ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

今年も不忍ブックストリート・一箱古本市に出店します

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今年も不忍ブックストリート一箱古本市に出店します。

一昨年のようす

去年のようす

 

お店の名前は「トリとニワトリ」。

友だちのニワトリさんと。

一緒に出店するのはもう4回目になるのかぁ。

最初に出たときのようす

 

 

 

お店の紹介文を二人で考えて書きました。


トリとニワトリは、不忍ブックストリートのあるこの街で暮らし働く2人組です。
この街の土壌で、街の人々に栄養をもらい、光と水を浴びて、それぞれの本棚をこつこつと育んできました。
私たちの一箱は、いわば家庭菜園からのお裾分けのようなもの。
アート、ライフ、物語、学びをキーワードに、街の空気をたっぷり含んだ本たちを並べて、愛情いっぱいに次の方へ手渡します。
もちろん今年もお買い上げの方には音読をプレゼント!

 

「このまちで生きていることが、本棚にとっても影響しているよね」や、「同じ路地のおばちゃんたちと園芸外交をしたりしている」などの話をしながら、少しずつ「わたしたちの一箱」の感じが生まれていきました。

4年目なんだけど、でもやっぱりいろんな出来事があり、出会いがあり別れがあり、日々変化し続けているわたしたちだから、あらためて言葉にできてうれしいです。

 

当日めっちゃめちゃ楽しんでいるわたしたちを見て、自分も出店してみたい!自分も好きなことやりたい!やってみたかったことやろうかな!...なーんて思ってもらえたりするのも、実はすごくうれしいです。

 

4/28日曜日 11:00〜16:30 雨天決行
16:30になると同時に一斉に終了してしまうので、どうぞお早めにお越しください。

東京メトロ千代田線根津駅すぐです。
マップにあるように、谷中・根津・千駄木エリアで他にも出店があるので、ぜひはしごしてくださいね。他の一箱さんたちの紹介は、公式サイトの店主紹介ページに載っています。

根津界隈は、つつじ祭りがひらかれている根津神社、ニワトリさんがはたらいているコーツトカフェ、弥生美術館や竹久夢二美術館、上野動物園...も近くです。

 

本と人とまちに出会いに来てね!

 

お待ちしております。晴れますように!

 

不忍ブックストリート

オフィシャルサイト:https://sbs.yanesen.org/
Twitterhttps://twitter.com/hitohako
Facebookhttps://www.facebook.com/shinobazubookstreet/

 


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鉄道のある風景、鉄道のあるわたしたちの生態系

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よもや自分が鉄道の写真を見て涙する日が来るとは思わなかった。

 

鉄道好きな息子さんのいる友人に勧められて、図書館で借りてみた写真集。

 

わたしも息子が小さな頃には、電車の写真が載った子ども向けの本などを買って多少は眺めてはいた。(息子はあまり何かに「ハマる」ということがない人で、電車も自動車も一応は通るが、大きくなるにつれて関心を示さなくなっていった。)

 

当時見ていた電車の写真は、言ってみれば、どれも間違いない構図で間違いない角度やシチュエーションで撮られた、なんの電車なのか認識するための、図鑑的なものだったと思う。

 

しかしこの写真集は違う。

電車そのものだけではなく、鉄道のある生態系を写している。

鉄道事業に携わる人々、乗客と鉄道との関係、鉄道のある風景、人の暮らしや生の営みに寄り添う鉄道の姿が見えてくる。

 

人が生み出し、生きるために必要とし、技術の粋が投入され続けてきた鉄道。
常に国家の威信をかける事業でもあった鉄道。

人の飽くなき欲望や切なる願いに応え続けてきた鉄道。

様々な気候の、様々な土地で、働く鉄道。


そこに自然と人工の対立という構図はない。

対立を超えて、何が自然で何が人工なのかもわからない、溶け合ってしまうような世界がある。

 

鉄道とは何かを再発見し、わたしたちはどのような社会を作ってきて、これからどんな社会を作っていくのかを、鉄道写真を通して問いかけるような作品になっている。

圧倒的点数の写真にも関わらず、一つひとつ丁寧に添えられたキャプションにも、あたたかな眼差しを感じる。

 

ただただ美しくて、涙が出る。

これは写真家の仕事だ。

 

おかしいな...わたしはそこまで鉄道ファンでもないはずなのだけれど。

いや、でも、ずっとずっと鉄道は当たり前のようにそこにいてくれたのだった。

わたしの人生に寄り添ってくれていたのだった。

 

街並みや建築物もそうだけれど、「それがいつも当たり前のようにある風景」というのは、望むと望まぬとにかかわらず、人生のかけがえのない一部になってしまうのだ。

それが失われたときに、あるいはそれだけを取り出して見たときに、思い出させてもらえる。

 

 

ここまで書いて見返しを見てみたら、

「鉄道写真は、機能としての"車両写真"のみならず、生きている人々や自然と、鉄道がいかにかかわっているかを撮らなければならない」が信条。

とある。やはり。

 

 

2002年初版。今では引退した車両も路線もあることだろう。

貴重な記録写真でもある。

 

 

「どうせ子に付き合って鉄道写真を見なければいけないのなら、自分も関心を持てるような美しい写真を見たかった」と友人が説明してくれたことが、とてもよく理解できる。

「鉄道好きのお子さんのいる方で、どうしても自分自身は関心が持てなくて辛いという人がいたら、これを」とのこと。

お心当たりの方は、ぜひ試されたい。

わたしがもっともよく知るわたしに会いに行く(春分のコラージュの会、ひらきました)

きのうは「春分のコラージュの会」でした。

 

コラージュの会をひらくようになったのは8年前。震災のちょっとあとだったように思います。公開イベントにしたり、友人に声をかけて少人数でやったり、内容や進め方や言葉もあれやこれや工夫に工夫を重ね、今は3ヶ月に一度、暦に合わせてひらく定例のワークショップとなりました。

きのうは花冷えで寒く、体調を崩して欠席になった方もいて、そこだけとっても残念でした。

 

 

 

ご参加の動機はさまざまに。

  • 人生の節目の気持ちの整理に
  • 自分の事業を見つめ直しに
  • 立ち止まって自分の中に何があるのか出してみたくて
  • 職場でやってみたいと言っている人がいて、アクティビティに取り入れたくて

 

 

より自分にぴったりのものができるよう、書いて読んで話して聴いての事前ワークをした上での制作。一人ひとりいろんな発見があって、びっくりするような、再会やうれしい出会いがあって、パワフルな会でした。

 

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ご感想


・ああ、やっぱり自分はこうなんだ、これが好きでこれが大事なんだ、と確認できてよかった。
・だんだんと素の自分に還っていったみたい。始めと終わりの自分の顔がちがったように感じました。
・こんなにまとまった時間に集中することがなかなかなく、貴重だった。いつも細切れになるので。
・なりふり構わず貼りまくった。パンパンと切って貼っていくことが大事なひとときだった。
・あるモチーフを選んだことが自分にとってとても印象深かった。

 

 

 

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わたしも帰宅してすぐ冬至のコラージュと張り替えました。3ヶ月のあいだ守ってくれていたことに感謝をして、折り畳んで仕舞う。

そして自分で作ったコラージュをぐるっと眺めてみて、夏至までの3ヶ月のテーマが浮かんできました。


・跳べ、舞え
・ナヴィゲーション
・かなり大きめ
・才気走る
・ばっさばっさ

さてどんな3ヶ月になるかなー

 

 

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会場のあきゅらいず森の食堂は、もともとは社員食堂として運営されていたところ。近所の人も利用したい!となってひらかれていった、風とおしのよいあたたかな空間。
ごはんが美味しくて、厨房で働いている人たちも楽しそうで、活気にあふれていて。(ごはんの写真を撮るのを忘れていました...八宝菜おいしかったです!)

