ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

ジョゼフ・コーネル展、また会えたね!

もうわたし今年はこれだけ観られたら十分!!!

ついについに再び相まみえた、ジョゼフ・コーネルの展覧会。

佐倉市のDIC川村記念美術館に、友だちと行ってきました。

kawamura-museum.dic.co.jp

 

 

わたしとジョゼフ・コーネルとの出会いは、高校生のとき。

1992年。今から27年前。

美術準備室に、このポスターが貼ってあったのがきっかけ。


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このポスターを見て、「あ、これはあたし行かなあかん!」と思いました。

小さい頃からスクラップやコラージュが好きで、一人でよく作っていたし、お気に入りの箱にお気に入りのものを入れてときどき眺めるのも好きだったから。

 

美術の先生に頼んでこのポスターをもらって、部屋の壁に貼りました。

自由な校風の、個性的な先生たちの中でも、美術の先生は一番好きだった。

会期がはじまるまで毎日毎日ポスターを見て、楽しみにしていました。

 

滋賀県立近代美術館は小学生の頃から、お世話になってきた美術館。

日本の、世界の様々な表現やアーティストを紹介してくれました。

今も厚い信頼を勝手に寄せている。去年平塚で小倉遊亀展に行ったのも、きっかけはやはりこの美術館。

 

このときの展覧会は、コーネル没後20年。日本ではじめてのジョゼフ・コーネルの回顧展で、神奈川県立近代美術館滋賀県立近代美術館大原美術館川村記念美術館と巡回していたらしい。

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そのときも、本や美術の話をよくする友だちと行って。

そしたらもう大好きになっちゃって。

なんであたしの好きなものばっかりあるん?

なんであたしこういうの好きってわかったん?と大興奮。

高校生にしては高かった図録も迷わず買いました。

それから高校卒業して家を出るまで、たぶんずっとポスターは貼ってあったんじゃないかなぁと思います。

 

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その話を昨年末、友だちがひらいてくれた「お気に入りの図録を見せびらかし合う会」で披露させてもらい、自分でも深い愛を確認したところで、熱い思いを抱えての今回の再会となったのでした。

 

 

好きすぎるものや自分の人生に関係があるものってやっぱりとても冷静にはなれなくて、うう...よかった...としかもう...。

 

コラージュ、箱、モンタージュフィルム、手紙、日記、習作...。
こんな貴重な展覧会を企画してくださってありがとう!

 

このポスタービジュアルもすてき。ポスターが黒で、チラシが白。にくい。

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▼夢中すぎてぜんぜんメモとれなかった。箱だけの部屋があって、そこは何回も行ってしまった。滋賀からも4箱きていて、1992年のポスターの箱もあった。また会えた!!

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▼ポストカード。たまらん...。ぜんぶ大好きなやつ。DIC川村美術館が持っているのも多いのよね。どうしてなんだろう。川村さんがお好きなのかな。今回は日本の美術館で所蔵しているものばかりで、この手分けして持っている感じとか、学芸員さん同士が「コーネル展やりませんか!」「コーネルほんま好きー」とか言ってるのかなって勝手に想像してむふむふした。

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▼展覧会限定マグネット。後ろにマグネットシートをつけた。かわゆい。

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▼図録はまだ刷り上がっていなくて予約。この洋書は観たことのない作品が載っていたので思わず購入。

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▼いつかどこかで買った宝物のポストカードブック。もちろん使えるはずがない。
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一緒に行った友だちと話したり、図録を読み返してみて、そうだよねぇ、と思ったのは、わたしはずっとコーネルの箱作品が好きなのだけれど、「好きなものだけを詰め込んだ宝箱のようなもの」という印象は持ったことがなかったなぁということ。

受け取っているのは、「特定の精神の状態」という感じが近い。
それは詩を読んだときになる状態とかなり近い。
わたしは詩人としてコーネルを見ていたのかもしれない。

自分自身から切り離され純化された記憶
森羅万象の神秘性、霊性、Spirituality
「外」への永遠の憧れ
深淵なイマジネーション
気配や痕跡の探究......

10代のわたしは、実際どのあたりに共鳴していたんだろうか。
あの頃のわたしと語ってみたい。

 

今回あらためて1992年の図録を読み返してみて、評論の中に、「近江八景」という言葉が出てきたのがおもしろかった。近江八景とコーネル作品の世界と、言葉ではうまく言えないのだけれど、通じるものがある。このことはしばらく転がしてみたい。

 

また、思いがけず、ディアギレフのバレエ・リュスとの交差が見つかった。わたしの中ではここ10年の中でインパクトある出会いのひとつがバレエ・リュス。様々な芸術のハブのような役割を果たしている。

 

図録の作品に現れている一つひとつのモチーフの意味も知ることができる。

個人の変遷だけではなく、作品制作に至った文化、技術、宗教、人種、地域な歴史や時代があることを知るとますます理解が深まるし、愛が深まる。

 

作品とは、その作者がどのように世界を見ているかの表れ。

鑑賞者とは異なる世界の入口に立って、表れ方を解きほぐし、背景にあるものとのつながりを見せてくれる編集や評論は、混沌の中に確かな視座と解釈のきっかけを与えてくれる。


図版も論文も豊富に載っていて、
個人的鑑賞体験も閉じ込められて、
形状も美しく凝らされていて。


ああ、ほんとうに図録という書籍が大好きだっ...!

 

 

▼別のとこの桜ですが、こういう季節に行ったなぁという思い出に。
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忘れたころに届くであろう本展覧会の図録が楽しみです。

 

冒頭に「もうわたし今年はこれだけ観られたら十分」などと断定しておいてなんだけれども、どうも今年は行きたい展覧会、いい展覧会が続々と待機していて、とてもうれしい。

 

次に楽しみにしているのは、東京ステーションギャラリーの「メスキータ展」。

bijutsutecho.com

東洋文庫ミュージアムで瞑想した

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前々から行きたかった東洋文庫ミュージアムに行ってきました。

http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/museum_index.php


三菱系の株主優待で招待券が余っているのでどうぞ、と以前いただいていたのをふと思い出し、天気もいいし、自転車をこいで行ってきました。

 

噂には聴いていたけれど、モリソン書庫はほんとうに圧巻でした。

ソファが2席置いてあって、2万4000点の本が収められた棚をゆっくりと鑑賞できるようになっています。ここにいると墓地というか、立体曼荼羅というか、銀河系というか、壮大な時間の流れや宇宙の理みたいなものに思いを馳せてしまいます。

岩崎久彌がモリソンから購入したのが1917年。約100年前。これからの日本のために、迷いなく大金を投じられる個人が(財閥という後ろ盾があったにせよ)、この国にいたということが、今の時代に生きていると、ちょっと信じられない...。

 

いつまでも座っていられる。

 

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写真だとなんのこっちゃなので、ぜひこれは現地で体験していただきたいなぁ。

オーディオガイドはスマホアプリをダウンロードすると無料で聴けるようになっています。

 

 

 

東洋文庫の収集品として、他にも詩経方丈記御成敗式目コーラン、聖書などが展示してあり、たいへん貴重なものを目にしている!とドキドキしました。

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翻訳で苦労した過程がアニメーションにしてあってわかりやすかったです。

インドの歴史と書誌の企画展も、一つひとつ解説が丁寧で、作っている方の人柄が感じられてナイスでした。さっそく山川の世界史の資料集を見ながらインドの歴史をおさらいしています。

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美しい本はやっぱりいいなぁ......。

 


