ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

映画『RBG 最強の85才』鑑賞記録

映画『RBG 最強の85才』を観た。

 

弁護士としても多くの性差別訴訟を手がけ、60歳で史上2人目となるアメリ最高裁判事に就任し、2020年9月18日に死去するまで27年間、その職を全うした。リベラル派を代表する存在で、絶大なる支持を得ていたルース・ベイダー・ギンズバーグの人となりと人生に迫ったドキュメンタリー。映画は2018年制作。

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観るまではしょっちゅう、RGB、RBG、どっちだっけ?

違う違う、RGBは色指定するときの表記だ、だからRBG......などと脳内でぶつぶつやっていたが、これからはもう間違えない。

RBG!ルース・ベイダー・ギンズバーグ!この名前がしっかりとわたしの中に刻まれた。

 

わたしがRBGについて知ったのは、この映画が公開になった頃か、直近のアメリカ大統領選挙の少し前ぐらい。恥ずかしながら、ほんとうに最近まで全然存在を知らなかった。

 

映画を観てびっくりした。こんな偉業を成し遂げた人だったとは。

1959年のハーバードロースクール入学時に、男子学生500人に対して女子学生は9人だったとか、大学図書館の入館を断られたとか、驚くけれど、また一方で、そうかアメリカにもそういう時代があったんだよな、それを変えてきた人たちがいるんだよな、とも学ぶ。

 

一つひとつ積み重ねる彼女の言動に、一人ひとりが勇気を得て、声を上げて、動いて、きっと今のアメリカがあるのだろうな。もちろん彼女以外にもたくさんのアクティビストがいて、あちこちでうねりをつくってきたわけだけれど、でも、最高裁判事という立場にあるということは、三権分立のひとつにおいて責任ある地位を担うということは、ほんとうに大きいだろう。

法律を軸にした場の守り手となることで変わることは多い。けれども誰でも行ける場所ではない。その努力や、資質や、恵まれた能力、環境、周りの人たちのサポートなど、いろんなことが彼女を押し上げていった。待たれていた人だったんだろう。

夫、娘や息子、孫娘も登場していて、一人ひとりがすごくよい。

夫は、「あの年代の男性としては珍しい」「彼はわたしの知性を愛した」。父の娘としてでも夫の妻としてでもなく、「私」として生きて働いて闘ってきた人。

最近この本を読んで唸ることばかりだったので、特にこの箇所は響いた。

 

 

映画では彼女の法廷での言葉が数多く引用されており、観る者の心にもダイレクトに心に響いてくる。元気が出る、勇気が出る作品だ。何も変わらないんじゃないかと絶望するとき、悔しくて眠れないとき、RBGの言葉を思い出したい。こういう人が歴史をつくってきたんだということを皆で記憶していきたい。

人種差別と戦った男の人だけでなく、人種差別と戦った女の人も、性差別と戦った女の人たちも、ちゃんと歴史に刻まれてほしいとも思う。

 

フランスのシモーヌ・ヴェイユも!

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もちろんアメリカだって、2020年のジェンダーギャップ指数は156カ国中30位で、まだまだ道半ばな分野も多い。

しかし日本に至っては120位。......言葉を無くす。

一つひとつ、一ステップごとにコツコツとやるしかなかった時代を経て、今は共有知となっていることも多い。もっと加速できるはず。

ここ日本でもきっと、同じステップを小幅にじりじりと歩まなくてもいいはず。一足飛びで発展したっていい。

先人たちの叡智のバトンを受け取って、さぁ何をする?どう動く?

 

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オペラが好きだったRBG。彼女が亡くなったときは、たくさんのオペラ歌手はじめメトロポリタンオペラの関係者が、インスタグラムに写真を投稿していた。

わたしもここ数年メトオペラをライブビューイングでよく観る。RBGもあの客席のどこかで観ていたのだなと想像し、同じ芸術を愛する者同士のつながりを感じている。

 
 
 
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たまたまこれを観ていた日は、「女性の日」だった。

 

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