駅からバスでわかりやすく便利ではないんだけど、道すがら武蔵野のゆったりとした横長な風景が見えたりしていいのです。

 

そしてこの会場は、あきゅらいずで働いている友人がアレンジしてくれました。

1月に会いに来たときに、「ここでコラージュやりたいかも!」と思わず話したら、「ぜひぜひー!」ということになって。彼女にとっての記念日だったので、一緒にお祝いしたような感じもあって、うれしかった。ほんとうにありがとう!!

 

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
今回来られなかったけど、行きたかった!次回/いつかを狙ってます!と心を寄せてくださった皆様もありがとうございます。

 

 

記念写真。みんないい顔してるー!

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次回は夏至に合わせて6月下旬に執り行います。ご興味ある方はpeatixのこちらのページをフォローしておいていただくと、イベント公開時に自動でお知らせメールが届きます。

hitotobi.peatix.com



 

Information

◆コミュニティやチームや団体向けに出張開催いたします
ふりかえり、整理し、展望を描き、一人ひとりの内面の深い探求を通し、コミュニティ内の共感度を上げるワークショップです。一人で一枚作ることも全員で一枚作ることもできます。
講師料は3時間半、定員8名を基準に、ご希望の目的や内容により調整します。ご相談ください。ひととびお問い合わせフォーム

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◆母になった女性に集中と表現の時間を(託児付きで)
共感して呼んでくださる団体も引き続きご連絡お待ちしてます。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

奇想を競う!

息子が行きたいと言っていたので、「奇想の系譜」展に行きました。雨で寒いからか、チケット売り場も展示も並ばずに観られました。

 

 

▼ジュニアガイド楽しい。見所をパッとおさえられるので大人がありがたい。


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いやー楽しかった!

 

動物いっぱい!物語いっぱい!大きい!小さい!カッコいい!こわい!かわいい!きれい!細かい!キモい!などなど。

シンプルな感想しか出てこな〜い。

とにかくスカッとする展覧会。

 

久しぶりにオーディオガイドを借りずに観ました。たまにはこういうのもいいな。

 

 

▼こどもにはこういうボードを貸してくれる。「おえかきせんせい」みたいなやつ。


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▼わたしも描いてみた。この日はこれ一枚だけ。珍しい。


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若冲の象と鯨の絵はMIHO MUSEUM(滋賀)が所蔵していると、知らなかった。実はまだ行ったことがない。

びじゅちゅーんでおなじみの洛中洛外図も生で見られたり。

 


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今回紹介の江戸絵画の8人がフィーチャーされたのも、1970年の辻惟雄さんという美術史家の研究が元になっているそうで。

つまり若冲国芳も比較的最近に発掘され光があたった画家たちだったんだですね。こういうこと、これからもたくさんあるんだろうなぁ。

歴史を積み重ねながら、歴史を解き明かし続ける人類。

 

 

雨の夜の上野公園も好きです。


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きょうも文具店リサーチ日和

文具、文房具、事務用品が大好きです。

文具と文房具ってどう違うの?と思って、軽くぐぐってみたら、その使い分けにたいへんな情熱を傾けておられる方の記事が出てきました。

それによると文具の中に文房具がある、というイメージみたい。

 

わたしは事務用品も好きで、文具と事務用品の両方が揃っている文具店が大好き。

さらにファンシーショップも兼ねていたりすると、大大大好き。

 

まちを歩いていていい感じの文具店があると、とりあえず入る。個人商店から、書店併設の文具コーナーから、伊東屋東急ハンズ無印良品等の大きいところまで、とにかく文具が売っているところはチェックします。

 

    • 最近の文具の動向をチェックする

    のがまず一つ大きな目的。

    どこのメーカーがどういう文具を出していて、アイテムごとに今誰向けの何が多く出ているのか、どのラインが一番動いているのか、などを見る。昔からある定番の文具や事務用品が、生き残りをかけてどういうチャレンジをしているかなどもみています。

     

    それから、

    • 取り扱い商品の範囲
    • 1アイテムあたりの品揃え
    • 棚構成
    • レイアウト
    • 什器
    • 売れ筋
    • 動線
    • 接客

    など一通りチェックして、そのお店の固有の強みを掴み、買いたいものを買って店を出る。

     

ということをつい習慣でやっています。

こう書くと、まるでそういう仕事みたいだし、めっちゃ偉そうなんですが、趣味です。べつにだれからも頼まれてないし、勝手についついやってしまう趣味です。

文具メーカーや文具店で働いたこともありません。

 

ですが、こういうのは、もしかしたら趣味であり「おしごと」でもあるといってもいいかもしれない。

こじつけちゃうと、場づくりの中には、空間づくりと関係づくりの二つがあって、どちらもとても重要なので。

 

お店という場にもいつも興味を持っていることは確か。

そして文具が大好き。

 

 

実は、わたしみたいに文具店を見ている人って、けっこういるんじゃないかと思います。文具店にもいるだろうし、本屋とか、カフェとか、花屋とかにもいそう。

 

それぞれの愛するアイテムと、売っている場所の両方を見守っている人。
そういう人たちも、お店を陰ながら支えてるんじゃないかなぁと思います。

「入る」「買う」という具体的な行動もだし、「文具店を文具店として見る」眼差しみたいなものも、お店という場に影響していると思う。

 

 

「ああ、わたしリサーチしてるんだなー」っていうのを、きょう文具店に寄って気づいたので、書いてみました。

 

 

 

きょうのわたし的新商品は、三角のり!

たしかに紙の角にのりって塗りにくい。スクラップやコラージュをするときに便利なのかもしれない、と思って買ってます。

そうそう、3/23にコーラジュの会をやりますが、毎回こんなふうに文具やコラージュ素材をいろいろ試す場にもなっています。参加されると「え、こんな文具があるの?」というものに出会えるかも^^


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雑貨部門も充実。ワタク紙ふせんっていうのも、ワークショップでなんか使えそうだなぁと思って。ネコのシールとりんごの付箋はプレゼント用。
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きょう一番のお気に入りはこのマスキングテープ。「ひととび」のつばめだー!と迷わずカゴへ。るんるん

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まちの小さな路面店ですが、取り扱い商品の幅と、1アイテムあたりの品揃えがすごいです。特にペン、のり・ボンドコーナーの充実ぶりがすごい。

スヌーピー商品にやたら力を入れていて、すごい気になっています。今度行ったら理由を聞いてみよう。ファンシー部門があるっていい。

事務用品も定番から最新の機能を搭載したものまであって、探しているものはたいてい見つかるのがほんとうにすごい。取り寄せももちろんしてくれます。

 

 

 

入れてもらった袋もなんかずーっと見てられる。

 

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文具、アツい!!!!