「多様性の中の統一」

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「何かを失ってこそ学ぶものである」

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「知識を求めよ。たとえ遠い中国であろうとも」

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「実践を伴わない学者は蜜のない蜂と同じである」

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近所には青いカバ(本屋さん)もあるし、六義園(柳沢吉保の屋敷)もあるし、一人でぶらりと来てのんびり過ごすのがおすすめです。

 

 

 

そうそう、きょうのハイライトは、杉田玄白らが翻訳した「解体新書」の元の本のタイトルは、「ターヘル・アナトミア」ではなかったことでした。

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アルヴァ・アアルトを体験する、もうひとつの自然展

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東京ステーションギャラリーで開催していた、アルヴァ・アアルト展に行った。

この日は4月中旬だというのに、フィンランドみたいな寒さで、しかも雨が降っていたので、コートを来て傘をさしてガタガタ震えながら向かった。そんな天候なのに出かけたのは、会期終了間近だったから。

 

国土が広く、森が多く、人間が少なく、冬の陽ざしが貴重な国の建築だなぁという感じがした。

アルミン・リンケの写真は、建築に出会ったとき、建築の中にいるときの無意識の身体の感覚を的確に伝えてくれる。大きく引き伸ばされた写真の前のベンチに腰を下ろしていると、居心地がよい。

 

曲げ木のレリーフ、サヴォイ・ベースとスツール60の製造工程がよかった。 

 

パイミオのサナトリウムの再現は、近江八幡ヴォーリズ建築を思い出させる。結核の治療のための施設というのは、どこもこんなふうだったのかな。

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ヴォーリズ建築の100年:株式会社創元社より)

 

一番気に入った展示は、アルテックマニフェスト(1935)。タイプ、インク、紙。
こちらに写真が載っています。

www.comfort-mart.com

 

 

建築に詳しくなくても、 ただただ居心地がよくて、いっぱい深呼吸できた展示でした。

画期的で、代表的なデザインもあるのだけれど、行く前に想像していたような、「これがアアルトだ!」というカッチリしたものが内に残ったわけではなかった。

とても「自然」で、もうすでにそこにあるから、声高に言う必要がないくらいの調和、ということだったのかも。それこそがアアルトなの、かな?

 

現地に行って、直に感じてみたい。
そこの土地に行かないとわからない類のものがありそう。

 

 

 

左:東京ステーションギャラリー、右:名古屋市美術館

同じ展覧会でも随分と印象が違う。この2つのあいだに巡回した葉山も名古屋とほぼ同じデザイン。

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いつ来てもここの建物は美しくて大好き。


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6月末からのメスキータ展。エッシャーが好きなので、楽しみ。


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手持ちのエッシャーの画集を並べてみた。いいなぁ!


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bijutsutecho.com

 

 


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寒すぎて、ソウル・ライターの写真みたい。


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そういえば出たところに、こんなレリーフが並んでいた。

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あれ、深井隆さんといえば、わたし今年1月にたまたま退官記念展に行ってました。
こんな不思議な作品がたくさん並んでいた。黒井千次の小説を思い出したんだった。

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5/16・17話します『Noとリクエストを考えるシェア会』

友人の高橋ライチさんがセッティングしてくださる場で、こんな話をします。
ピンときた方いらしたら、来てくださるとうれしいです。

 

【Noとリクエストを考えるシェア会】
〜1/2成人式をめぐる学校とのやりとりを手がかりに〜  

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コミュニケーション・カウンセラーの高橋ライチです。
普段は主に「聴く」についての活動をしていますが、
セットとなる「伝える」についても時折シェアしています。

今回、私の友人・舟之川聖子さんが、1/2成人式の開催をめぐり
お子さんの通う小学校とやりとりをしたと聞いて、インタビューを申し込みました。
「伝える」の中でも、Noを言うことは、とりわけ勇気がいることではないかと思います。
さらにNoを言って終わりではなく、こうして欲しいというリクエストを出して
対話をするというのも、知恵や成熟が必要そう。

インタビューをしてみると、聖子さんの経験は、
想像以上に私自身にも勇気や気づきをくれました。
私ひとりだけが知っているのはもったいない。
いままさに、学校や地域コミュニティなどで、周囲の無理解に傷ついたり、
画一的なルールに合わなくて息苦しい思いをしている人がいたら、
このお話は役に立つのではないかと思い、聖子さんに相談しました。
普段から場づくりや表現活動を行っている聖子さんから趣旨に賛同ご快諾いただき、
皆さんとのシェア会を実現する運びとなりました!

「会場は、子どもの育みの話をするのでどこかあたたかいリビングのような場所で」
こんな素敵なリクエストを聖子さんからいただき、ぴったりの会場がありました。
自宅でパン講座などを主催しているふみかかさんにお願いして、ランチ付きの会に♪

当日の進行は、
・聖子さんからの体験シェア
・シェアへの質疑
・カウンセラーからのシェア
・参加される皆さんのご経験をシェアする対話(可能な範囲で)
を予定しています。

率直なNoやリクエストが、素晴らしい未来を創る。
その可能性をみなさんとも探っていけたらと思います。

 

《 5/16昼開催 》

■日時 2019年5月16日(木)10:00~12:30 
(11:30からはランチしながらの質疑。会場は13:00まで)

■場所 ふみかか亭(新高円寺駅より徒歩 個人宅につき詳細は申込者にお知らせ)

■対象 1/2成人式をめぐる学校とのやりとりに関心のある保護者、教職者等

■定員 9名(安全管理上、お子さんの同伴はハイハイ前までOKです)

■参加費 4,500円 ふみかか特製ランチつき(当日現金にてお支払)

■お申込み先 https://forms.gle/GtTgMrZbMpuJXYBm9

※録画について※
聖子さんのお話部分を録画し、別日程の講座で使用することをご了承ください。ランチ時の質疑は録画しません。

 

★会場&ランチ提供
ふみかか
中高生の2児を育てるフルタイムのワーキングマザー。育休中にハマったゴスペルと粉ものの講座を復職してからも続けて10年以上。これまで培った時間管理術や子どもへの家事伝授術などの講座やダブル受験の体験も伝えている。
ブログ https://ameblo.jp/fumikaka/
twitter https://twitter.com/fumikakapan



《 5/17夜Zoom開催 》 

前日の5月16日に、新高円寺ふみかか亭でのシェアを録画し、
この17日に開催する夜の部では録画をともに視聴してから
オンラインで参加のみなさんと対話をしていきたいと考えています。

 

■日時 2019年5月17日(金)20:30~22:30

■場所 オンライン会議室ZOOMを使用。ご自宅などWiFi環境から、PC、スマホタブレットなどでご参加ください。

■対象 1/2成人式をめぐる学校とのやりとりに関心のある保護者、教職者等

■定員 8名(安全管理上、お子さんの同伴はハイハイ前までOKです)

■参加費 3,000円 銀行振り込みまたはペイパル

■お申込み先 
https://forms.gle/RAaUaD1DXBsiPdRf7

当日の進行は、
・聖子さんからの体験シェア部分の録画をみんなで視聴
・シェアへの質疑
・カウンセラーからのシェア
・参加される皆さんのご経験をシェアする対話(可能な範囲で)
を予定しています。

 

