ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

旅先に日常を持ち込む〜金沢にて

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先日金沢に行ったときにもらった小さな冊子がとてもよいので、ご紹介したい。

「ちまたび」小さな旅っていうことかな?

「住むように巷を歩く旅」というコンセプト。

 

金沢に住んでいる気分で、

・2日連続でおなじ店に行き、常連気分を味わう
・身だしなみを整える(銭湯や美容院に行ってみる)
・図書館や映画館、書店や古書店、市営プール、美術館・博物館へ
・市場やスーパーで買い物をして料理してみる

という楽しみ方が提案されている。

 

自分のまちで、日常でやっていることを、旅先にも持ち込む。

だってそこは暮らしのまちでもあるわけだから。
そこで生活を営んでいる人がいるわけだから。

一時的な消費だけでない、その土地とより実感のあるつながりが結べる旅を提案しているところがいい。

 

実際、わたしもゲストハウスに泊まって、本屋さんに行ったり、美術館に行ったり、地元の人に人気の焼き鳥屋でごはんを食べたり、銭湯に行ったり、散歩して楽しんだ。

そのときに、旅先でお風呂屋さんに行くのは、御朱印をいただくような、その土地とご縁が結ばれる感じがあるなぁと思っていたところだった。

 

走る習慣がある人は、旅先でも走ってみるらしい。
その人にとっては、一番その土地を身体ごと感じる行為なんだろう。

 

もっと日数があれば、キッチンがついていたので、料理をしてもよかっただろうな。

これってどこのまちに行ったときにもやってみたらよいことだなぁ。うん。

 

 

金沢は初めて訪れたのだけれど、新幹線の開通したのと、インバウンドに力を入れているのと、夏休みという時期もあって、大変な騒ぎだった。

中心の市街地は観光客で溢れていて、お店もたくさんあって、ゲストハウスもたくさんあって、美味しいものやきれいなものもたくさんあった。

物を買う、消費する、ということを、そういえばこの国の人たちもかつては一生懸命になっていたっけなと懐かしく思った。今は他の国から来た人たちの旺盛なエネルギーに気圧されていた。

 

だからこの冊子で、ただ名所を見て回るだけの、消費されるための観光ではなく、自分で飛び込んでみて、体験を掴み取る、文化の行き交いを促す観光を提案していたのが、勝手にうれしくなった。

 

発行:金沢市観光政策課

協力:金沢ゲストハウスサービス懇話会


体験、まち歩き、ツアー、イベントなどの現地観光プラン検索ウェブサイトもある。

k-jj.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp

 

 

金沢でわたしの好きなところは、

鈴木大拙館 

泉鏡花記念館

柳宗理記念デザイン研究所

金沢能楽美術館

・大和温泉(お風呂屋さん)

・茶屋街の夜

・川べりの散歩

 

 

季節を変えてまた行きたい。

 

 

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今後のイベント
▼2019年9月7日(土) 『バグダッド・カフェ』でゆるっと話そう
http://chupki.jpn.org/archives/4691(田端)

▼2019年9月23日(月•祝) 秋分のコラージュの会

https://collageshubun2019.peatix.com/ (国分寺

▼2019年9月28日(土) あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会 満席
https://coubic.com/uminoie/979560

▼2019年10月1日(火) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356

 

鑑賞対話の場づくりコーディネーション・ファシリテーション

・<法人><団体>教育普及、広報宣伝などを担当されている方向け。
・映画、展覧会、書籍、舞台芸術など、鑑賞対話の場づくりのご依頼をお待ちしております。
・鑑賞者同士で話す場、専門家と非専門家が知を交換する場。お互いを尊重し、補完する対等性のある場。知の交流と学びの楽しさを集う人一人ひとりが感じる場です。
・企画・設計・ファシリテーション・集客サポート・レポートを担当します。
・参加者5名から100名程度まで。

お問い合わせはこちら


場づくりコンサルティング・個人セッション
・<個人><グループ>
・Zoom または 東京都内で対面
・30分¥5,400、60分 ¥10,800(税込)
・好きなもの・ことを共有する・考える・創る機会づくり
・読書会、勉強会などのイベントや講座。
・企画・設計・進行・宣伝のご相談のります。
・募集文の添削やフィードバック、ふりかえりの壁打ち相手にもどうぞ
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連載中 
『場づくりを成功させるための5つの鍵』(寺子屋学)
https://terakoyagaku.net/group/bazukuri/

 

《お知らせ》9/7(土)『バグダッド・カフェ』でゆるっと話そう@シネマ・チュプキ・タバタ

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「ゆるっと話そう」は、上映後に観た人同士が感想を交わし合う、45分のトークタイム。
シネマ・チュプキ・タバタでわたしが月に一度ひらかせていただいている場です。

 


映画を観終わって、 誰かとむしょうに感想を話したくなっちゃったこと、ありませんか?
印象に残ったシーンや登場人物、ストーリー展開から感じたことや考えたこと、思い出したこと。
他の人はどんな感想を持ったのかも、聞いてみたい。
はじめて会う人同士でも気楽に話せるよう、ファシリテーターが進行します。

 

第4回は『バグダッド・カフェ<ニューディレクターズ・カット版>』をピックアップ。

2019年9月1日(日)〜17日(木)『バグダッド・カフェ ニューディレクターズカット版』 | CINEMA Chupki TABATA


1987年西ドイツ製作。まだベルリンの壁があった時代。

日本では1989年に渋谷のシネマライズ(現在は閉館)で公開されて大ヒットし、当時のミニシアターブームを代表する作品で、ファンの多い映画です。
当時観ていた人は、今観たらどんな気持ちになるでしょう。
今回初めて観るという方は、この映画をどんなふうに観るでしょう。
チュプキの9月のテーマは、「ココロの郷」。
ココロに染み入るあの歌と共に、「懐かしい」のその先にみんなで行ってみたいと思います。

 

帰る前にちょこっと、ゆるっと話していきませんか?
どなたでもお気軽にどうぞ!

 

 

日 時:2019年9月7日(土)19:00(終映後)〜19:45
参加費:無料
予 約:不要
対 象:バグダッド・カフェ』を観た方。できれば「ニューディレクターズ・カット版」をチュプキで観てほしい!別日に観た方も大歓迎!観ていなくても内容を知るのがOKな方は大歓迎!
会 場:劇場内映画鑑賞の席のご予約はこちら>https://coubic.com/chupki/981443

レポート:
第3回「人生フルーツ」
http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/08/15/114717
第2回「勝手にふるえてろ
http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/07/16/160948
第1回「沈没家族」
http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/06/30/143407

進行:舟之川聖子(鑑賞対話ファシリテーター
twitter: https://twitter.com/seikofunanok
blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp

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バグダッド・カフェはわたしにとって青春の一本でもあります。
高校生か大学生の頃に繰り返し観た映画です。
Calling Youを聞くと今も胸がぎゅっとなる。 

でも今あらためて観てみたら、一体何が見えるんだろう?
チュプキの音声ガイドもつかって、今回初めて観る人たちと一緒に、自分もまるで初めて観るようにこの映画を観てみたら?

