ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

映画『パブリック 図書館の奇跡』鑑賞記録

2020年8月。

 

映画『パブリック 図書館の奇跡』を観てきた。

longride.jp

 

Choose Life Projectの配信で知って。

eigajoho.com

www.youtube.com

 

 

薬物やアルコールの依存症、失業、貧困、人種差別。まるで2018年の作品だがBLMを予見していたかのような。いや、アメリカはいつだってこの問題を抱えてきたんだ。

 

Make Some Noise!(声を上げろ)のシーンが心に残る。それはある人にとってはNoise、でもある人にとっては自分の生存と尊厳をかけた魂の叫び。

 

人種に限らない差別と偏見もある。一つひとつのセリフの向こうに、現代社会の抱える苦悩が顔をのぞかせる。どれも複合的。 でも、たとえろくでもない結果が待っているとしても、自分の尊厳のために何をするかは自分が選べる。 愛とユーモア、アートとのコンタクト。

 

図書館司書の資格をとる勉強をしていたとき、利用者個人の権利と益を守ることについて、叩き込まれた記憶がある。座学だったんだけど、ほんとうに大事なことだと受け取っていた。「図書館の自由に関する宣言」も暗記するように言われた。民主主義の砦。知にアクセスする権利。

 

「理解できるように説明しろ」との要請に、もはやアートの“ことば”でしか届かないということはある。一見何を言っているのかわからないような表現になる外ないんだけど、ものっすごい本質だったりする。 現実を知った市民は、今後どう行動し何を選択するのか。観る者にも問うようなラスト。

 

そういえば『エクスリブリス ニューヨーク公共図書館』で、ホームレスの人の利用について議論するシーンがあった。対応について結論は出ていなかった記憶がある。 「個人の権利と他の利用者の権利」か。場づくりでも出てくるテーマ。

人間が違うから決まった答えがあるわけではない。

 

 

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