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★ゲストスピーカー
舟之川聖子さん
幼少期より「場」と場にいる「人」に対して過敏な特性を持つがために、しんどい半生を送る。2009年に「場」の概念を知り、人と自己に出会い直す。ワークショップデザイン、ファシリテーション、コミュニケーションなどを学び、現在は場における関係性のデザインが専門のコンサルタント、アーティスト。ライフワークは表現と鑑賞に橋をかけること。10歳の息子と東京都内で二人暮らし。
ブログ:http://hitotobi.hatenadiary.jp/
note: https://note.mu/hitotobi
twitter: https://twitter.com/seikofunanok

★進行
高橋ライチ
コミュニケーション苦手、生きづらさ、息苦しさから心理学やコミュニケーションを学び、これを知らないために起きている不具合を世の中からなくしたいとプロになる。カウンセラー、講師として「聴く」「聴き方を伝える」「聴いてもらえる場をつくる」活動をしている。
ブログ  https://ameblo.jp/lychee-tangerine/
運営NPO  https://lis-mom.jimdo.com/
運営法人 http://www.tangerine-lab.com/

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ちょうど今はGW。日本の一般的な学校の年度がはじまったところ。

4月中、お子さんのいる方は、新しい環境に慣れるまでのケアを優先しつつ、学校や普段あまり接触のない他の保護者とのやり取りに、言いようのないストレスを感じていた方もいらっしゃったかなぁと思います。

まだ様子も振る舞い方も分からず、アンテナを張ったり、気負ったり、違和感を覚えて気持ちがざわざわイライラしたり。先日威勢のいい(?)ブログ記事を投稿したわたしもその一人です。よかったこともあったし、子が高学年になって慣れたことも多い。それでも感受性のつまみを意識的にゼロにしたり、見過ごせないことについて言うべきか言わないべきかを判断するのに、やはり4月は疲れました。

一旦GWという休暇があるのは、そういう点ではありがたいですね。しかも今年は10日間の長期です。

 

ただ、明けるとまた日常は戻ってきますよね。。^^;

 

...という中でのイベントの話。

 

子の通う学校という、自分の価値観によってつながることが目的ではない場において、何が共有できるのか。容易に逃げられない関係の中で、親として一個人として何を大切に、関わる人々と、どうこの環境を、時間を、生きるのか。どう行動するのか...。

起こったこと、感じたこと、考えたこと、行動したこと、を「NOとリクエスト」を軸にシェアします。

 

「体験を聴く」といっても、既に整理された(解釈して意味づけした)話をしているので、わたしへのケアを気にする必要はありません。わたしの話にご自身の経験を重ねてみたり、思い出されるエピソードや感情だけを大切にできます。当然、学校に対する批判もしません。

また、カウンセラーが主催しているので、安心してご自身の話もできます。

 

保護者の方はもちろん、教職員など、教育現場でお仕事されている方のご参加も大歓迎です。

お問い合わせはこちらへお気軽にどうぞ。

お申し込み、お待ちしております!!

 


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このまちの一箱古本市、今年もありがとう

今年も出店しました。 不忍ブックストリート 一箱古本市


マキさんとこのまちで催されるヒトハコに出始めて4回目。不忍は3回連続の出店が叶っています。

マキさんが描いてくれためっちゃかわいいチラシ。
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今年の大家さんは、根津駅徒歩30秒の不動産の「ハウスサポート」さん。

駅の近くでまずはここからという方も多かったのと、根津神社つつじ祭り中ということもあってか、お客さんほぼ途切れませんでした。

一時は入れないぐらいぎゅうぎゅうのときも。

大家さんやスタッフさんのサポートがあり、同じ場所に出店していた店主さんたちもいい空間を一緒に作ってくださって、過去最高の66冊が旅立っていきました。

 

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同じ会場の他の一箱たち。まにまに文庫さん。かわいいバスケットも商品。
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ちどり文庫さん。「地図にない谷」気になってたのに買い忘れた...。
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RAINBOW BOOKSさんの箱を撮り忘れている...。ので、こちらを貼っておきます!

レインボーブックス (@rainbb48) | Twitter

一箱業界で知らない人はいないというお方。これまでに300回以上出店されたとのこと!

 

 

わたしたち、トリとニワトリの箱はこんな感じ。ガーランドは3年もの(棒と紐も)
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それぞれ、ほんとうにぴったりの方の元へ。ほんとうにぴったりの方の元に行くんだなー。不思議でしょうがない。出会いには見えない力がはたらいてるんじゃないかって思ってしまう。

たとえば長年持っていたロバート・サブダしかけ絵本不思議の国のアリス」。

去年の一箱で出そうと持っていったものの、現地で「やっぱりもう少し手元に…」と引っ込めた。一年持っていて、やっぱり出そうと決めて、今回遂にぴったりの人のところへ。わたしの母くらいの年齢の女性が、ほんとにとっても喜んで連れて帰ってくださって。ああ、このときのための、「今ジャナイ感」だったのかぁ。

 

 

 

音読が趣味のわたしたち。「お買い上げの方に音読のプレゼント」を今年もしました。(マキさんは、歌も歌っちゃってた♪ あたらしい♪♪)

前日に値札をつけながら、「さて、どこを読もうかな」と探す中で、わたしが思うその本のぴかっと光るところがあらためて見えてくる。自宅の棚に並んでいるときは外に出てこなかった大切な思いに、その作業を通して気づけることがありがたいです。

そして当日音読させてもらって、喜んでもらえると、みんないい人に連れて帰ってもらえて、よかったねぇ、元気でねという気持ちになる。もちろん物だから、壊れるし無くなるし不要にもなるのは分かっている。でも人生でよい時間をくれたこと、出会いを介在してくれたことにすごく感謝があるから、最後の「握手」も丁寧にできてうれしい。手渡したという実感。

買うのに時間がかかるお店だったけど、皆さんおおらかに受け取ってくださって、ありがとうございました。

 

 

本を売ったり、買ったりするだけなら、もっと違う手軽なやり方があるんだろうけど、本ってやっぱり中身だけに用事があるんじゃない。人の読書体験を通過して、人から人へ渡ってくるものだと思う。みんなそれを楽しみに買いにくるし、会いに来るし、お店を出す。

 

あなたから買いたい。
ここで会える人とのつながりの中で買いたい。
あなたに買ってほしい。
そんなことがストレートに交わせるのがうれしい。

 

 

盛大におすすめしてよくて、愛を語ってよくて、音読もしていいし、好きすぎてなかなか捨てられなかった毎日小学生新聞のバックナンバーや、友だちが出演していておすすめの映画「沈没家族」のチラシを渡したりもしちゃう。
なんてすてきな場でしょうか!


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 「観に行く予定だった」「知らなかったけど観てみたい」などの声も聴かれました。なんとなく、こういう古本市に足を運ぶ人なら、お好きなんじゃないかなぁと思った。

 

 

わたしは本や読書以外にも、映画も展覧会も舞台も、あらゆる表現物がそんなふうに鑑賞され、体験を通じて体温を感じながら人の手に渡っていくといいな、それが生きる希望になるといいなと思って場をつくってるんだけど、このヒトハコならではの体験で、毎年勇気や活力をもらう。

 

わたしとマキさんが、それぞれこのまちでいろんな人と事と出会い、考え感じてきた時間と、ひらく方、来た方の時間と、まちのもつ力と、いろんなものがぴったりと組み合わさって、この日しか開かない扉が開くっていう感じ。

 

そういう非日常で、質量と熱量の交換を、少なくとも66回はやったものだから、二人ともへとへとで、帰ってすぐバタンキューで寝て、また夜にごそごそ起きてきて、楽しかったねーありがとねーまた来年も出たいねー、と言い合うのもまた幸せで。

 

変わってゆくし、終わりのあるわたしたちだから、こうして願えることが貴い。

 

場をつくってくださった方、足を運んでくださった方、差し入れしてくださった方、協力してくださった方、見ていてくださった方、このまち、マキさん、ありがとうございました。

 

次は当たらないかもしれないから最後のつもりで...なーんて言ってたけど、やっぱりまた来年も出たい〜!!