 

誰の、どんな声(コーリング)が聞こえるんだろう?
「その先」に、みんなで行ってみたいなぁと思っています。

chupki.jpn.org

 

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▼2019年9月7日(土) 『バグダッド・カフェ』でゆるっと話そう
http://chupki.jpn.org/archives/4691(田端)

▼2019年9月23日(月•祝) 秋分のコラージュの会

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・<法人><団体>教育普及、広報宣伝などを担当されている方向け。
・映画、展覧会、書籍、舞台芸術など、鑑賞対話の場づくりのご依頼をお待ちしております。
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・企画・設計・ファシリテーション・集客サポート・レポートを担当します。
・参加者5名から100名程度まで。

お問い合わせはこちら


場づくりコンサルティング・個人セッション
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祝福に満ちる "Laughter in the Dark" by 宇多田ヒカル

宇多田ヒカルのライブ"Laughter in the Dark"のDVD(正確にはBlu-ray)を友だちと観た。

www.utadahikaru.jp

 

 

追加生産分を予約して、発売日から1ヵ月以上遅れてようやく手元に届いて、一刻も早く観たかった。

でも、この素晴らしいパフォーマンスの初見を自宅の小さいTVモニターで済ませるは忍びない気がした。

それに一人でじわじわと感動するよりも、みんなで思いっきり分かちあったほうがいいんじゃないかと思った。

 

そうしてみて、やはり、大変によかった。

 

デビューからちょうど20年目に行われたライブ。

冒頭からもう涙が止まらない。

彼女を中心としてたくさんの才能と思いが一つになった場。

時間と空間を超える唯一無二の存在感。

独特の言葉の感覚。

一曲一曲が一本の芝居のようなパフォーマンス。

その生き方。人間としての深い魅力。

 

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わたしは"Stay Gold"(2007年)あたりから突然自覚的に宇多田ヒカルの歌が大好きになった。でも、好きだということをしばらく人に言えなかった。

 

誰も知らないような音楽を探し出してきて聴くのが、わたしが引きずっていた思春期的プライドだった。メインストリーム(売れているもの、流行っているもの)に飲み込まれてたまるかと勝手に思っていて、好きとか言ったら負けるような気がしていた。

 

ごく一部の人とだけ共有するだけで、基本は自分の好きなものを好きなように愛でる世界に閉じるのが、当時のわたしの安全に生きるやり方だったのだと思う。

 

そういうわたしだったのだが、"Stay Gold"のあとに、"光"(2002)あたりまで遡って聴き込んでいた頃、人に勧められて映画「ゴッドファーザー」を一気見した。

「みんなが好きって言っているものに興味なんか持てないに決まっている」などと思っていたのだが、「あれ...めっちゃおもろいやん!」と気づき、その後も偏見なくいろいろ観たり聴いたりする中で、「どうやら売れてるかどうかという軸ではなく、好きかそうでないかでいいんちゃう?」という感じになっていった。

 

その頃から人と感想を語り合うということも楽しくなっていった。

 

多くの人が知っているものが共通項になると、それだけいろんな人と話せる。
それがうれしいと思うようになった。
様々な角度から、様々な関心から、話を掘り下げることができる。

 

一方で、「どこでそんなの知るの?」「その切り口はなかった」というものを見つけたり思い出すのも相変わらず楽しい。

そこに注目してる人とマニアックな話して、一気に仲良くなれる感じも楽しい。

 

どちらも楽しい。どちらも豊かな広がりを持つ、この世界に在るもの。

思春期を抜けて、よかったよかった。宇多田ヒカルのおかげだ。

 

 

 

しかし宇多田ヒカルは、そういうわたしのどうでもいい拗らせの遥か彼方にいて、圧倒的に別格だった、ということに『Fantôme』が出てようやく気づいた(遅い)。

 

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こうして節目のライブに立会い(Blu-ray越しなのに立ち会ってる感がすごい)、

どれだけ彼女のつくる音楽や表現に救われてきたかと思う。

同時代を生きていることに感謝したい。

 

そして、

そこにいなかった人にも共有できるよう、撮りおさめてくれたことに感謝。

一緒に盛り上がってくれた友だちに感謝。

 

 

今回のアンコール最後の曲。これも大好き。

www.youtube.com

 

 


今後のイベント

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語るための映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』

2019年5月に公開されて以来話題。今も上映館が増え続ける『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』を観てきました。

 

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わたしにとっては、図書館(いちおう図書館司書資格保有者)、場をつくる・活かす、教育、知、映画を鑑賞する...など重要な面・キーワード・テーマをもった映画なので、すぐにでも行きたいところでしたが、重要なだけに自分の中で整う「準備」が必要でした。

ようやく調ったので行くことに。

 

そしてFacebookでこんな呼びかけをしました。

ようやく16(金)午後に恵比寿に観に行くことにしました。
どなたか終わってから60分がっつり話しませんか?
わたしはいくつか記事やインタビューやら読んで予習して行きます。
観ながらメモを取ります。
...というぐらいの熱量で前のめりに一緒に語ってくださる方だとうれしい。
少なくとも60分間はこの映画の感想しか話しません。

*主催イベントとかじゃないんで、好き勝手しゃべりまくります*

 ちょっとハードル高めの呼びかけでしたが、一人友人が食いついてくれて、終わってから語ることになりました。ありがたい。

 

観終わってやはり思ったけれど、これは語ることがセットでないと意味がない。
意味がないというとずいぶん強い言い方かな。。何を観たくて行くのかはその人によるから。

 

いや、でも、あえて言葉選ばず言っちゃうけど、これは語るための映画だ。

ただ観てるだけでは何も起こらない。ただ長いだけ。(3時間26分)

 

予告みたいにナレーションもついていないし、字幕でも説明がない。
前提は知らされずいろんな現場にどんどん放り込まれて、起こっていること、目撃していることを、つなぎあわせて、自分なりに解釈していくしかない。

わたしにとってはお能より高度な、なかなか他にない体験で、疲れたけど、それがまずおもしろかった。

 

(長尺については、METライブビューイングでいつも3時間、4時間のオペラを観ていて慣れているので、それほど苦には感じなかった。恵比寿ガーデンシネマの快適設備のおかげもある)

 

 

ありがたいことに、予習できるものはたくさんある。

番役に立ったのはこちら。

▼公開記念パネルディスカッション・ニューヨーク公共図書館と<図書館の未来>

moviola.jp

動画と抄録を合わせるとけっこうなボリュームで、じっくり見ていたのもあって2時間ぐらいかかった。でも、これのおかげでだいたいの前提がインプットされ、自分がこの映画に何を観たいのか、軸を持った状態で行けた。

目の前で起こっていることに集中でき、たくさん受け取ることができた。

 

 

わたしはこれを「予習」と呼んでいる。

映画を観て何かを自分なりの何かを受け取ったり見出したりすることが好きな人、
人の解釈を聞いても自分はたぶんまた別のものを観るだろうと切り分けられるぐらいに鑑賞の力が発達している人は、予習をしたほうがいい。

そしてもちろん復習(語る、ふりかえり)も。観てからこの記事を読むとなかなかすごい。「あ!わたしもそれ思ったー!」というところもある。

 

 

 

予習メモ。

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観ながらもメモをたくさんとった。こうしておくと後で話すときに印象に残ったところが思い出せる。観ると書くを両立するのは向き不向きがあると思うけれど、一度やってみるとおもしろい体験かも。

 

 

考えたこと、話したこと、まとまらない感想をいつものように五月雨式にメモ。

・10分休憩を挟んで3時間半、英語の会話を聞き続けていたので、自分が英語のグルーヴにのっていて、今ならべらべらしゃべれるんじゃないかという錯覚に陥った。

・ニューヨークに行って秋冬を過ごしている気分になる。実際にこの年末年始、ニューヨークに行って図書館を見学に行ってみたい。ビジターとして利用してみたい。(ついでにMETオペラも観たい)