 

 

 

Information

「お気に入りの文具を持ち寄って愛を語る会」
「『消費者』扱いしない、文具愛を交換する販促イベント」など、
文具をテーマにしたイベントやコミュニティの企画・設計・進行・宣伝のご相談のりますよ〜^^

hitotobi.hatenadiary.jp

 

読み聞かせ4年生の記録

息子の小学校でやっている読み聞かせの記録です。

 

毎週火曜日の朝、1時間目がはじまる前の8:20-8:35の15分間。

ボランティア一人あたり1学期にだいたい1回〜3回ぐらい担当しています。

わたしにとっては、ほどよい緊張と楽しみが持続する、ちょうどいいペースです。

 

 

今年度はこんなラインナップでした。

 

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7月「たつのこたろう」
松谷みよ子(文)講談社

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15分ぴったりでした。

お話の世界にみんなで入って冒険を繰り広げた感じがありました。

4年生になると、昔話独特の飛躍やつじつまの合わなさが気になってくるようで、ちらほら聞こえてくるツッコミに成長を感じました。

 

 

 

10月「半日村」
斎藤隆介(作)滝平二郎(絵)岩崎書店

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モチモチの木の作者と挿画家のコンビによる絵本。一冊を時間いっぱいかけてじっくり読んだ。

選書にかつてなく悩む。

ぐっと成長して、人間関係も複雑に、ライフキャリア(と子どもにも言っていいのか)もこれからどんどん分かれていく中で、複雑な感情に寄り添う本か、知的好奇心を刺激する本か、感性にうったえる美しい本か、何も考えず笑える本か...どう組み合わせるか、など。

ついつい感情的に読んでしまったけれども、もう少しあっさりしたほうが入れるのかも。



 

12月「富士山にのぼる」
石川直樹(文・写真)教育画劇

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季節も合うし。石川さんが最近たっかい山(*)に登ってらっしゃったこともあり。

あの高い高い富士山、それも冬。雪と氷と風と...。

それってどんな感じ?こんな感じ?千分の一でも!

楽しかった。きょうもみんなと一緒に本の世界に行けてうれしかった。ありがとう。

 

(* たっかい山=アマ・ダブラム(Ama Dablam)ヒマラヤ山脈にある山。標高6,856メートル)

www.instagram.com

 

 

1月「木にとまりたかった木の話」
黒柳徹子(作)武井武雄(絵)岩崎書店

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友人がひらいた朗読劇の会で知った本。武井武雄の絵がすてきなの。

読むのは実はちょっと難しかった。。

 

 

 

3月「ふくはなにからできてるの?ーせんいのはなしー」
佐藤哲也(作)網中いづる(絵)福音館書店

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きょうも1冊をじっくり。かがく絵本ともいえるし、しゃかい絵本ともいえる。「たくさんのふしぎ」っぽい。やっぱり福音館の絵本はいいです。

絵の色合いもいいし、判型もレイアウトもよくて、持ちやすい、読みやすい。

読み終わってから今着てる服なんのせんいでできてる?タグ見てみて!とわいわい、楽しかった。

肝心の自分が着ている服のタグが見つけられず、仕込みに失敗...。準備大事ネ。

 

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読み聞かせの本は、普段からふんわりとサーチしておく。図書館に行ったついでとか、ツイッターで見かけて、とか。

前週までに何冊か選んでおいて、最終的には息子に読み聞かせして決める。ウケるかどうかというより、いざ人間相手に読んだときに、自分の中にどんな感じがするか、をみている。

 

本を選んでいて、2年生から読み聞かせの時間を過ごしてきた子どもたちと、4年生になった今ではこのような本を分かち合えるようになったんだ、という成長の喜び、祝福がある。

お互いの。

 

この一年もみんなと本が読めてよかった。うれしかった。ありがとう。

 

 

 

 

 

 

読み聞かせのコンサルテーションいたします

子どもや大人へ読み聞かせをして3年。場づくりの観点から設計、心構え、選書ポイント、読み方などアドバイスしながら、あなたらしい読み聞かせの場をつくりましょう。

 

息子相手にしたときのものですが、流れはだいたいこんな感じです。

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場づくりのご相談枠で承ります。60分 ¥10,800 対面またはZoomにて。

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フランス革命時代に生まれた女性数学者の話

本を紹介するってやっぱり楽しいなと思って、「絵物語 古事記」に続いてご紹介です。

 

 

『数字はわたしのことば ぜったいにあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン』

ほるぷ出版

 

原題は、"NOTHING STOPPED SOPHIE"。

 

 

原題のシンプルな英語3単語に比べると、やや説明的に見える邦題だけれど、内容はわかりやすいし、メッセージはほんとこの二行に尽きる感じ。

絵本を売る、まずは手にとってもらうって、難しいことなのかもなぁ、など、出版社や本屋さんの気持ちを考えてみたりします。

 

 

 

 

時代はフランス革命

世界史や美術、文学、文化などでいつもふれてきたあの「フランス革命」と数学っていうのが、自分の頭の中で急には結びつかない...。

でもそうよね、いつの時代も数学って学問としてあったのよねぇ。

数学で歴史を串刺してみると、おもしろいかも...。

 

社会的に恵まれた階層の家に生まれた人でさえも、女性だというだけで、学問、教育の機会が与えられなかった時代に、独学で数学を学び、研究し、数学界にコンタクトし、何年もあきらめず...。

 

ひとつの方程式を解くのに5年も費やせるところが、家柄的に恵まれていたからできた、とはいえ、情熱がすごい。

 

好きのパワーすごい!

 

 

 

 

挿絵がとにかく美しいです。

雰囲気的にはどことなく、モーリス・ブテ・ド・モンヴェルの「ジャンヌ・ダルク」みたい。

 

...と思ったら、同じ出版社だったですよ。ほるぷ出版

 

すごー!

偶然かな?

