ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

『没後20年 特別展 星野道夫の旅』展 鑑賞記録

過去の記録を再記録。2016年9月5日 ---- 最終日に駆け込みで行ってきた。 www.asahi.com まとまらない感想をつらつらと。 カリブー、グリズリー、ムース...どれも星野さんに教えてもらった動物たち。 大きく引き伸ばされた写真には、わたしが写真集からは読…

成田美名子原画展 鑑賞記録

丸井有楽町店に成田美名子原画展を観に行ってきた。 サイファを語る会や、LaLa原画展を観てきたわたし。 hitotobi.hatenadiary.jp もう、眼福のひと言。 写真撮影OKなので撮ったんだけど、超絶技巧はやはり目で見たほうが凄いので、投稿するのはやめときまし…

朗読劇『日の名残り』鑑賞記録

2020年10月。 カズオ・イシグロの『日の名残り』の朗読劇。なぜか本で読めなくて、5回ぐらいトライしたんだけど、だめだった。 他のイシグロ作品は全部読んだのに。うーん、ここは演劇の力を借りるしかないなぁ……と前々から思っていたところに、あうるすぽっ…

森鷗外記念館『森家の歳時記』展 鑑賞記録

2020年9月の終わり。 森鷗外記念館。 開館してからずっと来たいと思いながら月日が流れて、ようやくタイミングが訪れた。わたしは森鴎外という人をずいぶんと誤解していたのかもしれない。初めてちゃんと出会えた気がする。国語の教科書に載っていた『舞姫』…

書籍『ある晴れた夏の朝』

『ある晴れた夏の朝』小手鞠るい/著(偕成社, 2018年) どなたのツイートだったか忘れたけれど、ふいに流れてきた紹介に惹かれて、そのまま図書館に予約を入れた。 本を読んで涙するのは久しぶりというぐらい、とても心揺さぶられた。 主人公はアメリカのハ…

絵本『梨の子ペリーナ』

BL出版から2020年9月に刊行されたばかりの絵本、『梨の子ペリーナ』 イタロ・カルヴィーノの『イタリア民話集』からとられたお話に、酒井駒子さんの絵。魅力的すぎる。 そして関口英子さんの、カルヴィーノ節を残しながらも、日本語としても美しく仕立ててく…

クラウドファンディング目標金額達成!ありがとうございました!

書籍出版の制作費を募るクラウドファンディング、2020年8月31日に無事終わりました。目標金額に対して118%の達成。411名のサポートがありました。 ここまで大規模なクラウドファンディングを立ち上げるのは、初めての経験でしたが、よい挑戦となりました。チ…

出版のクラウドファンディングに挑戦中です!応援よろしくお願いします!(〜2020/8/31)

若者に書籍として『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』を届けたい! 大人と子どものはざまの時期を生きる10代の人に、共に社会をつくる仲間の10代の人に、「社会のトリセツ(取扱説明書)を作って生きる」というアイディアを本の形で手渡したい!…

映画『風の谷のナウシカ』鑑賞記録

映画『風の谷のナウシカ』を観に行った。 感染症流行の第一波が来た4月上旬に、「今読まなあかん気がする!」と思いたって漫画版を購入し、その後語る会をひらいた。 hitotobi.hatenadiary.jp その後、6月末からスタジオジブリ映画4作品公開との報。ナウシカ…

書籍『アミティ「脱暴力」への挑戦』鑑賞記録

『アミティ・「脱暴力」への挑戦』 『ライファーズ 終身刑を超えて』『トークバック 沈黙を破る女たち』『プリズン・サークル』などを撮った映画監督・坂上香さんの編著。 読む前は、坂上さんの映画作品のキーワードである(とわたしが思う)、「感情の表現…

書籍『ヒロシマ 消えたかぞく』鑑賞記録

『ヒロシマ 消えた家族』(ポプラ社) 毎日小学生新聞の本の紹介欄で知った写真絵本。 女の子と背中のネコが同時に目を細めている表紙が印象的で、今すぐ読みたいと思った。 めくっていくと、アルバムのようなつくり。 レイアウトされたモノクロ写真にコメン…

書籍『ナウシカ考 風の谷の黙示録』鑑賞記録

6月末から、映画館でスタジオジブリの4作品をリバイバル上映している。 www.ghibli.jp 5月に漫画版『風の谷のナウシカ』を語る会をひらいたこともあり、アニメ版ナウシカは気になるところではあった。 hitotobi.hatenadiary.jp 観に行った人たちが口々に、「…

書籍『アルケミスト』『11ミニッツ』

2014年の読書記録。 --- パウロ・コエーリョの「アルケミスト」読了。 不思議と心が安らいで、読みながら眠って、眠りながら読んでいたような、稀有な読書体験だった。 これはシンクロニシティの物語だ。・自分の欲望を知り、心から求めれば開かれる・人との…

映画『千と千尋の神隠し』鑑賞記録

息子とアニメーション映画「千と千尋の神隠し」を観てきた。 最近漫画版『風の谷のナウシカ』を語る会をひらいて、宮崎駿の作品づくりについてあれこれ話題にしたこともあり、タイムリーなリバイバル上映。 www.ghibli.jp わたしはこの作品、映画館で観るの…

映画『タゴール・ソングス』鑑賞記録

『タゴール・ソングス』を観てきた。 tagore-songs.com こんなブログも書いて楽しみにしていた。 hitotobi.hatenadiary.jp でも感染症流行で公開が伸びた。〈仮設の映画館〉での上映もはじまったけれど、どうしても映画館で観たくて、タイミングを待っていた…