・実にさまざまな種類の場を観ることができた。そこでわたしが観ていたのはやはり、場のしつらえ方や進め方、話し方。

・パブリックスピーチの文化の国なんだなとつくづく思う。タメがあり、盛り上がりがあり、押韻がある。リズム。詩。聞かせるねぇって感じ。

・会議にしてもレクチャーにしても、根底にあるのはスピーチ。会議では、議論も合意形成もしていない。スピーチという表現のし合いの中から決まることが決まっている(たぶん)。このスピーチを読み取るスキルというのが必要そう。

・レクチャーはスピーチを鑑賞している。そういうパフォーマンス。話すの苦手だからこういう文化ではわたし辛そう。。

・ホワイトボードのようなツール、つまり可視化して共有する道具も使わないから、ひたすらじっとスピーチを見聞きして、そこに流れている感情のエネルギーを汲み取るみたいなことになる。ファシリテーターもいない。意外だった。

・エモーショナルなほうが入ってくる、というのは、METライブビューイングをきっかけに感じていること。

・幹部会議が円卓で行われているのはよかった。

・どんなにしゃべりたくてうずうずしていても、必ず一人のスピーチが終わるのを待ってから次の人が挙手などして、スピーチを始める。途中から割り込んだり被せたりしない。話し方のルールがある。

・市民とのディスカッションの場では、図書館職員は「どっちでもない」ような曖昧で無責任な立場は取らない。マグロウヒル社の教科書の記述の件について、はっきりと「これはおかしい。間違っている。だから事実を伝えるために図書館がこういう資料を提供していて、そこに重要な役割がある」と述べる。

・「書庫から教育施設へ」。日本の図書館もこれをずっと目指してきている。この映画は、アメリカはよくて日本は遅れている、という話では全然ない。丁寧に作られた作品を観ることでこちら側が照らされる。何が照らされたのかを観て語る。現状を把握し、願いを分かち合い、具体的に行動に移していく。できることをはじめる。だから語る場が必要。よくてレクチャーがあるけど、それを聞いているだけではやはり個人の内面に止まるだけで、動かない。惜しい。語る場を。

・サッカーのFCバルセロナが«Más que un club»(クラブ以上の存在)と言っているけど、NYPLもそんな感じ。

・「寄付というのはわたしたちの企画に対する反応だから」

・「いずれ寄付者が企画を立てられるようにしていくことが、持続可能性」

・存在の目的が明確で共有されている。「誰のための、何のための」を事あるごとに、様々な人の口から繰り返し語られること。

・「民間から寄付が増えれば、必要性が無視できなくなって、市からの資金提供も増える」という発想に打ちのめされた。多分日本だったら、民間からの寄付があるんだから、公からは出さなくていいよね、となって削られそうではないか。

・個人として、ということと、その組織の一員として、ということが乖離していない。日本ならもっと「組織を代表しているので下手なこと言えないのでとりあえずあまり多くは語らない」というふうに動きそうなところを、「わたしはこの組織の一員で、わたしはこう考えてやってるわ」となる。言いたいことを言えていて見ていて気持ちがいい。

・やっぱりやるなら楽しくなくっちゃね!という自分の欲に正直。

・数学教室をひらいているある分館で、数学の貸し出しが伸びているという成果。指導方法が変わって混乱している親たちが数学の本を求めて図書館にきている。それに応えて蔵書を充実させたいというスタッフ。「助けを求める親たちを図書館は裏切れない」に涙が出た。使命感があり、応える力があることを信じている。あんなふうに働けたら幸せだ。「目的を忘れず一緒に実現していきましょう」と本館のリーダー。

・そもそもがこの組織は何を志向しているのか(目的は何か、大切なことは何か)ということの共有度が高い。それは例のスピーチによって、どういうレベルや単位の場でも繰り返し言われているからなんだと思う。上のほうで決まっているからよくわからないということもたくさんあるだろうが、何を目指しているかがぶれていないし、自分もそこに参加していることが求められている実感をもって働いているように見える。

・ずっと「政治の話」から離れていない。Political messageを持っていることは個人としても、館としても非常に大事なこと。

・冒頭の電話でのレファレンスのシーンからもう鷲掴み。たまらない。図書館はやっぱりレファレンスだよ。そこにこそ人間がいる意味があるし、その専門性はやはり重用されるべき。でも電話でもあんな丁寧なレファレンスしてくれるのはすごい。

・ピクチャーコレクション、見てみたい。「ジョゼフ・コーネルの箱シリーズの写真素材はほとんどここ」...そうそう!!そうだった!!!

・「どう活用すれば着想を得られるのか」それを教えてくれるのも司書。in order to meet your own inspiration, your own research

・編み物をしながら講演を聞いている人がいて、自由。というか、一人ひとり全然違う。肌の色も、顔立ちも、背格好も、ファッションも。民族的アイデンティティは一人ひとり持っているのだろうけれど、全然違うことが前提の環境。

・「孤立する人がいない、取り残される人がいないように」というフレーズが会議でなんども出てくる。主にデジタルやインターネットの環境について。そういえば図書館という場所は、一番だれでもいてもいい場所。そこで本を読んでいなくてもいてもいい。情報や知にアクセスすることは誰にでも保証されている。知りたいことを知ることができる。これは守り通さねばね。。

・とはいえ、図書館は社会福祉が役割ではないから、そういう困難に際している人、、映画の中では障害者の住宅問題などが挙がっていたが、それを担当する機関をセットで伝えるところも重要と思った。だから安心して一つの機関が専門性を発揮できるのか。

・ガルシア=マルケスの「コレラの時代の愛」の読書会のシーン。口の字になって一人ひとり感想を言っていく。これまたスピーチ的。その前の人の感想の一部にメンションして感想をいう人もいる。日本でやっている読書会と変わらない、、というか、こちらから日本に持ち込まれてきた、という感じか。

・調べ物にせよ、講演会にせよ、どういう人が、どういう動機できているのか、ただ映っているだけで、話しかける(インタビューする)わけでもないし、「その人が話すターン」のような場が映画の中に全然出てこないので、まったくわからない。知りたい。

・移民、奴隷制、黒人...についての会議やレクチャーやイベントが繰り返し出てくる。アメリカという国はそうやって自分たちの来し方がどのようであるか、どういう人々で成り立っている国なのかを繰り返し繰り返し、様々な側面から聞いたり、ふれる機会を持っている。それは自分たちをidentifyするためと、coexistの切実さがあるからなんだろうな。

・パーティとかやるの、すごくいい。きれいだし、それ用に誂えた場が用意されると気分も上がる。そしてスピーチでバシッと成果を報告し盛大にお祝いし、意義を示してくれて、大いに感謝される。わーお金出したいなって思うだろう。わたしもこれに貢献してるんだー!って気分になる。

・ああいう中で、「我々は必要な面倒事をすべき。継続しましょう。彼らが必要な面倒事ができるように」とか言われちゃうと、日々は大変でも、「しゃーないな、やるか!」って気になる。

・ホームレス利用者についての会議はもうちょっと聞いていたかった。どうやって全ての人を共存させるか。単なるひらかれた場からどう踏み込むか。

・会議で話されているのは常に予算、資金の話。資金集めに専門家がいる。仕事が細分化されていて、その人がヘッドハントされてくる。専門性、専門家、職能はすごく大事。一人の人がgeneralにいろんなことができるようになっていくようにするというような観点は見当たらない。

・税金60%、寄付40%で常に拮抗している安定しない状態が、よい経営を促しているように見える。市の動向をよく見て、そこと現場に接していて拾ってくる課題から実現したい図書館のサービスの拡充や願いを一致させられないか、虎視眈々と狙う。ストレスフルだけれども、ニーズがないところに投下するなどのズレがないし、実際に成果も出る。