 


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しかけ絵本は読み聞かせしてお渡し。しあわせ。「わたしのほうが気に入ってて」と聞いてたら、買ってくださった方も「わたしが欲しくて」と♪なんかつながってた。

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きのうの一箱古本市のお買い物。探していた本ばかりでうれしい。

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他会場に買いに行けないので、同じ会場の一箱さんたちから。二人いるから交替で抜けてもいいわけだけど、やっぱり説明や音読は本人からしたいよねって思う。座っていてくれればいいからみたいなのとは違うし。
そのへんががんばりすぎちゃう原因でもあり、一箱に出店することの醍醐味でもあり。
 
 
友だちだけど、一箱に出ることで知るお互いの知らなかった一面があったりして、それも楽しいんだよなぁ。マキさんが自宅の庭から持ってきてくれたコデマリ。今はうちに飾ってます。

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一箱古本市に出した本がほしい人に届いた後、自宅の本棚は「今のわたしが一緒にいてほしい本」「わたしだけの図書館」として充実していて、とても素敵な眺めです。

古本市に出るまでいかないけど、二束三文で売るのは忍びない、という方にはこちらもありますよ。NPONGOへの寄付・募金になります。

 

www.charibon.jp

 

 

バリューブックスは、こんな取り組みもしているみたい。

www.nabo.jp

 

 

一箱古本市は日本全国いろんなところで開催されているので、自分のまちや、近くのまち、ご縁のあるまちでひらかれていたら、出店してみるのも楽しいですよ!

やっぱり場はひらくほうがだんぜん楽しい^^

 

 

 

▼GWもご相談お受けしてます▼

 

Information

自分の好きなもの、好きなことをみんなに紹介する、みんなで愛でる会、イベントの企画・設計・進行・宣伝のご相談にのります。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

 


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《未経験者歓迎!》5/14(火)爽やかな集中感・競技かるた体験会

ずいぶん先と思っていたら、あっという間に1ヵ月後だ!お知らせしなくては!!


5/14(火)13:30-15:30 爽やかな集中感・競技かるた体験会をひらきます。

coubic.com

 

横浜にある「Umiのいえ」というスペース・コミュニティでひらく3回目の会です。

 

未経験やほとんど体験したことがない方向け。
歌は一首も覚えていなくても大丈夫です。

  • 漫画や映画の「ちはやふる」で知ったけれど、どこか実際にやってみられるところを探していた。
  • 小さい頃にやっていた百人一首をもう一度やってみたくて。
  • 自宅と職場の往復の日々に刺激がほしくて、探していて、競技かるたに行き当たった。
  • 子どもが学校で習ってきて夢中になっているが、自分はやったことがないので相手ができないのをなんとかましにしたくて。
  • 自分や子どもがかるた会に入ろうと思っているが、事前に何をやっておくといいのか知りたい。

などなど、どんな動機の方も大歓迎です。
(上の声は、実際に今まで来られた方がおっしゃってました)

 

前回のお知らせ前回のレポートにも書きましたが、18歳以上限定の会にしているのは、どうしても大人の方に体験してほしいのです。

少ないとはいえ、子ども向けの体験の場は探せばあるにはあって、でも大人が体験できる場がほとんどない。入会の覚悟を決めないとかるた会には行けない。日常的にやるほど好きになるかわからないけれど、正式な競技かるたを体験してみられる場があれば行ってみたい、という方は多いです。

多いです、という確信が持てるのは、わたしが5年ほど「かるたCafe」というコミュニティをつくってきたからです。のべ800人ほどの人とかるたを通して会ってきた5年の中で、はじめてかるたに触れる人にとって、どういう出会い方が一番いいのかを考えて場をつくってきた経験と、競技者として3年弱やってきた経験をもって、この場をガイドします。

 

これを機に競技かるたをはじめてくださってももちろんうれしいけれど、できるようになること(習得)を目指すというよりも、その世界に橋がかかって一歩渡れた!という実感を持って帰ってもらえたらと思って、わたしはひらいています。

 

どういう成り立ちで、どういう歴史を経て今ここにあるのか。
どういうルールで、どういう仕組みで、どういう力が必要で、何を大切にしていて、何がおもしろいのか。
わたしが解説もするし、そのままに皆さんに体感もしてもらいます。

 

単純に「こういう世界があるのか!Amazing!」な体験を、動画で見るだけじゃなくて、自分自身の身体で体験してみてほしいのです。そこから発見することがすごく大事なので、十分に分かち合いながら進めます。

 

わたしなりの競技かるたの普及への情熱をもって、ひらきます。

 

あまり他ではやらない講座だと思います。
お申し込みお待ちしております。

 

詳細、申し込み、お問い合わせはこちらへ

coubic.com

 

 

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《Information》

●出張講座、承ります。

参加者4名以上で承ります。2時間の場合は競技かるたをメインに、2時間半〜3時間の場合は百人一首の歴史などもお伝えします。実施例 をご参考に。謝礼についてはお問い合わせください。

 

●お子さんのための百人一首オンライン個人授業、承ります。

子どもが学校から百人一首の暗記の宿題が出たが、覚え方がわからない、乗り気じゃない。おもしろさや楽しみ方を知ってより前向きに取り組んでもらいたいが、親の自分は百人一首に親しんで来なかったのでどうすればいいかわからない.....などのお困り事や興味に応える授業です。

暗記の仕方はもちろん、百人一首の歴史的・文化的背景、特徴、歌人のプロフィール、歌の味わい方などもお伝えします。過去の実施例はこちら。対面もOKです。授業料は60分¥10,800(税込)〜です。

 

百人一首や競技かるたの趣味の会を立ち上げたい方へのアドバイス、承ります

2012年1月〜2017年9月まで、かるたCafe〜百人一首を楽しむ大人の部活というコミュニティを運営していました。また2016年に本格的に競技かるたをはじめてからは、有志の練習会も催すこともあります。
場づくりのプロのアドバイスを受けながら、会の趣旨を立て、場所を選び、仲間を集め、当日の進行を準備し、運営に取り組んでみませんか。(※全日協の登録会を目指すための情報やノウハウ提供ではありません)
オンラインまたは対面にて。コンサルティング料60分¥10,800(税込)〜

 

お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム

 

 

森絵都「みかづき」を読んだ

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みかづき森絵都集英社

 

長い知り合いが熱くおすすめしていて読んだ本。

長い知り合いっていうのもうまく言い得ていない気がするけど、8年前にお会いしたきりで、友だちというほどにはよく知らない方。しかし何年もSNS上でやり取りしてきて、お互いの核・本質のところを見せ合ったりしているものだから、単に知人と言ってしまう「よそよそしさ」もなんか違う...。ということで、「長い知り合い」。

 

 この文章にぐっときて、読んでみようと思った。

bookmeter.com

 

わたしが生まれ育ったのは関西なので、千葉あるいは首都圏の教育事情はよくわからない。地名も固有名詞もいまひとつピンとこない。

しかしそこにとらわれることはなかった。

この国の教育として、世代ごとの教育事情を時系列で追っていく物語の流れに飛び込めて、夢中でページを繰った。

 