書籍『読書会入門 人が本で交わる場所』

去年の秋(2019年)に発刊されたときから気になっていた本、ようやく読めた。 本の感想を複数人で語り合う「読書会」は、一人の読書よりも格段にメリットが多い。誰かの意外な感想が、自分に足りない視座を教えてくれ、理解できなかった箇所は、他の参加者が…

漫画版『風の谷のナウシカ』を語る

5/19にクローズドで漫画版『風の谷のナウシカ』を語る会をひらいた。 ひらいた目的は2つ。 1. リサーチとして。今、10代向けの本を仲間を執筆中で、10代の感性にふれてみたかった。それも直接インタビューするようなことではなくて、作品の感想を話したり聴…

〈レポート〉5/26『パンデミックを生きる指針』を語ろう

ウェブ記事を読んで感想を話すイベント、『パンデミックを生きる指針』を語ろうをひらきました。 hitotobiselection2.peatix.com 当日の準備として いろんな記事を読みました。 ウェブ上で観ただけのもの、映像で観たものも合わせると、数えきれません。 3月…

サウザンブックス(Thousands of Books)の本

サウザンブックスの本が届きました! クラウドファンディングを活用して世界の本を翻訳出版している会社です。 コンセプト> http://thousandsofbooks.jp/concept/ 今回届いたのはこちらの『ジュリアンはマーメイド』 http://thousandsofbooks.jp/project/ju…

〈お知らせ〉5/26 ひととびセレクション#2 『パンデミックを生きる指針』を語ろう

5/26(火)の夜、ウェブ記事を読んで感想を語る会をひらきます。 hitotobiselection2.peatix.com 次の3本の記事を扱います。 1. 藤原辰史『パンデミックを生きる指針ー歴史研究のアプローチ』https://www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic2. 根本美作子『…

書籍『猫を棄てる 父親について語るとき』

今の状況で文化的なものに直に触れようとしたとき、わたしにあるのは本だ。本だけではないが、もっとも身近にあり、入ることを閉ざされていない館だ。 扉を開き続けてくれているまちの書店に感謝。 先日立ち寄ったときに村上春樹の新刊が出ていたので、迷わ…

オランのまちの人として

こんなとき、オランのまちの名もなき人々の中に、わたしのような人もいたに違いない。 今のわたしが心引き裂かれている、この悲しみ、この憤りを感じた人も、いたに違いない。 登場人物として名前を与えられなかった無数の人々の中に自分を含めることで、小…

『生理ちゃん』の3巻、出てますよ〜!

生理を擬人化した漫画『生理ちゃん』の第3巻が出ましたよ! モデル、不倫、夫婦のパートナーシップ、上司や同僚、中絶、働くことと妊娠、女性とは、職場と女性と生理......。今回もまた「ああーそういう面もあるよなぁ」と思うエピソードばかり。作者のリサ…

〈レポート〉カミュ『ペスト』を語ろう

カミュ『ペスト』を語ろうという場をひらいています。 4月中旬に1回目をひらき、2回目以降はリクエストにお応えする形にして、ここまで4回開催しました。 talkaboutpest4.peatix.com なぜ『ペスト』を語る場をひらこうと思ったか わたしが『ペスト』が話題に…

2019年版・1日1冊好きな本を投稿する7日間

去年の8月ごろに、「1日1冊好きな本を投稿する7日間チャレンジ」のバトンが回ってきたときに7冊の本を投稿した。 今年も、似たようなチャレンジがSNSで流行っていて、複数の方からバトンをいただいた。 やるかどうか、やるとしたらどんなふうにやるか、今考…

〈レポート〉ファシリのお仕事「スペイン語学習について話そう!」

スペイン語学習について話そう! という会のファシリテーションのお仕事をさせていただきました。 主催は、日本とスペイン語圏の架け橋として語学スクールや情報発信の活動をしておられる、イスパニカさん。代表の方がわたしの友人というご縁です。 わたしは…

《お知らせ》4/16 ひととびセレクション #1 カミュ『ペスト』を話ろう

《ひととびセレクション》は、鑑賞対話ファシリテーター・舟之川聖子がセレクトする表現作品を真ん中に、感想をわいわい語り合う集いです。本(読み物)、映画(映像)、舞台、美術など、さまざまなジャンルの、古典から現代までの作品を、毎回幅広く取り上…

映画『タゴール・ソングス』から数珠つなぎの詩の話

詩の話。 映画『タゴール・ソングス』の監督・佐々木美佳さんが、タゴールの詩を自分の言葉で訳してくださっている。 note.com ガチガチの理屈や現実主義の言葉に、心も体も疲れて防御的になっているとき。 スッと入っていくのは詩の言葉。 伝達でも依頼でも…

書籍『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』

映画『トークバック 』を語る会について書いたこちらの記事で紹介した書籍群の中の一冊。 『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』 少年刑務所における更生教育の一つが、「社会的涵養(かんよう)プログラム」。その授業から生まれた作品を…

書籍『わたしが障害者じゃなくなる日』

シネマ・チュプキ・タバタで『37セカンズ』という映画の感想シェアの場をひらくのに合わせて読んだ本。劇場で参考書籍として販売されていた。 『わたしが障害者じゃなくなる日〜難病で動けなくてもふつうに生きられる世の中のつくりかた』 第一感想としては…