・効果測定も専門家がいてやっている感じ。どういう指標をとるのか、どう評価するのか、どういう数字をピックアップして何を読み取るのか。

・館内の資金調達会のような成果報告会の中でもやはり、どんな成果が出たのかを示し、お祝いし、労い、讃え、感謝する。個々人の働きや手元の仕事が全体の中でどのような役割を担っているのかを示し続けている。その間はまたスピーチだけなんだけど、そういう場をつくることが働いている人にとっても、運営している人にとっても大切なのだと感じる。

・全体を通して「誇り」という言葉が浮かぶ。「世界の創造性とひらめきが当館の活動から生まれた」。あのように、「わたしの働いている図書館はこのように価値があり、地域に対してこのような貢献をしている、わたしたちは地域の課題に対して図書館としてできることがある」ということへの揺るぎない信頼。それをまた言葉にして分かち合う。儀礼的でなく感情と共に。

・図書館という題材を通して、ニューヨークというまちやアメリカという国の一側面を知り、また自分の暮らす東京のまちや、日本について、歴史について、自分自身が歩んできた人生について考えることができる映画。

・「物の作り方が人を定義する」プリーモ・レーヴィ

・日本でも今とても動いていると思うのは、声を上げやすくなったこと、人を気にせず表現しやすくなってきたこと。そして、意見の違いがあったときに、それとどうやっていくかという、市民としての成熟へのステップにある。その一つのわかりやすいものがSNS。今までなら見えなかった、違いが際立たないように調整していたところを、見てしまう。でも「嫌いなところもあるわたしの好きな友だち」。同じではないから線引きをしてもいいし、見ないようにミュートすることもできる。少し前なら罪悪感や嫉妬心を伴って傷ついていたことを、違って当たり前にしていっている。過程は痛みがあるかもしれないけれど、ここをやっていこう、とあらためて思う。

 

  

まだまだ、まだまだ語ったのだけれど、ともかく60分一本勝負で、ハンバーガーを食べながらしゃべりまくって大満足で帰宅した。

 

観た人には、とにかく語れ!表せ!と煽りたい。

映画の中でみんなそうしてたように!

 

 

 


▼NYPLの公式サイトとインスタグラム。

映画で切り取られていたのはごくごく一部、ある側面だったということと、
日々更新されている「現場」であることを感じる。

https://www.nypl.org/

ロケーションマップ(市内を網羅している分館)
https://www.nypl.org/locations/map

www.instagram.com

 

 

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今後のイベント

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のびのび、たのしい、いい気分《日本の素朴絵展》

三井記念美美術館で開催中の日本の素朴絵展に、息子と行ってきました。

 

大物の展覧会が群雄割拠な東京にあって、ぼーっとしてるとスルーしそうな展覧会。
でも今回は、大津絵の展示があると聞いて見逃せなかった!!
わたしは友だちと大津絵のポッドキャスト配信したぐらい好きなのです。

note.mu

 

 

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「美術」と聞くとつい「ファインアート」を思い浮かべてしまうけど、それって一部の上流階級のためのものや、それで生計を立てる職人や業界でしのぎを削るアーティストの発表のための作品。

庶民レベルではもっとのびのびした愉しみでもあったんじゃないか。

 美術って、もっと広くて深くて、そして人類の歴史と共に、誰にとっても身近で、日常の一部として好まれてきたものなんじゃないかな!!
…ということをガイドしてくれたように感じられた企画展でした。

 

日本が世界に誇る絵巻物という表現形式のはじまりが、奈良時代の、正式な美術教育を受けた人ではなく、ちょっと絵の上手いお坊さんだったんじゃないかという説は、なんだかよかった。

 


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洗練されていない、

整っていない、

完璧でない、

あやうい、

かわいい、

ゆるい、、

幸せな気分になったなぁ。

自分もむしょうに絵を描いたり、工作したくなった。

 


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子どもの頃、「御伽草子」や「宇治拾遺物語」が好きで、よく読んでいたから、あーこの世界観知ってる!という感じでうれしかった。

 

素朴絵といえば、大津絵もそうだし、白隠北斎漫画なんかも好きだったけど、今回の展覧会で知った、仙厓、南天棒、耳鳥斎もとってもいい。

 

かわいさを見るだけならモニター越しでもいい、かもしれないのだけど、本物が醸す、素早く的確で迷いない筆致や、墨や土や絵の具の匂いがしてきそうな野生の感じはぜひ行って観てみてほしいなぁ。

 

絵画だけでなく、素朴絵に至るルーツとしての土偶や神像、狛犬、そして素朴絵と並行して密かに発展していた仏像(円空や木喰)などは現代のKawaiiに続いていることがしみじみ確認される構成になっていました。

 

 

今さら聞けない(恥…)みたいなことも、丁寧に解説が掲示されていてよかった。学芸員さん、ありがとう。

美術館に入ったときの日本近代文学館並の重厚さや渋さの印象とぜんぜん違ってて、そのギャップがまたよかったです。

 

中学生以下の人は無料、付き添いの大人一人まで1300円→700円になります。とてもキッズフレンドリーな美術館でもある。夏休み中にぜひ。

 

お能の面や装束のコレクションも充実してたはずなので、そのときにまた来たいな〜 

 


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今後のイベント
▼2019年9月7日(土)
 『バグダッド・カフェ』でゆるっと話そう

▼2019年9月28日(土) あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会 満席
https://coubic.com/uminoie/979560

▼2019年10月1日(火) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356

 

鑑賞対話の場づくりコーディネーション・ファシリテーション

・<法人><団体>教育普及、広報宣伝などを担当されている方向け。
・映画、展覧会、書籍、舞台芸術など、鑑賞対話の場づくりのご依頼をお待ちしております。
・鑑賞者同士で話す場、専門家と非専門家が知を交換する場。お互いを尊重し、補完する対等性のある場。知の交流と学びの楽しさを集う人一人ひとりが感じる場です。
・企画・設計・ファシリテーション・集客サポート・レポートを担当します。
・参加者5名から100名程度まで。

お問い合わせはこちら


場づくりコンサルティング・個人セッション
・<個人><グループ>
・Zoom または 東京都内で対面
・30分¥5,400、60分 ¥10,800(税込)
・好きなもの・ことを共有する・考える・創る機会づくり
・読書会、勉強会などのイベントや講座。
・企画・設計・進行・宣伝のご相談のります。
・募集文の添削やフィードバック、ふりかえりの壁打ち相手にもどうぞ
お問い合わせはこちら

連載中 
『場づくりを成功させるための5つの鍵』(寺子屋学)
https://terakoyagaku.net/group/bazukuri/

 

《レポート》8/13 『人生フルーツ』でゆるっと話そう@シネマ・チュプキ・タバタ

シネマ・チュプキ・タバタで月に一度ひらいている「ゆるっと話そう」シリーズ第3回

 

「ゆるっと話そう」は、映画が終わってからの45分間の小さな場。

映画を観て帰る前に、
観た人同士、場内でちょこっと話していこ!

