり行かない人に、「どうして美術館に本物を観に行く必要があるのか?」と問われたことがあって、それに対する答えはいくつもあるのだけれど、その一つに、

観るために特別にしつらえられた空間・時間の中だからこそ、受け取れるものがある。

は確実にある。この問いは、5年ぐらい前にわたしに投げられたのだけれど、ずーっとどこかにあって、美術館に行くたびに答えを持って帰ってきている。

そのときは「無理解」とか「感性の違い」からくる「揶揄」に呻いていたのだけれど、こうしてみると、ありがたい問いだったのだなぁと思える。

  

ポッドキャストの中でも、展覧会の感想、美術館で何をしているのか、絵を観るとは何をしているのか、についても話しているので、よかったら聴いてみてください。

note.mu

 

 

このカバーの写真は、庭園美術館ではなく東洋文庫ミュージアムのカフェに続く道で、ゲストの阿真さんが撮られたものです。

8年前から知っていたけれど、個人的に話したい!と思うきっかけになったのが、この記事(...の前の生煮え投稿)。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

再会のきっかけになったのが東洋文庫ミュージアムだったから、その写真を使わせていただきました。

 

そしてまた、阿真さんがこの収録中および後に感じたことをnoteに綴ってくださっているのがありがたい。

note.mu

 

ここから非常に感じることは、「好き」や「関心」をひらく、発信していく、語っていくって、思いがけない出会いや、出会い直しにつながるから、やっぱりいいよねぇということ。

 

やりたくない、苦手ならべつに無理にしてやらなくてもいいと思う。

でも、書いてみたら、読んでくれる人がいて、そこからつながって、なにか一緒にやる仲間になるって、場づくりにもつながること。そもそもとっても楽しいことだよね。

今回、阿真さんとのコラボレーションで「やっぱりね!でしょ?!」というグッとした握手を交わすことができて、それもとてもうれしかったです。

 

 

ということで、きょうもこのブログを読んでくださった方、どうもありがとうございます。

 

 

そうそう、次回の庭園美術館の企画展が素敵なのです。

 

これ、鑑賞対話の場、ひらきたいなぁ。

学芸員さんの解説を30分聞くギャラリートークとはまた別のしつらえ。

鑑賞対話の場は、《鑑賞+解説+参加者同士の対話》セットの場。
リアルの場に人間が集う理由をより実感できる、ひらく動機と集う動機を開示しあい、好奇心や関心を、人と作品と自然とのかかわりの中からもっと広げる機会としての場。

 

美術館の方、一緒にやりませんか。お問い合わせはこちら


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