 

 

 

わたし自身は言語としての数学は苦手で、ほとんど理解できないまま大学入試センター試験を最後にお別れした形になっているけれども、

小川洋子さんの小説「博士の愛した数式」や

.これまた小川洋子さんと、数学者の藤原正彦さんの対談、「世にも美しい数学入門」(ちくまプリマー大好き)や

・インドの数学者ラマヌジャンの生涯を描いた映画「奇蹟がくれた数式」のような、

文芸的に数学の美しさにふれるのは好きなので、この絵本もとても楽しく読みました。

 

 

読み聞かせも楽しいと思います。

 

 


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すごくいいな〜!と思ったのが、物語の舞台外の、絵本としては最後のページらへんにソフィーの人生についての補足、作者と挿絵画家の文章が載っているところです。

 

作者は、なぜこの人物を取り上げたのか、どんなところを大切に書いたのか、これを書くことを通してどんな体験をしたのか、かつて実在した人物をどう取材し、どう描くかのところを見せてくれています。

 

挿絵画家は、依頼を受けての第一印象と、それが次第に変わっていった心境、どんな意図で何をどんなふうに表現したかの工夫を、具体的な箇所を示して教えてくれています。制作の過程を疑似体験しているかのようです。

 

またそれを訳者の方が、実に自然で読みやすい日本語の文章にしてくれています。

 

最初に書いたタイトルのこともそうだし、なんだかとても「橋を架けてくれている」という感じがしてうれしくなる、出会えてよかったと思える一冊です。

 

短歌から古事記

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本のご紹介。

絵物語 古事記』(偕成社)

 

 

前回の学びのシェア会で、短歌の歴史を教わったときに、一番最初の短歌はスサノオノミコトが詠んだ

 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠めに

 八重垣作る その八重垣を

なんだよ、と聞いた。

 

へぇー!神様が?!短歌のはじまり?

これは「古事記」を読んで確認したい。

 

と思った矢先に、息子の学校の図書コーナーにこの本を見つけて、これや〜!とすぐに読みはじめたのでした。

 

聖書を読んできてからの、「国生み」の話はやっぱり成り立ちがずいぶん違っておもしろい。そもそも神様がいっぱいすぎる。家系、名前、覚えられない。。

 


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読み進めていくと、スサノオを追い出したあとにイザナキが引きこもってしまったのが、「淡海の多賀」とあり、びっくりした。わたしは滋賀出身で、小さい頃に確か祖母に連れて行ってもらったことがあり、一昨年に息子を連れて再訪したところ。

 

そういえば書いてあったわ……。

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気づけば、

多賀

出雲

諏訪

伊勢

と、主要な神社は行っていたみたい。

高千穂以外は。

 

今年行きたいな、行けるといいな。

 

 

そうそう、なんでタイトルが「絵物語」なのかというと、1ページに1枚挿絵があるのです。アニメーション作家の山村浩二さんの絵。すごく豪華なのです。

山村さんのアニメーションを観たことがある人なら、頭の中で絵を動かしながら語りを聴いているような体験ができるかも。ページごとに絵が次々と表れてくるんだけど、絵本とはまた違う感覚でおもしろい。

 

山村さんといえば、ここにも行ってみたかったのだ。行ってみたかったと思っていたことを古事記のおかげで思い出せた。ここも今年行きたいなぁ。

http://www.praxinoscope.jp

世田谷区奥沢、九品仏浄真寺に隣接するヤマムラアニメーションのスタジオの地下に2013年10月5日にオープンした短編アニメーション専門のストアとギャラリー、Au Praxinoscope(オープラクシノスコープ)。 

 

 

文章を書いている富安陽子さんは児童文学作家だけあって、とても読みやすい。

 

 

監修の三浦佑之さんは日本文学の研究者で、古事記関連の著作が多いようだけれど、他にも『浦島太郎の文学史-恋愛小説の発生』『昔話にみる悪と欲望』 『昔話にみる悪と欲望 継子・少年英雄・隣のじい』『万葉びとの「家族」誌』『平城京の家族たち ゆらぐ親子の絆』など、おもしろそうな本も書いてらっしゃる。

そしてなんと


三浦しをんさんのお父様だそうで。

 

おすすめです。

 

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あなたは大切な人〜『虐待・親にもケアを』オンライン読書会・後編

12月に参加した「虐待・親にもケアを」のオンライン読書会の後編に参加しました。

 

前編のレポートはこちら↓

hitotobi.hatenadiary.jp

 

MY TREEペアレンツ・プログラムとは、子どもの虐待に至った親の回復プログラムです。

加害する・した人に対して、反省や更生以外のアプローチで、根本的な回復を目指している効果の高いプログラムと聞き、どのような内容なのか、何を大切にしているのか、どのような人が関わっているのか、どんなよい影響が出ているのか、などを学びたくて参加しました。

 

「はじめに」にMY TREEの根本思想(といってもいいと思う)が述べられている部分に、とても感銘を受けています。

 虐待に至ってしまった親たちの回復支援は、子育てスキルを教える養育支援ではありません。母親支援でも、父親支援でも、子育て支援でもなく、その人の全体性回復への支援です。課外の更生は被害によって傷ついた心身の回復からしか始まらないのです。MY TREEの参加者たちは、親である前に一人の人間として尊重される体験を得ることによって、自分を回復する礎としていきました。

  

今もう一度読み返してみても、とてもあたたかな気持ちになります。

それはわたし自身が、子育てする中でも、いや、そのずっと前からも感じてきたことと関係があるからだと思います。

 

 


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読書会にはいろんな型がありますが、この会では、章ごとに分担して読んでレジュメを作るところまでを準備し、当日は担当者が5分発表した後、みんなで10分感想を話しながら進めていく、「輪読形式」をとっています。この日は7人で分担をしました。

 

わたしは6章「親たちと向き合ってきた実践者からのメッセージ〜実践者の多様性がMY STREEのストレンス(Strength)」を担当しました。サポートの場をつくる側の人がどんな人で、どんな景色を見ていて、どんな実感を得ているのか知りたかったから。

 

5分で人に伝えられるぐらいに要約しようとすると、内容を理解していなくてはならず、理解するためには、読み込んでいなくてはならない...ということに今更のように気づいたこの輪読形式。

結局、今回は16ページ弱の章を準備するのに2時間もかかりました。レジュメはA4で6枚。

ここは大切だと思う事実や用語や思いを並べていると、あっという間にボリューム大になってしまいます。そのくらい、この章は厚みがありました。

いや、というよりも、きっとどの章も、精読すればこのように受け取るものや、見過ごせない箇所がたくさん出てくるものなんでしょう。

 

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6章の内容についてメモしておきます。
わたしが言い換えている部分もあるので、詳しくは本書をご確認ください。

 

・「実践者」とは、MY TREEのプログラムを実施する人、場をつくる人のことで、この本の出版時点では30人ほどが活動している。

保健師臨床心理士、看護師、助産師、保育士、元児童相談所所長、行政の子育て相談員、大学教員など多様な職種の方々が、自治体や児童相談所の委託事業や任意団体主催として、プログラムを実施している。

・受講は法的強制力がないため、参加者を集めるのに苦戦したり、助成金が取れないなど悔しい思いもする。

・インターネット、新聞記事、自治体の広報、チラシ(幼稚園、保育所、小学校、保健センター、行政の庁舎や関係機関など)で情報を届けている

・虐待に至った背景に性暴力やDVの被害、ジェンダーの問題が含まれている。彼女たちも被害者であり、その多さに驚く。「いかに女性や子どもたちが暴力にさらされている社会であるか」

・MY TREEはよい親になるためのプログラムではないと言うと、参加者の女性たちはびっくりする。「母親失格の自分」「よき母親にならなければ」→母親役割のキツさ。評価、違い、比較に苦しめられてきた女性たち。