という気軽な企画です。

 

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今回も、まったく違うバックグラウンドをもった方々が、映画から受け取ったものを少しずつ見せてくださいました。


8回観て、この「ゆるっと話そう」のために劇場に足を運んでくださった方、
愛知出身で個人的なつながりを感じている方、
全然違う感想を同僚から聞いてきた方、
SNSで知人友人が絶賛しているのを観てきた方、
語る場があるからここで観ようと思ったと来てくださった方、、、

この日のこの顔ぶれだからこその対話が、ゆっくりとすすんでいきました。


表現にふれて、自分の中に生まれる感想には、優劣も正誤もない。
安心安全に出せるように、場を守るのがわたしの仕事です。

 

 

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キーワードは「時間」だったように思います。

すぐにはわからないことも、ずっと先を見て、コツコツと重ねていくことについての話が、話題を変えて何度も出てきました。
最後は、「やはり土を触っているほうがいいんだろうか?」という問いかけからはじまった対話で終了しました。

どれだけ盛り上がっていても45分で終わるルール。
話したりないくらいがちょうどよくて、続きは自分の中で、あるいは他に観た方と。

 

この映画に出会えてよかった、
この映画館に来られてよかった、
この話ができてよかった、

感想を話す、表現の楽しさがつながっていきますように。

 

いつか終わるそのときまで。
みーんなみんな、人生フルーツ(Life is fruity)。

 

 

ご参加くださった方、ご関心をお寄せくださった方、ありがとうございました!

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次回は9/7(土)19:00-19:45 『バグダッド・カフェ』でゆるっと話そう、です。

ご参加お待ちしております。映画の席のご予約はこちらから ↓ ↓ ↓

chupki.jpn.org

 

 

 

Information
鑑賞対話ファシリテーターにご相談ください。

企業や団体で教育普及、広報宣伝などを担当されている方向け。
映画、展覧会、書籍、舞台芸術など、鑑賞対話の場づくりのご依頼をお待ちしております。
鑑賞者同士で話す場、専門家と非専門家が知を交換する場。お互いを尊重し、補完する対等性のある場。知の交流と学びの楽しさを集う人一人ひとりが感じる場です。
企画・設計・ファシリテーション・集客サポート・レポートを担当します。
参加者5名から100名程度まで。

お問い合わせはこちらへお願いいたします。

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今後のイベント
▼2019年9月7日(土)
 (田端) 『バグダッド・カフェ』でゆるっと話そう

▼2019年9月28日(土)あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会 満席
https://coubic.com/uminoie/979560

▼2019年10月1日(火) (横浜) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356

 


場づくりコンサルティング・個人セッション
・Zoom または 東京都内で対面
・30分¥5,400、60分 ¥10,800(税込)
・自分の好きなもの、好きなことをみんなにシェアする、みんなで愛でる会、読書会、勉強会などのイベントや講座。
・企画・設計・進行・宣伝のご相談のります。
・募集文の添削やフィードバック、ふりかえりの壁打ち相手にもどうぞ。http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/02/18/150805


連載中 
『場づくりを成功させるための5つの鍵』(寺子屋学)
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60分で気づけること〜場づくりコンサルティングのご感想より

場づくりコンサルティングで、個人の場づくりのふりかえりをお手伝いしました。


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クライアントは、シドニーにお住まいの日本人のともみさん。
日本から講師を招いて講座を開催。6日間で7本の講座を実施。対象は日本人。
・やってよかったこと、難しかったこと、もっとこうしたらよかったと思うこと
・これをやってみての今の気持ち・今後やっていきたいこと
を中心に話を聴いていきました。
Zoom(テレビ会議アプリ)を利用して60分でした。

 

ともみさんが、場づくりセッションの効用と、そう考えるに至ったプロセスについてまとめてくださいました。了解を得て掲載いたします。

 


《場づくりセッションの効用》

● コンサルしてもらう、並走してくれる人がいるほうが楽しい。
● セッションの内容は、イベントや集客に使える知識にとどまらず、自分のライフワークや自分がなにをしたくてこれをやっているのか、とか、自分が優先する価値観、自分の軸など本質的、根本的なことを見つめられるので、セッションで得た自分に対する認知や視点を一生使えるものとして昇華することができる。
● 自分の軸が決まることによって、告知文、人に一言で説明して、と言われたときに説明しやすくなる。自分がやっていることが自分そのものである、という自己一致の感覚がつかめる。
● そしてなにより、イベントや講座、告知、宣伝などが楽しく出来るようになるばかりか、もっとやりたくなってやみつきになる。

 

「みんなイベントをやればいいのに」と「みんな聖子さんにセッションしてもらえばいいのに」を統合して、「みんなやればいいのに」と言いたい(笑)!!

 

ありがたいお言葉!

ともみさんが素晴らしいのは、セッションの前に一人ふりかえりをやってらっしゃったことでした。

 

《Tさんがセッション前にしたこと》 
Facebookで投稿した告知文を今後のために保存しておこうとWordファイルにコピペ(この時読み返してすでに改善点たっぷり...)

ポストイット
・自分の街で場を開いてみた経験
・イベント後の反省と気づき
という切り口で思いつくまま書きなぐる。
・出たキーワードをつかって、さらにマンダラチャートに項目別に整理。

●聖子さんから来た「セッションメモ」にメモ書きしながら、再度振り返る。


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これを一人でやれる力、、もう才能としか言いようがありません。 

この十分な準備をしてくださっていたので、セッションはその辿り直しになるのかと思いきや.....?!

 

 《セッションを終えての感想》

●セッション前にかなり棚卸ししたつもりでしたが、書いただけだとまだ両手に持っている感じ。身体から離れていなくて、反省点もたくさんあって重苦しい。これを一旦、人に話して放すことで、その経験が自分の血肉、体の一部になった感覚があった。もう抱えていなくてよくなって身軽になった。

●聖子さんが、私が光をあてていなかったところや、言及し足りていないところを「これについては?」と訊いてくれた。それに答えているうちに見えてくるものがある。

●第三者の視点、しかも場作りのプロならではの視点で訊いてくれることや、わたしが言ったことを「こういうこと?」とまとめてくれることで、「あ、そういう体験だったんだ」とか、「ここをこうすればよかったんだ」という、自分で書いたことよりもっと奥のことや、自分の精神性や、在り方まで見つめられた。

●「なんのためにオーガナイズしていたのか」がクリアになった。

●もっと早い段階で聖子さんと途中の振り返りをやっていたら、告知文が変わっていただろうし、もっと伝えたいことがあったかも。(もっと言ったら一番最初に企画が始まった時点でコンサルしてもらっていたら結果が大きく違っただろうなぁ)。

●この残念な気持ちを十分味わったら一歩進んで「もう一回やりたい、もっとイベントやってみたい」と宣伝に対するリベンジとイベント中の楽しかった気持ちを思い出してウキウキしてきた。


このプロセスを経たので、「イベント、集客、告知、対話などをみんなやればいいのに」という聖子さんの名言に深くうなづくわたしでした。

 

ぜひ告知前、場づくり、イベント前に聖子さんにご相談してみてください。
きっといい時間になるし、イベントやったり告知文を書くのが楽しくなります!