そのとき、そのときで、親(保護者)も子も、そして教育現場も、翻弄され続けてきたんだなぁ…とまず思った。その時代の国の政治、経済、社会の情勢など、さまざまな要素が絡み合うの中での教育。「多数派」や「正しさ」に翻弄されながら、自分の信念を持ち、行動する登場人物たちのリアリティがすごい。

 

戦後から今までの日本の歴史を「塾」で串刺してみたからこそ見えた世界、という感じ。

 

この国で教育を受けてきたわたし。

「そうか、こういう文脈の中でのわたしの小学校時代、中学校時代、高校時代だったのか...」と、アカデミックな教育論やルポルタージュとも違う小説ならではのアプローチに、憑き物が落ちるような、晴れやかな気持ちになった。

 

わたしだけの憑き物というよりも、時代の傷を物語で癒しているふうにも感じられた。

 

「自分はこのような状況の中でどうしていこうか、この社会をどう泳いでいこうか、何を軸に決断していこうか、子に何を手渡してゆこうか」と問いを向けることが、ルポルタージュなど、ノンフィクションのものではよく感じるのだが、小説でそう思わされることは珍しい。

実在の人物だったら呑み込みづらいことも、架空の人物の人生を追い、感情を擬似体験できる物語だからこそ可能になる。

 

わたしが親となって子を育てる、今まさに教育を考えている最中だからとても響いた。

 

物語の力を再発見する体験でもあった。

読めてよかった。

 

 

直後のツイート。

 

 

 

 

この壮大な物語を、どのようにドラマ作品として成り立たせたか、工夫があったらしく、話を聞いているだけでおもしろそうであった。
本質の受け取り方のルートの違い。

再放送ないかなぁ。

そういえばギリシャ神話ってなんだ?の会

「そういえばギリシャ神話ってなんだ?の会」というのをやることになりました。
読書仲間の潤さんと。(潤さんのブログはこちら

 

クローズドな会になると思うので、一般募集はしない予定ですが、記録しておくと誰かのなんらかの役に立つかもなーと思うので、書いておきます。

 

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わたしは、場をつくるお仕事をしていますが、「子どもの頃に一旦出会ったことに、大人になってあらためて見て、知って、ふれてみたらすごくたくさん学びがあった!出会い直した!」ということも大きいテーマだなぁと意識しながら活動しています。

競技かるたや美術鑑賞や料理や社会科や園芸やラジオや山登りやら、なんやらかやらもけっきょくぜんぶこれなんじゃないかと思う。

大人になった今、多様な視点を得ているからこその見え方の違いや、知識や体験同士をつないで体系化する力、理解の深さに、我ながら驚くことしばしばです。「それ」そのものを磨いてきてはいないけれど、人生経験をたくさん積む中で関連するものにたくさん出会ってきていることを確認します。

 

・子どもの頃に熱中してた、疑問を持ったわたしありがとう!
・やり残したことを大人になってできるっていいな!
・生きるって希望があるな!

というメッセージを発信したり、人と共有している。

 

それをさらに、

  • 今の時代に、この場所で、何をテーマに持ってくるとおもしろいか(①よく知ったつもりで実はしらない、②聞いたことはあるけれど実はしらない、から選ぶ)
  • 偉い専門家の先生から教わるのもおもしろいけれども、「好き!おもしろい!」と思っている人からシェアされたり、参加する人の知見や感性からの表現をシェアすることでより深い体験ができる
  • 真ん中に据えるものを鑑賞することで交流やつながりを生み出す場をつくり、デザインし、動かす、営む

...というのが、わたしのお仕事です。

 

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そこで、今回の会の経緯。

わたしが一昨年から聖書を学んできて(信徒ではない観点から)、次は仏教かイスラム教かと思っていたのですが、ふと、神話?それもギリシャ神話じゃなかろうか?思っていました。ギリシャ神話も文学や音楽や美術のテーマにたくさんあるんだけれども、読み解けなくて理解が浅いということが気になっていました。

 

そこに加え、最近別の短歌というラインから「古事記」を読みかえしてみて、世界の成り立ちの違いにびっくりしたり、見え方の違いがおもしろかったということがあった。そういう話を潤さんとしていて、神話の会やろう!となりました。潤さんは学生時代に比較神話学を研究されていて、今も大好きなテーマとのこと!

 

「そういえばギリシャ神話ってなに?」では、
ギリシャ神話はどういう成り立ち?全体像?構造?
日本の神話や他の国の神話と比べたら?
この神話が現代のわたしたちに与えている影響は?
などを潤さんのレクチャーや全員でのディスカッションを通して探ろうと思っています。なにか課題本を読んでみるということも考えている。大人のわくわく勉強会みたいな感じ。

 

この場で他の人たちと過ごしてみたあとの、世界の見え方の変化を楽しんだり、個々の探究テーマが見つかったり、社会の中でどう生きていくかを考えたりする、ここから先にまた展開するきっかけになったらおもしろいなぁと思っています。

 

ギリシャ神話は、突き詰めていくと、宗教とかジェンダーとかにもつながっていくから、その人の「生きること」に触れていくんじゃないかなぁって気もしている。それが中心というより、なんだろ、そうなっていくような重厚なものを抱えたテーマであるという心算でやる感じ。実際の勉強会は、そういうものを取り扱いながらも、わいわいツッコミまくりの楽しい会になると思う。3,000年余裕で続いている盤石なものだから安心。

 

新年度になりお互いの子の学校行事などもあるので、日程調整や会場などはこれからですが、そんな感じで立ち上げました。潤さんとは以前も一緒に読書会をひらいたことがあるので、なんとなく間合いもわかっている。楽しみです。

 

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Information

自分の好きなもの、好きなことをみんなにシェアする、みんなで愛でる会、読書会、勉強会など、イベントの企画・設計・進行・宣伝のご相談のります。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

春のかるた合宿@茅ヶ崎館、ひらきました

こちらでお知らせしていた茅ヶ崎館での競技かるたの合宿は、のべ22人のかるたーさんにご参加いただき、洩れ聞いた話では皆さんそれぞれにご満足いただけたみたいで、とてもよい時間となりました。

 

映画「ちはやふる-結び-」のロケに使われたお部屋でかるたができるのは、いつもの練習とは違ってやはり特別で、かるたがぐんと上手くなりそうな気がします。


翌日は地上波で映画「ちはやふる-結び」の放映がありました。15分ぶんぐらいカットされていたので、全く別のお話のように見えてしまったのが残念。でもいろんな人が「結び」の魅力をなんらかの形で受け取ってくれていたなら、この映画が大好きなわたしとしては、とてもうれしい。

 

参加してくださったかるたーさんの中に、「このシーンぼく写ってますよ」と言っていた方がいたので、観てみたら、ほんとにいた!!わぉ。

 

茅ヶ崎館は築120年の古い建物ですが、丁寧にきれいに使われて、たくさんの人に愛されて、ゆっくりと穏やかに息をしているようでした。その中で一泊過ごせてよかった。夜のごはんがすごく美味しかったです。一つひとつ丁寧で。

館長さんはかつての別荘やお屋敷のある茅ヶ崎の風景を遺そうという活動をされている方で、旅館としてだけでなく、いろんな文化活動にひらいて、まちの魅力を発信しています。そういう思いのある方のところでひらけたのもよかったです。

 

