ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

『竹内栖鳳〈班猫〉とアニマルパラダイス』展 鑑賞記録

山種美術館に、竹内栖鳳『班猫』とアニマルパラダイス展を観に。

実は初の山種美術館

日本画の専門美術館 山種美術館(Yamatane Museum of Art)



いやー行ってよかったな、この展覧会!
こんなもんかな?という浅い想定をぶっ壊してくれる鑑賞体験が得られることが、やはり実物を観ることの意味。



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竹内栖鳳(せいほう)は、1864年生〜1942年没の円山四条派の出の日本画の大家。最初から最後まで、画壇のメインストリームを歩み続けた人のよう。在野で新しい日本画のムーブメントを起こした大観を対照として、「西の栖鳳、東の大観」というフレーズもあるそう、覚えとこう。

鳥のほわほわの羽や、動物のもふもふの毛。
かたさ、やわらかさなど、ふれてみたくなるけど、手をのばしたら逃げてしまうよねーという距離感も絵に表れていてすごい。

展覧会のメインビジュアルになっている『班猫(はんびょう)』は、沼津で見つけて連れて帰ってきた猫がモデルを務めているそう。
これ、たぶんひとしきり体をなめていて、ふと動きを止めてこちらを見た瞬間だと思うのだけど、リアルだし、なんというか色気さえ漂っていて、展示されていた他の作品とぜんぜん違う感じがした。こちらを見つめてくる目の碧さに引き込まれる。

西洋画の影響を感じる風景画もよいし、草木、ヘビ、カエル、魚もよかった。そして、水の表現が凄まじかった。何度も見に行っちゃった。いやはや、なんだこれは。一体わたしは何を見てるんだろう。

1番目のパートのみ竹内栖鳳、そのあとは栖鳳の弟子やその他の京都の画家、東京の画家のアニマル作品が並ぶ。時代も明治から現在まで。

一口に日本画といっても、画風、画法、サイズも様々で飽きない。ファンタジックだったり、スピリチュアルだったり、おもしろい。生き物への関心や愛(愛でる)、自然とのコンタクトが感じられる展示。


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日本画の細くて薄くて透明感のあるところが、観ていて落ち着く。空気に溶け込んでいくような広がり、境の薄さ、自然のものから異界へと誘われる。写実と装飾、愛らしさと美しさ。

でもこんなに隙がないのに落ち着くっていうのも不思議。なぜだろう。
下書きしてなくて一発描きというところにも、なにかヒントがありそうな。

喫茶のきれいなお菓子は、今度来たときにいただきます。