・「何もなければ虐待は起こらない」人生の中でうけたさまざまな心の傷。個人の問題では済まされない。親の回復支援を。

・「気づけば子どもを叩いている、子どもを無視している、傷つけることを言ってしまう、可愛いと思えない、このままではどうなってしまうのかとても不安」などのプログラムのチラシを見て「わたしのことだ!」と来ている。「子どもとの関係を改善したい、変わりたい、子どもと幸せに暮らしたいと願っている。

・参加者の回復する力に敬服。実践者もたくさんの感動と力をもらっている。エンパワーされている。

・2003年当時「虐待」という用語はタブー視されていた中での新聞記事での紹介。「私が求めていたのはこれだと思った」と申し込み。

・「実践を鍛える」自分はこのプログラムの実践に値する者であるか。

・ひとつのプログラムが確率するのに5年、定着するのに10年かかる。

児童虐待は家の中の奥深く、人知れず進行していくもの

・児相で働く人の感情労働。介入とケアの橋渡しで癒す。元児相所長「心強い味方ができた思い」

・「見守り」=放置でしかない。できるだけ早く虐待をストップさせる。

・個人カウンセリングよりもグループワークのMY TREEのほうが促進がある。仲間がいる、否定されない、思いを汲んでくれる、労ってもらえる、一人の気づきが他者の気づきになる・共鳴がある(グループダイナミクス

・家族再統合のためには、強制的な生活改善や親子関係の対応スキルではなく、親の内面へのアプローチ、親自身の変化を促すプログラムが効果がある

・親を指導する「介入」と親自身の振り返りを支援する「ケア」を同じ一つの児童相談所が担うのは困難。ケアは市町村が担うのがよいのでは

・生活圏が狭くつながりが濃い地域では、居住地を限定せず、他の市町村からの受け入れによって参加者の匿名性を保つ配慮。

・多くが虐待を受けた経験のある子どもを受け入れているファミリーホーム。親と接触を避け、虐待の報道を目にすると加害親への怒りを持っていたが、MY TREEを実践するようになってから見方が変わった。「あなたは大切な人」を言うと泣き出してしまう親も。生きてきて今まで一度も言われたことがない......。

・大変な状況の中、ヘルプの声をあげてくれた方へのねぎらいと感謝、安心、安全を大切に、全力で寄り添い、選択や決定のサポートをする。この土台づくりが、ファシリテーターのもっとも大きな役割。

・子どもたちは、虐待してきた(いる)親への複雑な思いを抱えている。親に変わってほしい、認めてほしい、受け入れてほしい...その葛藤や苦しみを抱えて大人になり、人生の局面、パートナーとの関係、出産や育児などで蓋が開いて噴出する。

・親や大人へのサポートやケアの視点、実際のサービスが少ない。傷をケアされずに大人になって子どもを産んだ途端、「自己責任」なのか?

・MY TREEプログラムはターンアウトスイッチのポイントのようなもの。このままでは衝突事故を起こしそうな列車の線路の分岐器。なくなるわけではなく、切り替えていけるようになることが大切。

  


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6章の前の5章の「プログラムを終了した親たちからのメッセージ」は胸が痛くなるような箇所もあるけれども、その回復に向かう力や綴られる言葉の一つひとつに、立ち合うこちらのほうこそが力をもらうような気持ちになり、実践者の方々が現場で日々感じられているのは、このような感覚なのかなと、想像しました。

 

実践者の方々が「これからの課題」と述べれらていたのは、

自治体の一年契約の入札事業では継続性と有効性が発揮されない。プログラムを安定的に実施していくために、政治への提言も
・誰にも話せない、自覚が麻痺している、変化を望まないといったより「重度」の人にどうアクセスし、どう参加してもらうか

など。

 

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前回12月から今までに野田市で小学校4年生の女の子が虐待により亡くなる事件がありました。そしてこのブログを書いている3日前に、渋谷区の児童養護施設の施設長が元入園者に刺され亡くなる事件がありました。

 

これらの件について、言葉を次ぐのが難しいです。

 

でも、この読書会をきっかけに、精読して、予習して臨んで、発表して、みんなで感想を交わし合ったから、報道の中で理解できることが格段に増えました。それ自体がわたしにとっては救いなんだと、あらためて気づきました。知って、学んでよかった。

そして、このMY TREEペアレンツプログラムがあり、実践する人がいて、実際に生きる力を取り戻した人たちがたくさんいることを思い出し、温かな気持ちになりました。

 

もちろん、感情的にはとても辛い。

この辛さにじっと耐えつつ、思いを同じくする人と手を取り、知り、学び、言葉にする、明るいほうを見る。

これからも諦めないでいこうと思います。

 

 

どんなにひどい虐待やDVがあったかのみを伝える報道は辛くて、この問題を考えることから目も心もそらしていきそうになります。この本を複数人で読んでいたのも、同じような「辛さ」や「重さ」が元になっている。

まだ調査中だとしても、その中でも家族や性別役割にまつわる幻想を見直し、虐待とDVとの関連や、暴力の世代間連鎖、個人の問題ではなく社会の構造の問題であることや、ケアのことにも少しずつでもふれる報道は可能だと思います。

 

少なくともわたしはそういうものを見たい。

 

舞い飛ぶ札!沸き立つ歓声!競技かるた体験会@Umiのいえ、ひらきました

横浜にあるUmiのいえで、競技かるたの体験会を行いました。

 

皆さん横浜にお住まいの方々。横須賀線から、相鉄線から、東海道線から。

「横浜開催だから来られました」と言っていただけたのがうれしかった。

ここでひらいてほんとうによかったな!

 

成り立ちやルールの解説をしたあとは、わいわい楽しく取りまくり、最後にはみんなでお団子を食べながら感想を話しました。

「いつも使わない頭や身体の部分を使って楽しかった!」

「気軽に体験できるところがなかなか見つけられなかったので、よかった」

と笑顔でお帰りでした。

 

よかった〜 わたしもすごーく楽しかったです!