ただ、海が近いからか、風がとても強くて、風の音やすきま風に戸や窓がガタガタする音に酔って、あまり眠れなかった。わたしやっぱり海の近くは怖いんですねぇ。。

でもそれが、朝起きたらすっかり静かになっていて、鶯がホケキョと鳴いていて、別世界みたいでした。

 

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新年度にあたり

きのうから息子の学校がはじまった。

年度が改まる感覚は、学校に行っている子どもがいると特に強く感じられる。そこにはコントロール不可なリフレッシュ感があって、所属する団体のないわたしとしては、とてもありがたく感じる。

 

登校してすぐ、クラスを聞いて、仲のいい子の行き先を確認して、そのあとに大好きな先生が今年も変わらず担任だと聞いて、思わず涙が出ちゃったの......と息子。

よかったねぇ。わたしもうれしかった。

担任の先生が誰か、どんな人かは、子にとってもちろん重要だけれど、保護者にとっても大変重要だということを、保護者をやってよくわかった。

対話できるかどうか。

 

 

3月の1/2成人式があった翌週に、先生に時間をもらって、1時間ほどお話した。

この学校の1/2成人式は、趣旨や内容や進め方に、保護者としても個人としても看過できない部分があり、申し入れをした。話し合いの末、子もわたしも欠席した。

欠席できてよかったと心から思っていること(でも穴を開けて申し訳なかったこと)、それまでの2年間、先生に担任をして、日々みてもらって、ほんとうに感謝していることなどを伝えた。

こちらが見ている風景や実感を一生懸命伝えたら、先生からの風景も伝えてくれて、その交換がフラットにできてよかった。自分の話を聴いてもらえたこともうれしかったし、先生の話を聴かせてもらえたのがありがたかった。率直で素朴で真摯で。

それで最後には、「息子もわたしも来年も先生に担任になっていただきたい気持ちがあります」と告白(!)できた。

話に行くか迷って、友だちに相談したり、ぐずぐずしながら、結局最後は息子の「大事な気持ちは伝えたほうがいいよ!どうだったかあとで教えてね!」という言葉に背中を押してもらった。

 

それまでの先生との関係もあるけれど、1/2成人式をきっかけにした対話があったからの、よりよい時間だったなぁと思う。立場をわきまえながら、可能な限り、勇気をもってひらいてゆくことができた。

式自体は、結果的には欠席で終わったのだけれども、自分が声をあげたことで、先生や学校とよい関係ができてよかったと思っている。

 

自分の中で、「既存のものはどうにも動かなくて、オルタナティブ路線をいくしか生き延びる方法はない」という怖れからくる信念があったのだけれど、それがするするとほどかれていったような出来事だった。こういう経験ができてほんとうによかった。


今ふりかえって思うのは、自分にとって切実なことが出てきたときに、対話の機会を持つという行動は、すごく勇気の要ることだなぁということ。個人的で個別的なことで、意見を出していいのかな?クレームって思われないかな?と迷うし、そもそも切実であればあるほど、それを言語化することが辛いので引っ込めたくなる。

でもやっぱりその切実さは理解してほしいし、信頼している相手だからこそ、一緒に考えてもらいたいという気持ちがある。それを認める。

あるいは一緒に格闘してもらいながら、信頼が高まっていくことに期待する。

 

リクエストは出せる(クレームではない)。
中には断れることもある。お互いに。

そして望んでいる通りに事が動かなかったとしても、石は置ける。薪は投下される。(薪はいずれ時期が来れば着火される)

 

伝えることで世界に自分の居場所がふえる、広がる、かかわる領域がストレッチされる、さらに息がしやすくなる、世界と自分とのつながりが強くなる、自分と世界への信頼が高まる。

短期的にどうにかならなくても、お互いに中長期的に影響を与え合えることにつながると、という希望がある。

このエネルギーの磁場を発生させるということが、次につながっていく気がする。

循環させるエネルギーを自分からつくり出す。

 

相手の可能性も自分の可能性も信じて、両者で作っていく関係やビジョンに希望を持ち続けていたい。

お互いに自立しながらも必要としあう、愛と信頼をベースにした成熟した関係を、自分の中とまわりに作って、自分を生きやすくしていきたい。

 

 

昨年度、PTAの委員として企画し、高橋ライチさんを招いてひらいた「子どもの話の聴き方講座」にも先生は出てくださって、すごく勉強になったとあらためて伝えてくださって、ありがたかった。(関連記事

小さな石だけれど、結晶を手渡している。かがやきの、命の長いものを手渡したり、ほうぼうに転がしたり、これからもしてゆこうと思う。

 

わからない、知らないから教えて!
知らなかったよごめんなさい!
じゃあ一緒に考えようか!

と言えるって、人として大切なことだなぁと、先生から教わった。

 

教え合う、教わり合う。関わる、関わりあう。

子の時代の、自分が親である時代の、学校公教育は、相互的で共感的で、ほんとうは自由度が高いものなのではないかと思えてくる。

友人たちがシェアしてくれることもありがたい。

「学校って場としてすごく可能性あるところだと思うから、せーこさんの存在が光になると思う」
「遠い人だとこちらが思うと、遠くなってしまうけど、本当はこちらからどんどん近づいた方がいい存在だな」

うん、ほんとうに、そう。

 

そう思えないときもあるし、実際の過程はぎしぎしざりざりどろどろした感情にもまみれるし、そっちが優勢な世界があることも知っている。

でも、自分の生きている現場では、日々、よい実感の話をコツコツと積んでいこうと思う。

誰かのためというより、なにより、自分がそこに希望を持って生きたいから。

 

 

巡る春。

 

 


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ソフィ・カル展「限局性激痛」

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「きょうしかない!」と、ほぼ導かれるように行った、ソフィ・カル展「限局性激痛」。

 

わたしにとっては2013年に原美術館で開催された「最後のとき/最初のとき」の御礼参りとして。「きょう」を迎えられたこと、それを「ここ」に報告しに来られたことをしみじみと味わいながら、品川駅からの道を歩いた。

 

わたしにしかわからない方法で、わたしはソフィ・カルの作品を理解している。
いろいろな鑑賞対話の場をひらいてきたけれども、この展覧会は特別で、これは人と容易に分かち合えない類の体験だと思い、企画も何もしなかった。友人とも感想を交わしていない。

 

会期がはじまってから、何度も行こうとしかけたけれども、レビューを読むにつれ、だんだんと「怖く」なり、心身ともに元気で晴れた日に行って、観ながら「わぁあぁあ〜」と身も心も十分にもっていかれても、とにかく帰宅して布団に倒れ込んじゃえばいい!...という日に行こうと心に決めた。

 

でも行ってみたら、レビューに書いてあるどんな内容とも実際の鑑賞体験は異なった。

わたしは彼女のユーモラスでチャーミングなところがとても好き。
繊細さとタフさ、思慮深さと図々しさも。

いや、実際は知らないけど。
作品から受け取っているのはそんなところ。

 

何よりあのとき「生きなきゃ」と思わせてくれた、原美術館での「最後のとき/最初のとき」。それからきょうまで続く、わたしの人生とのシンクロニシティ。この実感がすべて。

どんな分析や批評もどうでもよくなる。
そのくらい作品にも展示にも力があり、わたしにとって超個人的でかけがえのない鑑賞体験になった。

 

その日わたしはたまたまクライン・ブルーみたいな青のカーディガンを着ていたので、入った途端、イヴ・クラインの作品があったし、展示の中にもクラインの作品があって驚いたりもした。

