ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

《レポート》映画『蜜蜂と遠雷』を語る会、ひらきました

ひらいてからだいぶ時間が経っていて、「レポート」っぽいものは書けないのですが、でもやはりとても良い体験だったので、綴っておきたい。

 

こんなふうに参加者を募りました。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

ひらいてよかった。とてもよい時間でした。

Zoomでひらいたこともあり、午後のひとときをご自宅でくつろいだ気分でご参加いただけたようで、よかったです。

Zoomで鑑賞対話の場をひらくときには、Face to Faceの場とは違った良さやコツがあるので、またいずれまとめたいと思います。

 

 

 

4名にお集まりいただきました。

原作も読んでいる方ばかりだったので、原作を読んでいない方への配慮も全く不要で、映画と原作が混ざりながら90分+放課後30分=最大120分、めいっぱい語り合いました。

ピアノを習ったことがある、演奏経験がある方ばかりでもあったので、音楽と小説の贈り物を感受、祝福する時間でした。

 

「実写化」されたときのキャラクターのイメージや描き方の話からはじめたのですが、まずもう楽しかった。自分のイメージを絵に描いていた方もおられました。イラストレーターさんなので本職でもあり、すばらしかった。小説からここまで立ち上げられたらすごいなぁ。

 

 

それ以外の話題は、当日のメモを手がかりにしようと見直してみましたが、残念ながらあまり思い出せず。。^^;

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そもそもわたしは場で「どんな話題が出たか」よりも、「どのような熱中があったか」「どのような景色をみんなで見たのか・本質に至れたか」のほうに関心があるので、一つひとつの話はあとから思い出せないことが多いです。

もちろんその時間の中では覚えています。いつ誰がどんな話をしたのかを握りながら進めていますが、場が閉じられるとあとは霧散して、感触しか残っていないということが多いです。

あいだの時間は一生懸命聴いたり話したり、とにかく徹底的に場にいる、ということを大切にしています。だからこそ深い対話ができると思っています。記録しながら進行もできなくはないですが、どうしても場にいて聴くことが手薄になる感じがあるのです。

客観的な記録を取ろうとするなら、やはり記録専門に場にいる人が必要になります。どういう順番で誰が何を言ったのか、メモをとり、写真をとる人。

 

記録もファシリテーションも一人でやれてしまう人もいますが、わたしのようなファシリテーターもいますということで、両立できない!と悩んでいる方は、どうぞご安心ください。

 

 

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この日一番わたしが心動かされたのは、会の終わりのほうで対話が熟してきたときに、生まれ共有したことでした。

それは、小説と映画と二つの表現形式で、世界観を構築してもらえたことで見えてきたもの。

クラシックと呼ばれる音楽の持つ本質や盤石さがあり、それを皆で尊ぶ時間を過ごしたという感触です。

 

パンフレットにも掲載されていた小説家の恩田陸さんのインタビューの中にある言葉、

すべての音楽がBGM化されてしまった。
「能動的に音楽を聴く」ということがなくなりつつある。

 

そして、監督・脚本・編集の石川慶さんの言葉、

亜夜の最後の演奏シーンで、自分はずっと昔からクラシックファンだった!と興奮して、聴き終わってほしい。それだけです。

これらの作り手の切実な思いを場で受け取り、味わえたことが、今もとてもうれしい。 

小説の中に出てくる印象的なフレーズの一つ、「音楽を連れ出す」をみんなでやったのだろうと思います。

 

皆で語ったことで、一人ひとりの登場人物が生きて居るようになる。

そしてその人物たちが人生を賭して求めているものに触れる。

物語を通して、それを表現した作り手の思いをわたしたちにも「それ」へのアクセスが可能になる。
「それ」から流れ込んでくるものによって、わたしたちは一人ひとりこの先も生かされていく...。

 

そのような体験でした。

 

一人ひとりで読む、観るときにもそれは受け取っているのだろうけれど、とりきられた場で取り扱うことによって、他者の経験からより自覚させてもらえる、他者の立会いの元、確かな感触を得る、ということが起こります。

鑑賞対話の場ならではの体験です。

 

こうしてみんなで語り合ったあとに、もう一度映画を観ると、また味わいが深くなるだろうなぁと思います。願わくば、また映画館のスクリーンで、よい音響で観たいものです。

 

 

途中途中で、作品や音楽関連する書籍なども、紹介しあいました。

一見情報のようなのだけれど、物語も音楽も愛している方々が見つけて、鑑賞して培ってきたものの豊かさ、この文脈の中だからこそ出てきたもの。それにふれられることもまた、場における喜びのひとつです。

 

●原作本

 

●映画『蜜蜂と遠雷』のコンクール課題曲が収められたもの。8枚もCDが入っています。こうしてじっくり聴いていると、ピアノって打楽器だったんだなぁと思い出します。このアルバムの他に、実際に映画で使われた、ピアニストたちの演奏CDが演者ごとに販売されています。

 

 

恩田陸さんによるスピンオフ短編集『祝祭と予感』。

 

●コミック版『蜜蜂と遠雷』。小説、映画ときて、コミック。様々な表現形式で描く世界。 

 

●この動画ご紹介いただきました♪若さと音楽の歓び溢れる♪

 

●『ピアノの森

www.nhk.or.jp

 

羊と鋼の森

hitsuji-hagane-movie.com

 

最後に、 

これから映画『蜜蜂と遠雷』をご覧になる方におすすめの3点。

  1. 原作を読んでから観たほうが、受け取れるものが多くなります。
  2. キーになっている音楽は何回か聴いていくと、受け取れるものが多くなります。
  3. パンフレットが入手できるようなら、ぜひ鑑賞後にお求めください。とても丁寧に作られています。

 

ご参加くださった皆さま、ご関心をお寄せくださった皆さま、

ありがとうございました!

 

 

Information
鑑賞対話ファシリテーターにご相談ください。

企業や団体で教育普及、広報宣伝などを担当されている方向け。
映画、展覧会、書籍、舞台芸術など、鑑賞対話の場づくりのご依頼をお待ちしております。
鑑賞者同士で話す場、専門家と非専門家が知を交換する場。お互いを尊重し、補完する対等性のある場。知の交流と学びの楽しさを集う人一人ひとりが感じる場です。
企画・設計・ファシリテーション・集客サポート・レポートを担当します。
参加者4名から100名程度まで。

お問い合わせはこちらへお願いいたします。

 

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▼2019年12月22日(土) 2019冬至のコラージュの会
https://collage2019toji.peatix.com/  (練馬)

▼2019年12月27日(金) 映画『ディリリとパリの時間旅行』でゆるっと話そう
http://chupki.jpn.org/archives/4982 (田端)

▼2020年1月8日(水) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356 (横浜)