 


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Umiのいえには、来てる赤ちゃん連れの人たちが、小さい頃覚えた!学校の大会で優勝したことある!など声かけてくれてうれしかったです。

「懐かしいでしょお〜さわって〜」なんていって札さわってもらったり。

ああ、あの人たちと一緒にかるたができる日がきますように、と願う。

 

 

この体験会を18歳以上限定にしているのは、大人がかるたを学べる場があまりないから。大人になった今、様々な経験をしてきた今だからこそ見える景色の鮮やかさ、ここから広がる世界を感じてもらいたいから。

 

そして、Umiのいえでひらくのは、小さい子どもを育てているお母さんの人がよく出入りするスペースだから。

母になった女性に「わたしの時間」を持ってもらいたいという気持ちがある。

子や家族に時間や気力体力を捧げざるを得ない時期にも、自分自身がわくわくする感覚を持ち続けることが、その人の人生を歩む上でも、子を育む上でも大事なことだと信じているから。

 

もちろん女性に限定していなくて、18歳以上ならどなたでも。女性でも、男性でも、どんな性でも、お子さんいてもいなくても、なんですが、そういう願いも持ってやっていますという話。

 

なんといってもわたしにとって場所との個つながりは、場をひらく上で、とても大切なものので。

 

そういえばUmiのいえのお隣の平沼高校は、競技かるたの強豪校。

西区の区報にのっていた(PDFです)>>

http://www.city.yokohama.lg.jp/nishi/pi/h3001/html/pi/pdf/h3001pdf.pdf

 

そんなご縁も感じてますますうれしい。

そういえば前に体験会をひらかせてもらったアカシデカフェさんも、お隣が東京都の強豪校、駒場高校だったなぁ。

 


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スタッフのさとみさんが、レポートを書いてくださいました。

さとみさんには、今回途中から読手をお願いしたりの無茶振りもあったけれど、快く引き受けてくださってありがたかった〜


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次回は3ヶ月後の5月14日(火)14:00-16:00です。お申し込みはこちらからどうぞ。

coubic.com

 

 

《Information》

●出張講座、承ります。

参加者4名以上で承ります。2時間の場合は競技かるたをメインに、2時間半〜3時間の場合は百人一首の歴史などもお伝えします。実施例 をご参考に。謝礼についてはお問い合わせください。

 

●お子さんのための百人一首Zoom個人授業、承ります。

子どもが学校から百人一首の暗記の宿題が出たが、覚え方がわからない、乗り気じゃない。おもしろさや楽しみ方を知ってより前向きに取り組んでもらいたいが、親の自分は百人一首に親しんで来なかったのでどうすればいいかわからない.....などのお困り事や興味に応える授業です。

暗記の仕方はもちろん、百人一首の歴史的・文化的背景、特徴、歌人のプロフィール、歌の味わい方などもお伝えします。過去の実施例はこちら。対面でもOKです。授業料は60分¥10,800(税込)です。お問い合わせください。

 

百人一首や競技かるたの会を立ち上げたい方へZoomアドバイス、承ります

2012年1月〜2017年9月まで、「かるたCafe〜百人一首を楽しむ大人の部活」というコミュニティを運営していました。また2016年に本格的に競技かるたをはじめてからは、競技かるたの練習会も催すことがあります。場づくりのプロのアドバイスを受けながら、会の趣旨を立て、場所を選び、仲間を集め、当日の進行を準備し、運営に取り組んでみませんか。対面でもOKです。コンサルティング料は60分¥10,800(税込)です。

 

お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム

 

3/27-28、春の競技かるた合宿@茅ヶ崎館、ひらきます

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競技かるたをたしなむ皆様、

 

この度、1泊2日の合宿練習会を企画いたしました!

会場は湘南エリアに佇む茅ヶ崎館。明治32年(1899年)から続く日本旅館です。
日本映画の巨匠・小津安二郎が長年定宿とした趣あふれる建物であり、わたしたちかるたーにとっては、映画「ちはやふる-結び」のロケ地でおなじみです。
今回なんと、映画の中で東大かるた会のシーンで使われていた大広間を、練習に使わせていただけることになりました!!

 

普段家事に追われている大人かるたーさんには、上げ膳据え膳の喜びを味わっていただきたい。(わたしたちもです!)
遠方の方もぜひご参加いただけたらうれしいです。
日帰りでもご参加いただけます。

 

大会を目指している方、体力をつけたい方、同会以外の方と取ってみたい方、かるたが好きな方...etc、
所属を超えて交流しつつ、研鑽を積む機会になればと思います。
朝から晩までかるたをとったり、合間にはかるたトークもたくさんしたいと思います。

どうぞ奮ってご参加ください。

 

kokucheese.com

 

 

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場づくり的に言うと。

 

昨年に続いてかるた友だちの京さんと練習会をひらけることがとてもうれしい。目配り気配り、準備、声かけ、主催者としての姿勢など、京さんからは学ぶことが多い。読みも上手い。

京さんとはたしか1年半ぐらい前にツイッターで知り合った。最近かるたをはじめた同士、という親近感、大切にしていることが近い感覚がうれしくてよくやり取りをしていて。遠いのに練習会に来てくれたり、こちらからも行ったり、かるたもたくさん取ってきた仲。かるたを通じてこんな人に会えたらな!と思っていたのが、京さんのような人だった。ありがとう。

 

 

それから、会場のこと。

会場となる茅ヶ崎館さんは、「茅ヶ崎の文化景観を育む会」の事務局をされている。

かつて保養地や別荘地として愛された茅ヶ崎の面影を魅力あるまちづくりに活かしていこうと、熱心に活動されている。映画のロケやかるた大会を開催したりという経緯もあり、今回ご好意で借りられることになった。感謝。

 

しかも茅ヶ崎館は、映画監督の小津安二郎が定宿にするほど愛していた場所。

わたしも小津安二郎と聞けばそわそわするくらいには小津映画に親しんできた。中学生のときに「東京物語」を観た時の、美しいモノクロームの画面や、偏執的なまでのカメラワークは忘れがたい。「秋刀魚の味」で仲間内で上映会をやったりもした。「好き」というのとも違うけれど、確かにわたしの中の何かが必要としている表現。作品。

単にかるたの練習ができる場所としてだけでなくて、自分の人生となんらかの関わりを見出せる場所で、思いある活動の輪の中に今回の合宿があることがうれしい。場をひらくときに土地や場所とのつながりは影響する。

それはちょうど神社やお寺で御朱印をいただくようなことに似ている。スタンプラリーではなく、神様、仏様とのご縁をいただく、というような。

 

 

この話をかるたCafeのメンバーで、茅ヶ崎周辺の出身の人に話したら、「そういう場所があったなんて知らなかった。自分の地元で、思いのある場所でせいこさんのかるたの合宿がひらかれるというのもうれしい」と返事をくれた。

わたしも平塚市美術館に行ったり、藤沢の京さんの練習会に行ったり、三浦半島にハイキングに行ったりと、最近「そちら」方面に出かけることが多くて、こういう風景を見て育ってきた人なのだなぁと、何歩も近づいたような気がして、うれしい。

 

3月は自分の所属しているかるた会の合宿もあるし、友だちと企画した合宿もあるし、またかるたのおかげで「遠く」に行けるんだなぁと幸せで、楽しみです。

素材あつめ

きょうの東京は雨になりそうな曇り。

暖かくて春の気配が満ちています。

季節が移ろっていくことで、時間の経過がまざまざと感じられる。

 

もしかすると、季節がずっと同じで、カレンダーも時計もなかったら、人は何によって時間が経っていることを感じるのだろう。

自らの身体の老化、物の劣化、草木の成長...。

 

つらつらと考える朝です。

 


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1ヶ月後のコラージュ製作に向けて、ゆっくりゆっくり素材を集めています。

 

わたしは小さい頃から道端に落ちているものを拾ってくるのも、物を集めるのも好きなので、あっという間に箱がいっぱいになってしまいます。

 

