試写で観せてもらいました、待望の『ホドロフスキーのサイコマジック』!
今ちょうど観終えたところ。
そういう...そういうことだったのかぁ......と満足の溜息が止まらない...。
トレイラーだけ観ているとなんのことかわからず、ほんとうに「荒唐無稽なカルトムービー」みたいに見える。
しかし、本編は至って実直な(?)、サイコマジックセラピーの臨床現場を粛々と一貫して示していく。その中で過去のホドロフスキー作品が断片的に言及されていく。
サイコマジックについて逐一、解説をしているわけではない。
サイコマジックの現場を、あくまでサイコマジック的映画として描いている。
途中で、「これ観すぎるとなんかやばい世界にいっちゃうのかな、わたし...」と一瞬不安になったりもした。
...というぐらいに、セラピーを受ける人々にある人類共通の苦しみと、そこからの解放と治癒のプロセスは、観る者の無意識にじわりじわりとはたらきかけてくる。
そうだ、わたしもそれを欲していたんだよ!!というものを、一人ひとりがテーマを分担して背負って、次々に見せてくれているような感覚がある。
やはりキーになるのは、親子、家族。
知らず知らずの間に深層に入り込んでいる、ホドロフスキー映画のいつものやつだ。
マジックがかかる。
......などと書いているこれは、サイコマジックと真逆の、意識的で合理的な言語なんだが。
人によっては受け付け難い表現かもしれないので、万人にはお勧めしない。
求めている人は、間違いなくホドロフスキーの慈愛をビシバシ受け取るだろう。
2020年4月24日(金)より