早稲田松竹でのアニエス・ヴァルダを観たのに続き、横浜シネマリンに巡回していた〈特集カンヌ国際映画祭とフランスの女性監督たち〉のアニエス・ヴァルダの3作品を観てきた。はじめての横浜シネマリン。映画の舞台になっているロサンジェルスのダウンタウンの雰囲気と近い。
『ブラックパンサーズ』(1968)
『壁画・壁画たち』(1980)
『ドキュモントゥール』(1981)
この3作品は、テーマがどれも違うが、『顔たち、ところどころ』のエッセンスを感じる。
アメリカという地に来ても、やはりアニエスが関心を寄せるのは、現実に生きている人の生活で、現実の人間関係で、その人を特徴付ける何かなのだと感じる。
▼壁画で思い出した、サルデーニャ、オルゴーゾロ村の壁画。
・マイノリティの歴史
・男性による男性の搾取
・告発、ストライキ、困難、夢、発明、インスピレーション、苦痛と不安、思想、歴史
・「標識とゴミしかない。美が必要。良いアートに飢えている」
ロサンジェルスの壁画は今はどうなっているのだろうか?と
〈mural los angeles〉でGoogle画像検索してみたら、たくさん出てきた!
また2006年と少し前だが、研究紀要も見つけた。映画の中でも触れられていたメキシコ系住民との関連について特に詳しく触れられている。
https://core.ac.uk/download/pdf/15921011.pdf (PDF)
▼ブラックパンサーズに関するページ。動画もある。
・「拳をかため、ダンスする」
・「攻撃はしないが、身は守る」
・「丸腰なのに、撃たれた」
・「本を持てるようにしてほしい」「執筆は気をつけないと取り上げられる」
・「黒人コミュニティについて学べば、自分たちで行動を起こすようになる」
・「ナチュラルだと誇りが持てる」
▼ドキュモントゥール
・喪失の悲しみがひたひたと押し寄せてくる。やるせない気分
・郊外のキラキラしていないロサンジェルス。移民が多く、貧困やDVなども垣間見る。
・母と息子の組み合わせは、まるで自分のことのようでえぐられる。「ママと一緒に寝たい」と息子が言うのを頑なに「一人で寝て」と言ったり、学校からの帰宅に合わせて帰宅できなかったときの(物思いに耽っていたため)息子の反応など、あるあるならぬ、あったあった。
映画を観たら、また読み返したくなる、『シモーヌ』
来週(2021/8/15)発売になるらしい書籍!