参加される皆さんも、楽しみながら素材を集めてみてくださいね。

ご検討中の方は、お気持ちとタイミング、ご都合があいますように。

 

 

3/23(土)12:00-16:30

春、新しい年度に向けて、取り切られた時間と空間の中で、世界を観望してみませんか。

自分だけの好きや願いを目に見える形で表します。
あきゅらいず美養品・森の食堂の美味しいごはん付き。
明るくてのびのびと気持ちのよいスペースです。

collageshunbun2019.peatix.com

 

 

前回のレポートもご参考までに。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

 

Information

団体・自治体:母になった女性ためのコラージュ、出張開催いたします

母になった女性、産後の女性のサポートをしている団体や自治体向けに、出張開催いたします。スペース(場所)、コミュニティや募集ルート、託児スペースとスタッフのあるところへ、講師やファシリテーターとして、講座やワークショップとして、このコラージュの会を提供します。講師料等はお問い合わせください。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

講座やワークショップのつくり方、ご相談ください

対面またはZoomにて。1枠60分 ¥10,800

hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

ご相談ください!自分の本質とつながる場をつくるための個別セッション

先日、こちらの勉強会の開催にあたり、《個別セッション+募集文添削》でサポートさせていただきました。

note.mu

 

サポートさせていただいたのは、もともと場の設計は本職な方なのですが、業務ではなく自分個人の思いから場をひらくのははじめてということと、本を使いたいということで、わたくしご用命いただきました。

 

このレポートがとにかく素晴らしくてですね!!

ものすごい場の熱量を感じるのです。ひらくことを望まれていた場だったのだなぁということがひしひしと伝わってきます。

 

わたし自身も小学生の子がいるので、当事者でもあり、今後の展開がとても楽しみです。

 

 

💪こんなふうに、これからはじめる会やイベントやコミュニティのご相談はもちろん、実施後のふりかえりにもお付き合いします。

  • あなたはなぜ場をつくりたいか
  • 何を大切にしているか
  • なぜ一人ではなく誰かとつくりたいか
  • 誰とどこでつくりたいか
  • 何をすれば近づけそうか
  • 今何ができているか

整理し、伴走します。

 

 

 

😀 個別セッションで喜ばれているのは、こんなポイント!

  • 動機が明らかになって自信がもてた。
  • やり方がわかって行動に移せた。
  • よい場になるイメージが湧いた。
  • 準備やふりかえりの大切さがわかった。
  • 応援してくれる人がいることが心強い。

 

とにもかくにも、

動機・コンテンツ・心構え

です。

ご相談お待ちしております😊

 

 

こちらは隔月で仲間とひらいている勉強会のようす。

わたしもつくりながら実験したり実践したり、お役に立てるよう日々積んでおります。

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自分の本質とつながる場をつくるための個別セッション 
1枠60分 ¥10,800(税込) 内容により枠数が異なります。見積もりいたします。
都内(山手線沿線およびその内側)のカフェにて対面 または Zoomにて。


場づくり相談

  • 会、イベント、講座などを運営中だがこれでいいのか、こんなときどうしたらいいのか、もっとよくするには、などヒントがほしい。
  • これから場をひらいていきたい。何から手をつければいいかよいか。
  • 企画をここまで考えたので聴いてフィードバックがほしい。
  • プログラムのつくり込みをしていて、目的に適っているかなどを相談したい。
  • イベントにオブザーバーとして同席して、あとからふりかえりに付き合ってほしい&フィードバックがほしい。
  • やめたい。場(人間関係)の仕舞い方を一緒に探ってほしい。
  • 募集文の添削、フィードバック
  • ふりかえりの壁打ち相手になってほしい

 

マンツーマン講座

  • 読書会のつくり方講座
  • 勉強会のつくり方講座
  • シェア会のつくり方講座
  • 上映感想会のつくり方講座
  • 鑑賞対話会のつくり方講座
  • 講座のつくり方講座
  • トークイベントのつくり方講座
  • 百人一首/競技かるた講座



 

▼お問い合わせ▼

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「魔笛」その後、イシスとオシリス

去年のちょうど今頃に、METライブビューイングでオペラ「魔笛」を観る会をひらきました。

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魔笛」はファンタジックで美しいだけではなくて、不思議というか、奇妙なところが多い作品です。そのうちの一つ、ザラストロという神官が出てきます。非常に重要な人物なのですが、彼がイシスとオシリスを崇めている僧であるというところで、「えええ、なんでなんでエジプト?!」となります。エジプト風の装束や舞台装置も出てきます。ネットをちらと覗き見ただけでも、フリーメイソンゾロアスター教など、特に宗教的な流れでいろんな背景が見えてきて、沼が深そう...。

 

 

youtu.be

 

...という感想だけ持ってしばらく放置していたのですが、最近になって友人が貸してくれたこの本を読みました。

 

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イシス、オシリス、セト、ネフティス、ホルス。

よく聞く名前だけれども、そうかー、こういう神話があったのか、人間関係があったのか、とようやくつながりました。

しかも山岸涼子さんの美しく繊細でグロテスクな表現!ぞわぞわしました。

 

魔笛」の世界観が補足されておもしろかったです。ここからエジプトの方向へも拡張があるだろうな。

予習して、観て、みんなで話した深い体験が一度あるから、時間が少し経ってからでも、関連するものが入ってきたときに、こうしてぴったりと体系同士がつながる。

 

それと、自分の言葉を添えて本を貸し出すのっていいな〜と思いました。受け取って期待高まってうれしかったし、読後まさに書いてあるような気持ちになったし。

 

わたしもやろう〜

「私は、マリア・カラス」を観た話

*鑑賞行動に影響を与える可能性がある内容です。未見の方はご注意ください*

 

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少し前に「私は、マリア・カラス」を観た。原題は"MARIA BY CALLAS"。

むき出しの魂でうたい、愛した 世紀の歌姫(ディーバ)の<告白>。紐解かれる未完の自叙伝。封印された手紙、秘蔵映像、音源の数々。

 

METライブビューイングでオペラに親しみだしたこの頃、「MET友」から「これ観に行く予定!」と教えてもらい、「なんか観といたほうがいいかも」という気がして、わたしも急いでババっと予習して駆けつけた。 

 

▼予習メモ。は「こういうものが観られそうかな?」という期待。わたし的な目の付け所。ここまでやってあると相当受け取れる。それが描かれてないとしてもよい。

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▼友だちがシェアしてくれた新聞記事も参考に。ファッションも楽しみのひとつ。

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わたしにとって、マリア・カラスは「歌をうたう人でカリスマ」という程度にしか知らなかった。

小さい頃から名前だけは聞いたことがあった。何かのときに写真を見て、黒い瞳と黒い髪だったので、それでカラス(烏)と呼ばれている人なのかなぁとこじつけて記憶していた。そういう人はたぶん多いはず...。

ギリシャ人であり、父親が本名のカロゲロプロスを短くしてカラスとした、ということを今回の予習ではじめて知った。上書き、上書き...。

 

 

 

