https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/ryushi/tabid/218/Default.aspx
3年前に東京国立近代美術館で龍子の「草炎」を見て以来、気になっていた館でした。
今遡ったら、こんなことも呟いていました。
川端 龍子と川端茅舍が兄弟とか、龍子も川瀬巴水も大田区に住んでたとか、きょうの練習会の会場で知った。知らないまちに行くとおもしろいなぁ。
— 舟之川聖子|Seiko Funanokawa (@seikofunanok) 2017年12月3日
龍子記念館の近くの大田文化の森という施設で、かるたの練習会に参加したときだな、たぶん。大田区の郷土歴史館もおもしろそう......。
そうやって3年前から行きたい行きたいと思いながら、なかなかきっかけがつかめずにいたところ、関係者の方のツイッター発信のおかげで、やっと今回タイミングが訪れました。最近ほんとこんなんばっかでうれしい!
来てみたら、ここ、ほんとうによいです!
想像以上によい!!
記念館の建物が想像以上の規模で、大きい。龍のフォルムに設計されているんですって。うねうねとした龍の体内の両壁に作品が展示されている格好。
これは龍子本人の設計とのこと。
屋根の上に載っているのはリュウ(龍)ゼツラン。旧邸のほうにも龍のモチーフがそここに。わたしは辰年生まれなので、勝手に親近感が湧きました。
記念館入ってすぐのところにかかっているのは、横幅7mもある巨大な『虎の間』。
こんなスケールの絵が何枚も入るのだから、とてもゆったりとした空間です。
近美の『草炎』のイメージが強かったけれど、いろんなモチーフ、人物も動物も風景も静物もどれも魅力的。生き生きとして、躍動感にあふれていて、遊び心があって、カッコよくて......すごく好き!!
正直なところ、今回のテーマ「青龍社から東方美術協会へ」だけ見ていたらあまり来ようと思わなかったのですが(すみません……知らない固有名詞だとつい......)、ギャラリートークがちょうど再開されたと知り、「それなら行ってみたい!」となりました。
師から弟子への技術と精神の継承の物語でした。川端龍子が立ち上げて、たくさんのお弟子さんを抱えていた青龍社。龍子の希望で亡くなったときに閉じられ、お弟子さんの中から新たに立ち上げたのが東方美術協会。
脈々と受け継がれているものがよくわかる展示でした。また戦中、戦後における創作活動がどのようなものだったのかにも、思いを馳せられる丁寧な解説。
隣に旧邸やアトリエがあることで、より想像し易くなります。
今回のわたしの一番のお気に入りは、「小鍛冶」。
お能の小鍛冶のハイライトシーン。ミニマルなお能の舞台ではほんとうに小さな動きなのが、想像力を目一杯につかうと、ほんとうにこんなふうに見えるよね!とお能仲間に出会えたような、龍子を身近に感じられたような気がしました。
「小鍛冶」を初めて観たときの感じ▼を思い出しながら、観ました。
龍子公園(旧邸宅)のお庭は、四季折々楽しめるみたいだけれど、今が一番美しく快適に見学できるのでは。夏は蚊がすごいから。冬、2月頃も梅が咲いておすすめとのこと。
季節を変えてまた訪れたいです。
そういえば横山大観記念館も、大観本人が建物も庭も設計し、植栽も決めたとのこと。庭はあまり手を入れず自然に生えるままにというところも、似ています。
大森駅からのバスも何本もあってアクセスしやすいので、時間のゆったりとれるときに、ふらりと行くのも良し。
龍子公園のほうは、開館日には1日3回入れる時間帯があり、ガイドもしてくださいます。
今気づきましたが、紹介動画もUPされていました。至れり尽くせり^^ 当日もガイドしてくださった、学芸員の木村さんの解説です。
充実の記念館所属品の図録もよかったです。カッコいい表紙!
気になる作品を図録で見つけておいて、展覧会のときに会いに行くのを楽しみにできるのも、個人美術館ならでは。
ここ数年で日本画がぐんぐん好きになっています。
よい機会に恵まれています。ありがたい。