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ともみさんが書いてくださっているように、自覚的でないところを聴いていったときに、ご本人の中に発見や一貫性が生まれます。

 

▼わたしがセッション中にとっていたメモ
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自分はなぜ場をひらくのか。
自分にとってその経験はなんだったのか。
場づくりに特化して聴くプロの伴走で、しっかりと言葉にできて、腑に落ちると、次への一歩がまた自然と出ていきます。

 

お話している時間は60分間ですが、前後も含め、気づけることってたくさんある。
そういう機会を提供させていただいているのだな、とあらためて思いました。

 

ともみさん、セッションでお話を聴かせていただき、熱いご推薦もいただき、ほんとうにありがとうございました!^^

 

▼場づくりコンサルティング・個人セッション承ります。
・Zoom または 東京都内で対面
・30分¥5,400、60分 ¥10,800(税込)
・自分の好きなもの、好きなことをみんなにシェアする、みんなで愛でる会、読書会、勉強会などのイベントや講座。
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Information

▼2019年8月13日(火)
 (田端) 『人生フルーツ』でゆるっと話そう
http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/08/04/180649

▼2019年9月28日(土)あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会 満席
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▼2019年10月1日(火) (横浜) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
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▼連載中 『場づくりを成功させるための5つの鍵』(寺子屋学)
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《お知らせ》9/28(土) あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会

*8/8現在、満席になってしまったのですが、記録のためにポストします。

 

 

9/28(土) あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会

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いじめをされたわたし、
いじめをしたわたし、
いじめを観て楽しんだわたし、
いじめを見ないふりをしたわたし...
誰にでもきっと関係がある、《いじめ》というテーマを扱う読書会です。


いじめを受けた経験を持つ、ある少年の物語を読みながら、
あの頃の《わたし》に会いに行ってみませんか?
大人になった今のわたしだからこそわかることや、
物語の感想を通してだからこそ話せることがあるかもしれません。
また、みんなの感想を聴くことから、気づくこと、
日常に持ち帰れることが見つかるかもしれません。


当日は、稲葉真弓の『かかしの旅』という短編小説を取り上げ、
コピーを配布してその場で分担して読みます。
読書時間はゆっくりの方にも十分な時間をとりますので、ご安心ください。
著作権保護のため、コピーは終了後に回収します。


事前に読んでくる方は、『いじめの時間』(新潮社)というアンソロジーに収められていますので、
図書館や書店で探してみてください。単行本と新潮文庫からも出ています。


挨拶→ 担当分け→ 読書の時間→ 担当部分の内容シェア→ 感想トーク→ ふりかえり
の流れで、読書会のプロ、鑑賞対話ファシリテーターが進めます。
読書会がはじめてでも安心してご参加ください。
感想も、話したくないことは話さなくて大丈夫です。
ご参加、お待ちしております。


---詳細---

 

■日 時:2019年9月28日(土)10:00-12:00

 

■会 場:NPO法人Umiのいえ http://www.uminoie.org


■対 象:いじめをテーマにした物語をみんなで読んで、感想を話し合ってみたい方。
     読書会がはじめての方大歓迎。
     ハイハイ前のお子さんは同伴可。

■参加費:3,800円(税込)当日現金でお支払いください。

■定 員:6名  *3名以上で開催とさせていただきます!


★★★正式申し込みはこちらから★★

https://bit.ly/2YCnI7Z




■キャンセルについて:
2日前までのキャンセル -->無料   
前日のキャンセル -->参加費の50%   
当日のキャンセル-->参加費の100%   
をお支払いいただきます。


ファシリテーター:舟之川聖子(ふなのかわ・せいこ)
鑑賞対話ファシリテーター。場づくりコンサルタント
芸術や文化を発信する作家や施設、届け手と共に、作品と対話を中心とした新しい鑑賞体験の場をつくることを通して、表現は人間にとって生きる上で不可欠なものであり、希望となることを伝えている。また、読書会のつくり方講座や場づくり講座、コンサルティングサービスを通して、場をつくりたい人のサポートもしている。

・Umiのいえにて『爽やかな集中感 競技かるた体験会』を開講中
https://coubic.com/uminoie/174356

寺子屋学にて『場づくりを成功させるための5つの鍵』を連載中。https://terakoyagaku.net/group/bazukuri/

・過去の読書会
 ・『夜と霧』を読む会
 ・『いのちを”つくって”もいいですか?』読書会
 ・『あさきゆめみし』を語る会
 ・『CIPHER』を語る会
 ・大人のための『おしいれのぼうけん』読書会
 ・こくごのじかん読書会『シッダールタ』
 ・そういえばギリシャ神話ってなんだっけ?の会
 ・積読本をひらく読書会 ほか

Blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp/
Twitter: https://twitter.com/seikofunanok
note: https://note.mu/hitotobi
HP: http://hitotobi.strikingly.com/
★お問い合わせ:https://ssl.form-mailer.jp/fms/97f33a63303170

 

 

このお知らせを出したあとに、開催についての思いを、Umiのいえの女将・斎藤麻紀子さんとお話ししました。

読書会とは、当日の進め方、いじめと親子関係...などなど。ぜひご覧ください。

youtu.be

 

 

 

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▼2019年8月13日(火)
 (田端) 『人生フルーツ』でゆるっと話そう
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▼2019年9月28日(土)あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会 満席
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▼連載中 『場づくりを成功させるための5つの鍵』(寺子屋学)
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【おすすめ書籍紹介】会議でのファシリテーションの基本を抑えるならこの一冊

場づくりの仕事をしていて、

ファシリテーションやワークショップ・デザイン、場づくりを学ぶのによい本はありますか?

とよく聞かれるので、ちょいちょいご紹介していこうと思います。

 

 

まずは、こちらから。

「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本
釘山健一著(すばる舎


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ファシリテーターは会議の場にだけいるわけではなく、
ファシリテーションは会議のときだけ発揮されるスキルではないので、
「特定の場におけるファシリテーションについて説明している本」という意味で(おそらく)、「会議ファシリテーション」という言葉が使われています。

 

会議は、「参加者の合意を得ながら結論を出す場」と定義されていて、

議論と合意形成のためのファシリテーションを扱っています。

 

 

会議のファシリテーションに興味をもった人が自然な流れで読んでいけるような構成と、講演を聞いているようなライブ感あふれる文章で進んでいきます。

 

何を大切にして、どう進めればいいのか。

とても具体的です。基本が抑えられます。

 

参加者だったときに見ていた景色とそのときの違和感を思い出させながら、
ファシリテーター側に回って技術を使ってみることで見える景色を見せる。
その変化を感じ取ることが大切。

読み進めていくうちに、「なぜ今までの会議はうまくいかなかったのか」が、自分の言葉で口にできるようであれば、その人はファシリテーターの役割を引き受ける準備ができている、とわたしは思います。

この本でなにより秀逸だとわたしが思うのは、シンプルな図解。

一見なんでもないように思える解説も、太ゴシックの文字とピクトグラムで表し直されると、スッと頭にはいってきます。

ホワイトボードの使い方は、今まで見た本や教授法の中で一番わかりやすいです。

 

「教える」「伝える」ときに、このぐらいのわかりやすさをわたしも心がけたい。

 

 

ひらかれる意味があって、目的がはっきりしていて、

自由闊達な雰囲気があって、よい意見がたくさん出て、

決めるところは決めて、決まったことに一人ひとりの納得があって、

誰がこの場を預かっているのか明らかで、自分が参加する意義が感じられる......。

 

そういう会議をしたい方におすすめです。

 

 

これからいろんな場をひらいていきたい人にとっても、「会議」という言葉にとらわれずに読んでみると、使える基本的な技術がたくさん載っています。

 

なんとなくやっていたことも「ファシリテーション」だったんだ!と確認できるので、自分のひらく場に自信をもって臨むこともできます。

 

 

またちょいちょい紹介していきます。

 

 

Information

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受け継ぐ物語〜松方コレクション展とモダン・ウーマン展

金曜・土曜は夜間開館!

国立西洋美術館で開催中の松方コレクション展モダン・ウーマン展に行ってきました。それと常設展ももちろん。


常設だけでも豪華すぎるほどの美術館なのに、これら全部を観たらもう...
たっぷり3時間半かかりました。今回はスケッチはほぼしなかったのにこの時間...。

 

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うわさ通り、期待に違わず、素晴らしかった。

 

松方コレクションは、国立西洋美術館の所蔵品の中核を成すコレクション。
これがあったからこそこの美術館は生まれた、ということだけふんわりと知っていましたが、背景にこんなにも波乱万丈な物語があったとは!