彼女の歌を初めて聴いたのは、1991年のリュック・ベッソンが監督した「アトランティス」というドキュメンタリー映画だった。

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南方の海。その海の中に潜って見える、目が痛くなるほどの青さと生命力にあふれ泳ぎまわる海の生き物。そこに挿入されるマリア・カラスの歌は強烈な記憶を残した。オペラってもしかしたら美しくていいものかもしれない、という印象はたぶんこのときに生まれた気がする。

 

それから30年近く。

 

オペラを聴こうと思ってYoutubeを流していると、たいがいマリア・カラスに行き当たるなぁということは思っていた。ほんとうにどういう人なのか全く知らなかったが、カリスマ的な存在だということはその扱いからして、よくわかった。

 


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当日は観終わってから友だちと感想をおしゃべりした(恒例の)。

彼女には身近に声楽家が何人かいるということで、この映画について仕入れた評判をシェアしてくれたのだが、どうもその道の人からすると、「怖くて観られない映画」なのだそう。マリア・カラスの発声法は、喉やその他身体への負担が大きすぎるためやらないのが普通、と。それは例えるなら、「昔は体育の時間にも普通にやっていたうさぎ跳びが、実は膝に大きな負担があると指摘されて今はやる人はいない」というようなものらしい。

こちらは歌唱や発声についてはズブの素人。そこが聴き分けられないことは、ある意味ラッキーなのかもしれない。なるほど、そういう時代の話なのかー.....。

 

時代といえば、そこかしこに時代を感じて、切なくなった。

 

例えば、ローマの舞台を第一幕だけで降りた「スキャンダル」は、現代で歌い手の心身の調子がよくなかったら代役が演るとかは当たり前のことなのだろうけれど、当時のその状況。

国の威信をかけた歌劇場のこけら落とし。国の重要人物も来る。自分が新しいオペラの時代を背負っている。自分の代わりに立てるほど華のある代役もいない。期待を一心に背負って、まさかできないとは言えない...という中で、誰にも助けを求められず、真正面から挑んで、そしてやはり成せなかった。しかしできるギリギリまではやりきった。

というところが、今であれば、本人が発信するメディアがあるだろうけれども、スターの言葉は間をつなぐ新聞やテレビなどのメディアがいなくては大衆に届かず、その中では書きたいイメージに沿って書かれてゆき、どんなに誠意を尽くして自分の言葉で語っても歪曲されたりカットされるということがあったんだろう、と思う。

 

誠意といえば、マリア・カラスが、どんな失礼なインタビューにも、たとえノーコメントであっても、相手を人として扱っている言葉を返していたのが印象的だった。いつもほんとうのことを表現しようとしてきた、とても正直な人だったんだろう。芸術に対しても深い愛があって、信じているものがあって、それを自分の使命として受け入れていた。でも、その姿勢や態度が悪く取られたか、故意にか、誹謗中傷の的になってしまったのかもしれない。(実際はどうだったかはもちろんわからないけれども)

 

今で言えば「毒親」のような理不尽に厳しい、歌の道を強いる母に育てられた少女時代を送っていたことも描かれている。より周りの期待に沿って、最先端のファッション、最先端のメイクを鎧のように纏い、完璧なステージを作ることで、この世界に居場所を得ていたように見えた彼女。それが、オナシスと出会って、一人の人間としての自分をのびのびと表現できるようになっていった時期の、柔らかで安らかな表情にはぐっときた。休暇先のまちでステージにあがり、一曲歌ったときのにこにこの笑顔。船の上でスカーフを直す仕草もすてきだった。

 

 

今回の映画の中ではそのカットされたインタビューやシーンなどもふんだんに挿入され、基本はマリア・カラスの話している言葉、書いている言葉で進行していく。

 

小さな言葉の中に彼女らしさがにじむ。

「使わないレシピを集めてノートに貼るのが私の唯一の趣味なの」

「家庭と仕事の両立は絶対無理」

「彼は凡人ゆえに他人の栄光にすがろうとしたの」

「大勢の人に歌心を感じてほしい」

「フランス人はほっといてくれるから好きよ」

「私生活の私、プライベートの私は単純で陽気な人間よ」

「私にとってオペラは自己表現」

「観客が感謝を示すので、私も感謝を返す。彼らが私をつくりあげた」

 

 

 

中でも、

「真価は時間が経てば証明してくれる」

「わたしは反論しないタイプなの。戦ってもムダ。時が経てば収まる」

という言葉どおりに、今まさに監督トム・ヴォルフによって名誉回復が行われているという感じがした。とはいえ、ラブレターまでも公開されていたのには、胸がちりちりとした...。

 

ここ数年、特にミュージシャンやファッションデザイナーなどの伝記映画、ドキュメンタリー映画が続いているように感じているが、それはどうしてなんだろう?とか、俳優がその人の役を演じるのと、本人や関わった人のインタビューとナレーションなどで構成していくのと、受け取り方はどう違うだろうかなど、「ボヘミアン・ラプソディ」や「アリー スター誕生」なども引き合いにしながら話して興味深かった。その二本ともわたしは観ていないので、ここで詳しく語れないのだけれども。

 

 

「子どもの頃から私はタフに見られてきた。でも実は違うの。私も生身の人間よ」

ということを、たぶん描いているのだろう。「真実のマリア・カラス」のような。

少し前の時代では、それを「恵まれない子ども時代、栄光と凋落、その哀れさ」といったような暴露的で観客の好奇心を刺激しようと煽り立てていた感があった。

しかし今つくられているものは、一人の人間の多面性を理解したり、時代の変遷を感じたり、自分との共通点・共感ポイントを見出し、それを今を生きる力に変えようとしている流れがあるのでは、と感じる。

 

 

わたしの共感ポイントは、オナシスとよりを戻した時期の言葉。

「もうお互いに自己主張しなくていい。愛人ではなく、深い友情で結ばれている」

激しい愛の時期を経て、紆余曲折あって、だんだんと流れが穏やかになっていく様。

そういうこと、人生であるよなぁ。

 

1975年にジャクリーン・ケネディ・オナシスが亡くなり、

1976年にアリストテレス・オナシスが亡くなり、

1977年にマリア・カラスが亡くなった。

偶然にしてはこの連続...。

 

この一本を観ただけではわからないことが多すぎて、他の切り口で語ればまた新たな面が出てきそう。でもほんとうに、人間ひとりの人生ってそんなに単純じゃないよね...ましてこんなスターであればなおさら...と思いながら帰途についた。

 

全体を通しての印象は、たとえて言うなら、「マリア・カラスのコスチューム展を開催している美術館のホールで、日数限定で上映されていたドキュメンタリー映画」という感じがした。その人物の一面を知るための概略的で補足的な資料の趣。

 

 

また一つ世界を知った。

観られてよかったし、感想を話し合えてよかった。

 

 

 

その後シェアしてもらった記事。ああ、あれもこれも...という感じ...。

www.tapthepop.net

 

 

映画「永遠のマリア・カラス」のレビュー。観てみたいような、少し寂しい気持ちになりそうな...。

marieantoinette.himegimi.jp