ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

展示「はじめまして、かけじくです」@板橋区立美術館 鑑賞記録

7月上旬、板橋区立美術館で『はじめまして、かけじくです』を鑑賞した記録。

www.city.itabashi.tokyo.jp

 

全然注目していなかったが、青い日記帳さんがイチオシの展示ということで、慌てて終了間際に駆け込んだ。

bluediary2.jugem.jp

 

行って、ほんとうによかった......!!!

 

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今回行ったのは、実は昨年あたりから、かけじくが気になっていたから。

掛け軸の表装の世界というのは、西洋画の額縁とは全然違うものなんだろうなぁ、知りたいなぁと思っていた。

ここにもメモしてあった。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

だから今回は、願ったり叶ったりの展示だった。

疑問が湧いたり、仮説を思いつくのはギフト。それを持ったまま、かといってずっとそのことばかり考えているのではなく、一旦忘れてしばらく日常を過ごしていると、ある日ふとアンテナに引っかかってくる。

ひっかかりやすくするために、わたしの場合はこうやってブログに書いたり、SNSで発信しておいている。探していたものに出会えたときは、めちゃくちゃうれしい。

 

▼「こんなに変わるの!? 新しい表装に仕立て直すまで(PDF)」
かけじくってこんなふうにできてたんだ!がわかる資料。繊細!職人さんすごい!

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/_res/projects/project_artmuseum/_page_/004/001/474/kakejiku_hyoso1.pdf

 

▼メモと感想

・掛け軸のはじまりは、文字や絵を記した布を吊り下げる行為から。人間ってやっぱりきれいなものを飾りたいという気持ちがあるんだろうなぁ。タペストリーのようなものだったんだろうか。

室町時代、書院造が生まれて、かけじくを床の間に飾る風習が生まれる。茶の湯でさらに発展。この頃、かけじくはまだ貴族のもの。

・もし床の間がなければ、かけじくはこんなに長細いものではなかったかも?

・色紙を飾る習慣とも

・江戸時代には一般の武士や豪農や町人の間でも流行る。でもそれ以下の身分の人たちはかけじくなんて買えないので、大津絵のようなものを飾っていたのかな??庶民が家の壁に絵を飾るようになったのって、明治に入ってから?このあたりの歴史も知りたい。

秋田県藩主佐竹氏の依頼で、などの解説が出てくる。秋田県知事って確か佐竹さんですよね。今も藩主の家系が首長として続いているということなんでしょうか。

・縦長、横長、小さい、大きい。2幅でセット、4幅でセットなどいろいろ。かけじくはそのままで中身の絵を入れ替える短冊方式もある。数え方の単位は「幅」。

・セットにするときの組み合わせやつながり方も見所。花鳥風月など、1幅でもめでたいけど、4つ飾るとめでたさが倍増したりする。

・襖や屏風、巻物や画帖の形態のものを、かけじくに仕立て直すこともある。かけじくにして愛でたい気持ち、イイですね!

・かけじくをひらいていくときの、だんだん見えてくるときのわくわくも考えて描かれたような(ほんとかわからないけど)作品もある。

・こんなに楽しいかけじくなのに、図録になると絵だけになってしまうのがとても残念。

・最近イベントの告知ページ用にヘッダー画像を工夫して入れることがあるけれど、何か作品にまつわる対話のイベントのようなときに、作品のチラシをどう配置して、作品の魅力をつたえつつ、どのように場の雰囲気を伝えるか考えながら、作っているのだけれど(そんなすごいもんじゃなくて、それ用のアプリケーションを使っているだけですが)、あの作業と表装って似ている気がした。

 

・かけじくにすることの効果を自分なりに考えてみた。
 -作品をきわだたせる。コントラストの強い色や模様を使う
 -作品の雰囲気を伝える。
 -文様に意味を込める。作品の出自や所属を表す。
 -入れ子にして遊ぶ。
 -作品の世界を広げる。作品の外側の世界とのつながりをつくる

 どうでしょう?かけじくに詳しい人がいたら、今度聞いてみようと思います。


うちにはかけじくはないしな〜と思っていたけれど、季節のてぬぐいをかけるのも、かけじく的な楽しみ方なのかも!

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いろいろ難しく考えなくてもよくて、高尚なものと腰が引けなくてもよくて、

要はこういうことかなと思います!!

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