 

散逸していたものも含め、90年ぶりに初めて一同に会する作品たちを愛おしむ。
開館60周年の節目にふさわしい企画でした。
作品たちの所蔵先である海外の美術館とのやり取りの中でも、その意義が何度も語られたことではないかと想像します。


ただポスターだけ見ると、「ああ、またモネの睡蓮か...」と思っちゃいそうだったけど、この睡蓮は重みが違うのだねぇ。
常設で観てきたあの絵やこの絵が、この日ばかりは「松方コレクションの一員なんだ」と、また違う輝きをもってそこに置かれていました。

 

思えばこれらの作品が、当時のコンテンポラリーだったのだよなぁ。
その最先端にいた松方幸次郎さんや、同行した方々にとって、それはそれは大きな刺激だったことでしょう。

そして、海の向こうには、こんなふうに世界を視る人、捉える人、表現する人たちがいるのだよと、紹介しようとした。

財を投げうって、なんとか日本の芸術文化の発展のために、西洋を理解するために、交流の相手を知るために、西洋美術を集めた美術館をつくりたいと、「豪快に名作の数々を買い上げた」松方さん。
他にもいろいろ裏話はあるでしょうけれど。

おかげでわたしはこうして楽しませていただいて、人生に希望をもって生きています。ありがとう。

 

松方さんの父性に包まれつつ、当時とはまた別の方向へすっかり「貧しく」なってしまった我々に、「この遺産をどう継ぐのか?」と問われているように感じました。

ずっしり。

 

 

 

これからご覧になる方には、ぜひ遠くを観られる双眼鏡を持っていかれるとよいかと。少し高いところに配置されている作品があります。
わたしは聞いていたのに忘れてしまった...。

そろそろ単眼鏡もほしいなぁ。
と思ったら青い日記帳のTakさんが書いてらっしゃいますね。

単眼鏡による「松方コレクション展」美術鑑賞術| ケンコー・トキナー

これほしい...>

今年こそ単眼鏡デビュー! | 青い日記帳

 

 

だいぶ前に購入したポストカード。右下の「母と子(フェドー夫人と子どもたち)」が好きだから、本物を間近で見られてうれしかった。ほんとうに美しい人でした。

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ついつい買ってしまった、考える人付箋。

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そしてこちらも、とっても楽しみにしていたモダン・ウーマン展。

bijutsutecho.com

 

ちょうど一昨年(2017年)に、フィンランドという国ができて、たったの100年だと知ってとても驚いたのだけれど、今回は、19世紀半ばにはもうフィンランド最初の美術学校が設立されていると知って、驚いた。

そこで才能を開花させた女性たちは、パリの、アカデミー・ジュリアンやアカデミー・コラロッシに留学することができて、研鑽を積んだのちに、フィンランドに戻ってからも画家として生きていくことができたと。

 

翻って、東京美術学校が設立されたのが1887年。男性のみ受け入れ。女性の受け入れがはじまったのはいつだろう。まだ詳しく調べられていないけれど、フィンランドほどには、女性が画業を志せる環境にはなかったのではないかと思う。小倉遊亀さんのことを今ふと思い出すと。

 

世界の中で見ても、女性の芸術家はいたはずなのに、音楽にせよ、演劇にせよ、文学にせよ、美術にせよ、歴史に名前が残り、作品が残っているのは、圧倒的に男性。

そして現在も不均衡があると言い、それを解消するという意図を、現在開催中の「あいちトリエンナーレ」は組み込んでいるそうだ。

「ジェンダー平等は美術界の国際的潮流になる」。津田大介が語るあいちトリエンナーレ2019のジェンダー平等|MAGAZINE | 美術手帖

 

なんの疑問も持たずに生きてきたけれど、ここにきて、もう少し詳しく知りたいなと思っている。
何かを糾弾したいのではなくて、どうであったのか、なぜなのかを知りたい。

今を、これからを語るために。つくるために。

 

モダン・ウーマン展は、好きな絵がいっぱいあって、じっくり時間をかけて観て、うれしくなりながらも、複雑だった。


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一昨年同じフロアで開催されていた、「スケーエン デンマークの芸術家村」展のことを思い出して、なんとなく2冊並べて置いてみました。
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▼夜間開館の案内はこちらに。夏の夜をお楽しみください♪

ご利用案内|国立西洋美術館

 



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Information

◆場づくりご相談ください。
・読書会、勉強会、上映会、体験講座などのイベント、ワークショップ、講座、会議
・自分の好きなもの、好きなことをみんなにシェアする、みんなで愛でる会
・企画・設計・進行・宣伝・告知文の添削フィードバックのご相談承ります。
・個別セッション 30分¥5,400/60分¥10,800(税込) 
・Zoomまたは東京都内対面にて。

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《お知らせ》8/13(火)『人生フルーツ』でゆるっと話そう@シネマ・チュプキ・タバタ

シネマ・チュプキ・タバタでひらく
ゆるっと話そうシリーズ第3回
『人生フルーツ』

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8月13日(火)20:35(終映後)〜21:20
参加費無料、予約不要
当日映画を観る方は、こちらで席のご予約がおすすめです。

2019年8月1日(木)~16日(金)『人生フルーツ』

 

 

 
映画を観終わって、 誰かとむしょうに感想を話したくなっちゃったこと、ありませんか?
印象に残ったシーンや登場人物、ストーリー展開から感じたことや考えたこと、思い出したこと。
他の人はどんな感想を持ったのかも、聞いてみたい。

「ゆるっと話そう」は、上映後に観た人同士が感想を交わし合う45分のトークタイムです。
帰る前にちょこっと、ゆるっと話していきませんか?
別の日に観た方もぜひご参加ください。

第3回は『人生フルーツ』をピックアップ。
ポスターからのかわいらしさ、「丁寧な暮らし」や「ほっこりほのぼの」とは真逆のずっしり重くて強い力のある本作。
チュプキの8月のテーマ「万有・生命の誕生・根源・繋がりを見つめる壮大な世界」の中で観る「人生フルーツ」は、どんな味わいでしょう?

はじめて会う人同士でも気楽に話せるよう、ファシリテーターが進行します。
どなたでもお気軽にどうぞ!


---詳 細---

日 時:2019年8月13日(火)20:35(終映後)〜21:20
参加費:無料
予 約:不要
対 象:『人生フルーツ』を観た方。別の日に観た方も大歓迎!観ていない方も内容を知るのがOKなら大歓迎!
会 場:劇場内

レポート:
第2回「勝手にふるえてろ
http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/07/16/160948
第1回「沈没家族」
http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/06/30/143407


進行:舟之川聖子(鑑賞対話ファシリテーター
twitter: https://twitter.com/seikofunanok
blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

2017年に観た時のわたしの感想です。今観たら違うことを思いそう。
当時はあまり誰とも感想を交わさなかったので、今回のゆるっと話そうが楽しみです。

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《連載UP》分かち合うための表現を鍛えよう〜場づくりを成功させる5つの鍵

地域に貢献するお寺運営に取り組む、
住職・副住職向けのウェブマガジン「寺子屋學」で連載してます。

6本目の記事がUPされました。

terakoyagaku.net

 

 

人が参加を判断するのって瞬時。

 

しかしその瞬間で、実にいろいろなものを受け取って総合的に判断しています。
単に「○○をします」だけでは、○○に興味があるかないかで判断されてしまう。


ではどうすれば?