 

他の人にとってこれがどのような体験になったかはわからないけど、ともかく、原美術館でのソフィ・カル展に、人生のこのタイミングでまた立ち会えてよかった。

 

今年いっぱいでここ御殿山の原美術館は閉館する。まだ来られるチャンスがあるかな。

(美術館機能や収蔵品は「移転」だけれど、ここにある美術館としては閉じられる)

 

 

▼2013年の展覧会のときの感想。 

uyography.blogspot.com

「みみずくは黄昏に飛びたつ」を読んで

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借りた本。

ずーーっと手元にあったのに、読んでは寝かせて考え、読んでは寝かせて…とやっていて、どうがんばってもすこーーしずつしか読めなくて、完読するのに2年近くかかってしまった。貸してくれた人が気の長い人でほんとうによかった。

脇目もふらず一気に通読してしまう本もあれば、こんなふうにちびちび時間をかけて読む本もあって、ほんとうに本って不思議だ。

 

 

わたし自身は、小学生の頃から村上春樹の作品は全て読んできて、「お世話になった作品」もたくさんあるのだけれど、読書会で村上春樹を持ち出すと紛糾するので慎重になっている。苦手な人の話をたっぷり聴き、わたしがお世話になったと言える理由を丁寧に聴いてもらった経験が去年あって、そのときのことをここに書いた。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

これを書いたことで、自分の中でひとつ軸ができたので、苦手という人の反応があっても特に気にならなくなってきた。場で出すときはより柔軟に、丁寧に扱えるようになった。去年あったよい体験のうちの一つだ。

 

このインタビューをまとめた本では、苦手な人が苦手に思っているであろう部分のところを、川上未映子さんが(村上春樹川上未映子さんって、片方にさん付けなのどうなんだろう...)丁寧に言語化して本人に質問してくれている。(ようにわたしには感じられる)

 

川上さんが、まるで読者を代弁するかのように、一つの問いをぐりぐりと、良い意味で諦めず、言い方を変えながら、知りたい、見たいと突っ込んでいってくれる様子が頼もしい。(だから表紙カバーも「訊く」なのだな。たずねて答えを求める、問う)

 

 

本を返す前に、栞をいくつか挟んだ箇所を見返してみると、「ああ、そこは確かに今読んでも興味深いね」というところばかりだった。

 

引用してここに載せようかと思ったけれど、インタビューには流れがあるから、うまく切り取れなかった。

 

一箇所だけ、とても大事だなと思うところを置いておく。

 

(p.90-91「アンダーグラウンド」についての話の流れで)

 

ただ、客観的なオブザーバーとして実行犯の人たちを見ていると、彼らもやはり罠に嵌まった人たちだなという気がするんです。罠に嵌まるのは自己責任だといわれればそれまでなんだけど、でも、そうじゃない。罠というものは、嵌まるときはすぽっと嵌っちゃうんですよね。それは僕自身についても言えることだし、僕のまわりの人たちを見ていてもわかる。人生は危険な罠に満ちていると思います。ぞっとするようやことが人生にはたくさんある。でもそのように説明して世の中を説得しようとしても、そんなことほとんど不可能です。「罠というものは、嵌まるときはすぽっと嵌っちゃうんですよね」とすらっと言っても、多くの人はたぶんうまく実感できないでしょう。その構文をいったん物語という次元に移行させなければ、ものごとの本質は伝えきれないんだな、と僕はあの本を書いていて実感しました。

(中略)

実際『アンダーグラウンド』を書いているときに、現実に生きている人の怒りとか憎しみとか、困惑とか迷いとか、それから失望とか、後悔とか、そういうものを目の前にして、それも命をかけてそう感じている人たちを見て、強く胸を打たれるものがありました。それはその後の小説に反映されているはずだし、またされていてほしいと思います。

 

 

 

わたしはインタビューをするのも、されるのも、好き。
こんなふうにわたしもインタビューをしてもらったことがあるくらい。

note.mu

 

 

だから、「みみずくは黄昏に飛びたつ」のように、みっちりと丁寧に行われたインタビューが、たっぷりと惜しみなく公開されているのはとてもうれしい。ありがたい。

自分が読んできた物語の作者からはこんなふうに見えているんだ、小説家同士だからわかることを話し合っているんだ、「側(がわ)からの風景を見る」ことには、新鮮な驚きと喜びがある。

 

読めてよかった一冊。

こういう場を待っていた!4/21(日)は参加型対話イベント「沈没家族のそのあとで」へ!

わたくし、4/21(日)映画「沈没家族」で《参加型対話イベント》のファシリテーターを務めることになりました!

 

映画「沈没家族・劇場版」を観た方と、配給、監督、出演者が対話するイベントです。

12:00の回の後、1Fのカフェポレポレ坐で行います。

 

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2017年の「卒業制作版」を見た時にこんな感想を書きました。

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このときに、他の人の感想が聴いてみたい、と強く思っていたのでした。

それが、今回さまざまなご縁が重なって、友人のライチさんと共に、制作や興行に携わる方々と場をひらいて実現できることがまずとてもうれしいです。

そして、わたしはこれまで表現と鑑賞に橋をかけるお仕事してきましたので、表現者と鑑賞者が混ざり合いながら対話できる場が生まれることがうれしい。

さらに、もともとわたしが東京に来たのも、映画の配給や宣伝に関わる仕事がしたかったからなのです。もう感無量です。

友人の生涯に深くかかわる大切な時期の出来事について、本人も出演している映画で、友人の「家族」が撮っていて、さらにわたしが心打たれて今も忘れられない映画であるところの「隣る人」「石内都」「さとにきたらええやん」を手がけた配給の方と一緒にひらけるとは。これを僥倖と言わずして......です。

 

 

 

これまでにない場になると思います。鑑賞&対話表現の文化が生まれる、広がる、一種の社会変革だと思っています。

観客同士が話すだけではなく、制作者たちが観客に向けて一方向的に話すだけでなく、「側(がわ)」を意識しつつも、「側」を超えていく取り組みです。

大胆にもプロフィールに「アクティビスト」と入れました。それによってわたしの肚が決まった感じがあります。

 

・観に行く予定だった!話したい!よくぞ企画してくれた!
・気になりつつ迷っていたけど、しゃべる場があるなら行こうかな!
・その映画知らなかったけど、なんとなく気になる。

など、どんなきっかけの方もウェルカムです。ぜひぜひ足をお運びください!

  

 

「観て、どうだった?」を語りたいので、事前に鑑賞をお願いしています。

いつどの回を観てもOK。当日12時の回の直後にホヤホヤの感想を語るもよし、しばらく時間をおいて沈殿させてから語るもよし。

さらに...当日はイベントでたっぷり語ったあとに、17時の回にちょうど間に合っちゃうんですよ...!!語ってからまた見返すのも新しい体験になりますネ。

 

★事前予約制です。チラシまたは下記のリンク先をご確認の上、お申し込みください。

2019.4.21『沈没家族 劇場版』参加型対話イベント 「語らずにはいられない!「沈没家族」のそのあとで | Space&Cafe ポレポレ坐

 

 

いろんなトークイベントもやってます!いつ行ってもおもしろそう!

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▼前売り特典のクリアファイル。このポスタービジュアル最高!