分かち合うための表現について、考えてみませんか?という回。

 

 

-どんな思いで場を開いたのか、
-どんな方に来てほしいのか、
-参加することでどんなものを持ち帰ってほしいのか。
を伝えてみてはいかが。

 

それは参加者側から見たら、
-どんな人がひらいているのか、
-自分は対象者なのか、自分に関係があるか、
-場でどんないい体験ができそうか。
になります。

 

わざわざ言うことじゃないし…
普通わかるから…
文章書けないし… という方も、ぜひ挑戦してほしいです。

 

「集客10倍!」みたいな威勢のいいことは書いていません。
でも、人と人との間に関係が生まれる、じわじわと温かく、命の長いものの話を書きました。

 


個別相談、場づくり講座のご依頼もお待ちしてます。

 

 

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『りぼん展』に行ってきた

新宿タカシマヤで28日まで開催中の「りぼん展」に行ってきました。

www.ribon-ten.com

 

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写真はおすそ分けのつもりだけど、年代的に偏ってます。
関わりの深くない作品は、撮っていないです。ご容赦ください。

......と書いてみて、やっぱりこういうものは、思い入れがないと全然見られないのだなぁー...ということがわかりました。

「自分に関係ある」とか「関係ない」ってどういうことなんだろうとしょっちゅう思うし、「どう関係してもらうか」が仕事だから、非常に興味があります。

 

 

2016年にあったLaLa原画展もたいっへんによかったのだけれど、りぼんは最初に買った漫画雑誌だったから、やはり特別でした。思い出が押し寄せてきてボーッとしながら見てました。

 

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周りで見てる人の話が聞こえてくるのが、漫画展のほっこりするところ。
心の中で、「そうそう、読んじゃうともう次号が待ちきれないよね!」「あー、全プレ、、切手をかき集めて送ったよね!」とかニヤニヤしながら同意するわたし。

 

しかし...今見ると、
恋愛になるのは男の子と女の子とか、
女の子は男の子に守ってもらうとか、
お前を「もらいにいく」とか(お前って呼び方なんだよ…)、
料理やお菓子作りができるのが女の子らしさとか、
女の子は胸いっぱいになると涙ぐむとか……。

そういう時代だったんだなぁ。

もやもやするのは、やっぱり影響をモロに受けていたから。
しんどかったなぁ、ここから抜けるの…。

 

そういう中にあって、
さくらももこ先生の「ちびまる子ちゃん」、
一条ゆかり先生の「有閑倶楽部」、
岡田あーみん先生の「お父さんは心配症」「ルナティック雑技団」は、
恋にドキドキするのと、俗でアホにゲラゲラ笑うのと、男も女も関係なくカッコいいのが同じ子の中に同居してる感じを、自然に肯定してくれていたのかもしれない。

 

一条ゆかり先生の画業の中でのりぼんとは、についてのインタビューが会場で流れていたりしたので、去年の秋に行った一条ゆかり展のことも思い出しました。

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250万部突破!と表紙に書いてたり、250万乙女とかよく呼びかけられてて、その数字の意味するところはいまいちわかってなかったけど、今考えるとすごいことだ。

 

こう懐かしがっている一方で、今の漫画市場はもうきっと全然違っているんだろうなぁ。発行部数って紙以外のもカウントに入ってるのかな。りぼんのような登竜門みたいな媒体は、今はどうなってるんだろう。描いてもどこで出すのかというのは、プロでやっていく漫画家さんにとって大きな問題なんだろうな…などつらつら考えました。

 

高島屋自体がひさしぶり。同じフロアに祈祷室があるのに気づいたり。
新宿駅南口が「天気の子口」になってたり。

 

ボーッとしながら帰りました。

 

 

 

ああ、そうだ、わたしにとっては、りぼんと言えば、谷川史子先生も外せない!
今回のりぼん展にはなかったですが。この原画展もほんとうによかったです。

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ありがとうLaLa!ありがとうCIPHER!(2016年のLaLa展より)

きのうりぼん展に行ったときに、そういえば一昨年ぐらいにLaLa展があったなぁと思い出しました。

ブログの記事にはしていなかったので、遅ればせながら記録しておきます。

 

(2018.8.2)
きのうLaLa原画展に行ってきました。漫画の原画ってこんなに美しいんだってことにまず感動。「次号はなんと巻頭カラー!!」って言われても、あの頃は「あ、そーなんだ。きれいだね、うん」ぐらいにしか思ってなかった。こんなありがたみのあるものだとは

漫画の担当さんいいな…。

成田美奈子先生と清水玲子先生がやっぱわたしの中では、美しいってこれだぁ~!みたいな感覚をゆっさゆっさとされました。

もちろん、懐かしいなオイ!!って気持ちも爆発して、「エイリアン通り」「荒野の天使ども」「Z -ツェット」の前で、うわーぎゃーとか声もれてたけど、隣の人も涙ぐんでたり、友だち同士できゃあきゃあ言ってたりしてて、あーいいよね、こういうのね。姉を連れてきてわぁわぁ言いたかったな。

一番好きだったCIPHERもそうだし、シニカル・ヒステリー・アワーもだし、大島弓子綿の国星とか、なんか80年代のLaLaは、すっごい自由だった。現実世界では、小学校高学年から中学生で、友人関係だの、勉強だの、家庭のごたごただのがキツかったわたしにとって、すごくありがたい存在でした。

あらためて、ありがとう、LaLa。今は「夏目友人帳」しかわかんないけど、これからもがんばってください!

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ということがありまして。


LaLa展にあまりに心揺さぶられたので、成田美名子先生の「CIPHER」を一気読みして、語る会をやったのでした。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

これ、ほんとやってよかったなぁ。

アニスは、それまでの「少女漫画」の枠では見たことがないキャラクターだった。

「アイドル」にきゃあきゃあ言ってる彼女の周りの女の子たちと違って、サイファともシヴァとも、人間として付き合っていたし、自分の考えをもっていて素敵だと思った。

本の学校とあまりにも違う、大人扱いされている感じ。

自分が選択してよいという自由。選択しなければならないというシビアさ。

親子関係の対等さもまぶしかったなぁ。NYという設定も、とにかく何もかもが遠くて眩しくて憧れだった。

 

今も大好きな漫画です。

 

 

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見える、見えない、見るとは

シネマ・チュプキ・タバタで、音声ガイド付きで映画を観ていて、これは新しいエンタメだ!と思ったことをここに書きました。

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それ以来、「音声ガイド」と見聞きすると、ぴこーん♪とアンテナが立つようになってきました。この舞台もそのうちの一つ。

 

美術手帖の記事

bijutsutecho.com

 

 

▼過去の上演作の記録映像。これを見るだけでもすごくおもしろい。

otodemiru.net

 

 

実際に生で体感してみるとまた全然違う感じがするだろうと思います。

わたしは観に行けないのですが、ご案内だけ。

 


↓↓申し込み方法はこちらにあります↓↓

www.kaat.jp

 

 

池袋のあうるスポットでも、視覚や聴覚障害とダンスというテーマで、いろんな企画があります。

www.cinra.net

 

www.britishcouncil.jp

 

この本もおもしろかったです。当たり前になっている感覚「見る」「見える」を言語化してみるとこういうことになるのか!と読んでいるだけで、するするするとしてくる。
「目の見えない人は世界をどう見ているのか」伊藤亜紗著(光文社)

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この本の中に出てくる美術鑑賞のワークショップを主催しているグループです。
視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ

https://www.facebook.com/kanshows

 

 

わたしがなんとなく気になってきた見える、見えない、見るとは、についての情報のようなものを集めてみました。

 

 

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