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▼場の制作メモ(部分)

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観ながらしゃべるのも味わい200%!(白鳥の湖をみる会)

先月のこと。友人がバレエ「白鳥の湖をみる会」を企画してくれて、参加してきました。

バレエのことはあまりよく知らなかったわたしでしたが、この友人に引き入れられて、ライブビューイングで「くるみ割り人形」を見て、すっかり魅了されてしまいました。この会をやりたい!と言ってくれたこともうれしかったし、さらに、その場づくりをお仕事として相談をしてくれたのもうれしかったです。(60分のセッション1回ご利用

 

 

自宅で。

6人で。

録画を55インチぐらいのテレビモニターで観る。

NHK-BSプレミアムシアター、英国ロイヤル・オペラ・ハウス、2018年

 

事前に資料として、
・作品の基本情報&ざっくりストーリー
・見どころ紹介
を送ってもらい、

これを観るといいよ、というYoutube動画をシェアしてもらい、予習して当日。

 

食べ物、飲み物を持ち寄り。

しゃべりながら観るか、静かに観るかは当日に任せる。

 

実際には、みんなで口々にアテレコしながら(バレエはセリフがないから)、解説しながら、感想を言いながら、ライブなオーディオコメンタリーみたいにわいわい鑑賞。

 

とても楽しかった。

よく理解もできたし、味わい度200%!

こんなにたくさんの解釈を一度に聴きながら、自分の実感もすぐに話せるってエキサイティングです。他に何に似てるだろう?ちょっとパッとは思いつかない。けど、とにかく楽しい。

 

一番よかったのが、「王女と王子のロマンティックでドラマティックな悲恋物語」だと思っていたのだけれども、実はたくさんのテーマを内包していた。ジークフリート王子の思春期からの成長だったり、悪魔ロットバルトの癒えようのない孤独だったり、オデットとオディールの二面性だったり、、

 

バレエって男性と女性の役割がきっちりしているように見えて、近年は少しずつ変わってきているという。逆にその部分にはとてもセンシティブ。

コンテンポラリーの映像も少し見せてもらったけれど、衣装も振り付けも、もうどちらかわからない、どちらでもいいという感じ。違いはある。しかし、囚われない。お互いを縛らない。クラシックでも、女性ダンサーの引き立て役としての男性ダンサーではない演出が観られる。

 

いつもの鑑賞対話の場だと、劇場や館でまず一人で観てから(家で一人で本を読んできてから)、感想を話すという流れなのだけれど、こうしてリアルタイムで、観ながら話すってアリだなぁとあらためて思った。

美術館に友だちを2人で行って、同じペースで作品を観ながら、それぞれについて感想を言いながら順路を歩いていく感じに似ている。

 

これはぜったい良いから、みんな友だち誘ってやったらいいと思う!

近くにバレエのことを話せる人がいないという人は、広める、育てるつもりで場をひらいてみてはいかが?

場のつくり方はわたしに相談してください^^ 

 

 

彼女の、こういう集まりをずっとやってみたかった!という夢が叶って、そのお手伝いができたのもうれしかった。その彼女の、白鳥な湖でもあるので言ってみれば、真実の愛がみんなを夢中にさせたのだと思う。愛にあふれる、丁寧な橋をかけてくれたおかげで、わたしはバレエだからこその良さがまた理解できたし、喜びを分かちあえてうれしかった。

存在は知っていたけれど、自分の世界に組み込まれてはいなかったもの、1周目通った時はよく味わえなかったものに一つひとつ出会い(直し)、次々に橋がかかっていくのがうれしい。ほんの少しでも読み解けるものになると、世界の見え方が全然違う。

 

人は誰でもその人が夢中になるものがあって、これをシェアし合っているだけで、一生「遊んで暮らせる」と思う。

 

豊かな日々をありがとうございます。

好きなものや大事なものをどんどんおすそ分けする気前のいい人たちであふれていくのは、幸せだなぁ。

 

 

 

くるみ割り人形」、「白鳥の湖」ときて、本丸は8月のロイヤルバレエシネマの「ロミオとジュリエット」だそうで、今から楽しみ。また感想を話す会がセットされるといいなー。

 

tohotowa.co.jp

 

ライブビューイングのシステムがあることで、舞台美術がほんとうに素晴らしくなった反面、これに観客が慣れてしまうと、あまりお金をかけられないカンパニーの舞台は、「...あら?しょぼい?」となってしまいそう、という話も出た。ロイヤルバレエシネマが別格すぎるのかもしれないけれども。

目下のところわたしは、ライブビューイングで少しずつ学びつつ、いつか「これは!」という舞台に巡り合ったときは、生で観に行こうと思う。


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Information

自分の好きなもの、好きなことをみんなに紹介する、みんなで愛でる会、イベントの企画・設計・進行・宣伝のご相談にのります。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

東寺展がよかった話


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春休み中でのんびりしている息子と、ぶらり東寺展へ出かけた。

toji2019.jp

 

東寺。京都といえば、でパッと浮かぶのが東寺の五重の塔かも。
サスペンスドラマでよく出るやつですね。

 

 

うーん、よかった!!

 

予習せずに行ってしまって、しまったと思ったのだけれど、平成館入ってすぐ右にあるガイダンスルームで、所要時間10分の映像を見れば、趣旨はばっちり掴めるようになっている。さすがトーハク。

 

ちなみにガイダンスルームの先の「日本の考古」の部屋にも、いろいろ、無造作に、大量に展示してあってすごい。さすがトーハク。


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東寺の役割とは、密教とは、空海とは、などなど、とてもよく理解できる構成で、素晴らしかった。

密教ってなんだかよくわかっていなかったのだが、解説ボードの英語のほうを見ると"Esoteic Buddhism"、秘密仏教。仏教のひとつの流れ。「秘密」は、それ自体が仏教の特別な言葉なのらしい。深遠で微妙な知や教で、普通の人間には容易に知り得ないもの。

 

空海はその教えをビジュアル化という方法で、よりズレや間違いのないように、伝えようとした。両会曼荼羅、立体曼荼羅、契印、真言。口伝、口承だけでは伝わらないものを目に見えるようにしたという点が画期的だ。

 

わりと

 

一連の展示を見ていて。

それまでも仏教絵画も仏像もあったけれども、たとえばキリスト教にとってのイコンや聖書のように、明らかな意図と意志を持って、体系化された教義や真理を、より直感的に伝えようとしたしたのは、もしかするとこの国では空海がはじめてだったんだろうか?

 

どこにもそうバシッと書いていなかったので、想像だけれども。

 

2次元の曼荼羅だけではまだ足りない、3次元の仏像や、人間自体により影響を与える建築でもやってみよう、と思ったあたりもすごい。一つひとつがその時代の技術の粋というところにもまた力が込められているように感じる。

 

 

▼ジュニアガイド。とてもわかりやすい。大人にももらえるとありがたいなぁ。。

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▼これだけ撮影OKだった。
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本日一番の衝撃は、東寺のイントネーションが「冬至」じゃなくて「当時」だったこと。

空海から最澄への直筆書簡とか、これ漫画「阿・吽」ファン垂涎なのかな?「敷物の曼荼羅はとても重要なシーンで出てくるで見られてよかった」と友だちが言ってました。

ふーむ...わたしもそろそろ読もうかな。

  

 

ものすごく詳しいガイドを和楽intoJapanが書いてました。

intojapanwaraku.com

 

 

▼資料集で時代背景などを確認。改元が間近に迫った今は、年号にも関心が向きます。弘仁貞観の時代。
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いつもわたしに学びのきっかけを与え、促してくれて。
ありがとうトーハク!ありがとう上野公園!

 


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